神戸連続児童殺傷事件で、当時小学6年で11歳の土師淳(はせ・じゅん)君が命を奪われて、きょう5月24日で22年が経ちます。淳君の父親、土師守(はせ・まもる)さんは、ラジオ関西の取材に対し、「加害者の男性は、一生涯、自らが犯した残忍な事件に向き合う責任と義務があると考えている」と話しました。
土師さんは、男性が4年前、事件に関する手記を何の断りもなく出版したことから、手紙の受け取りを拒否しています。
土師さんは昨年解散した全国犯罪被害者の会「あすの会」で、犯罪被害者や遺族の権利の確立を訴え56万人分の署名を集めて犯罪被害者に関する基本法の成立にも貢献しました。その後、被害者・遺族が刑事裁判に参加し、被告人に直接問いかける「被害者参加制度」の実現や殺人事件などの時効の撤廃にも力を注ぎました。土師さんはこれまでを振り返り、次のように述べました。
「当時は、被害者対処要綱みたいなものがやっとできた頃でしたが、『あすの会』として署名活動をしましたし、ヨーロッパ情勢(を知る)のために(調査団を)派遣して、先進国の状況を確認して、ああいう署名活動をしました。一般の方に理解していただくことは非常に難しい内容でしたが、それでも、最終的に56~57万人の方に署名いただき、今考えますと、それは非常に驚異的なことだったのかなと思います。大事なことはそれをいかに運用するかということだと思いますので、その点に関しましては、実際に行われていることに関する検証をしていく必要があるんじゃないかなと思います」
そのうえで、土師さんは「私たち犯罪被害者や遺族は、新しい法律や制度が実現しても、ほとんどが自分の関係する事件について何の権利や利益も生み出さない。次に被害に遭う人たちが私たちと同じ辛い思いをしないようにと訴えてきた」と話しています。(ラジオ関西ニュース)
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