第3回天宮遥さん(2012年5月)
第3回のパーソナリティーインタビューは、『天宮遥の私はピアノ』『田辺眞人のまっこと!ラジオ』『ばんばひろふみ!ラジオ・DE・しょー!』に出演されている、ピアニストの天宮遥さんに登場していただきます!
※動画を再生するにはvideoタグをサポートしたブラウザが必要です。
現在ラジオ関西では、出演者、番組制作者としても関わっていただいていますが、元々ピアニストとしてデビューされて、現在もピアニストとして活躍されていると伺っています。
音楽と出会ったきっかけを教えてください。
父も母も音楽好きで、家にはレコードがたくさんありました。ジャンルも映画音楽、クラシック、ポップス、ジャズや演歌に歌謡曲といったように、いろんなジャンルのレコードがありました。
親戚は音楽教室をしている家や、美術大学の先生、お坊さんなど。本もたくさんあったし、陶芸や絵、宗教美術など、そういうものが日常に溢れている…そんな環境に育ちました。
ピアノや歌をならいはじめたきっかけは、3歳の時、母が私の歌をきいて「この子は絶対才能ある!」と早合点したところからはじまりました。
その他にもテニス、英会話、作文教室やイタリヤ料理教室などバラエティに富んだ子供時代で、楽しかったですよ。近所にそんな教室があったのもおもしろいですよね。
日曜日になると母に京都のお寺や美術館を連れまわされました。渋い小学生生活でした(笑)。
ピアノは、はじめ楽譜を見ても全然弾けないものが練習することで弾けるようになって、また練習して新しい曲が弾けるようになって…の繰り返し。できないことを克服していくのが楽しかったのだと思います。昔のピアノの先生って、「クラシックしか弾いてはダメ」という先生が多かったけれど、家では自由に、CMソングとか、自分で作った曲を弾いていました。
今、ラジオ関西で「天宮遥の私はピアノ」という音楽番組に出演していて、その中で「音楽クイズ」というコーナーをやっています。そのコーナーではいろんな曲を混ぜてクイズにするのですが、小さい頃にやっていたことと変わらない(笑)。
子供の頃からいろんな音楽を聴いていました。聴いたものをピアノで弾くっていうのも面白いですよ。音楽っていろんなジャンルがあるけれど、好き嫌いはありません。ジャンルを超えて聴いたり、演奏したりしたいと思っています。
「永遠の片思い」音楽ってわたしにとってそんな存在です
音楽活動をしていて思い出深いエピソードなどありますか?
今までピアニストとして様々な活動をしているのですが、「音楽の力」を感じる出来事がありました。
松方ホールでの3回目のコンサートのときでした。会場がひとつになった瞬間がありました。「mother」という母親を歌ったオリジナル曲を歌っていたとき、あからさまな『音楽の力』を感じたのです。
会場にはきっと私のオリジナル曲を知らない人もたくさんいたと思いますが、会場が一体になった不思議なオーラのようなものを肌で感じました。「お母さんに対する万人に共通する想い」が一つになって会場からは涙。…そんな会場をつつみこむようなパワーを感じる瞬間を体感し、驚きました。
また、音楽療法の現場でも感じることがありました。音楽療法は対象者によって様々な方法がありますが、わたしは高齢の認知症の方を対象にしています。老人介護施設に行き、童謡を歌うと、普段は自発的にお話しない人も、耳元で歌うとちゃんと言葉が戻ってくる。たとえば「うさぎお~いし♪」って耳元で歌うと、「かのやま~♪」って。音楽は言葉を引き出す事ができるのです。本当に感動しました。音楽の力ってすごいですよね。この活動は今でも続けています。
「あなたにとって音楽とは?」って聞かれたことがあるのですが、わたしはこう答えました。
「永遠の片思い」って。思うようになかなかいかない。時々振り向いてくれたかなって思ったら、ぷいってされて「あぁ、まだまだかぁ」って。音楽に対してそう思うことがよくあります。
最近の音楽活動を教えてください。
最近はキーボーディストとしてバンドに呼んでもらうことが楽しいです。往年のアイドル竹本孝之さんのキーボーディストとして活動もしています。竹本孝之さんって、俳優さんとして活動される前は、アイドルとして活動されていたのですが、普段お母さんとしてがんばっている世代の方々が、ライブが始まったとたん少女に引き戻されて、歌に合せて振り付けをされるんです!これも音楽の力ですよね。
ラジオ関西のお仕事で、原田伸郎さんの伴奏をさせていただいたのもうれしかったですし、南かおりさんと木村三恵さんがボーカルをしているバンドでアニソンの演奏もさせていただきました。
子供への防災活動として、「み~んなおいで元気な子QQ体操」という曲をつくりました。振付は木村三恵さん。み~たんと、はばたんと、はるかたんの3人で、ラジオ関西キャラバン隊として兵庫県内のいろんなイベント会場や幼稚園をまわりました。DVDも撮影しましたので、子供さんの防災活動に役立てていただけたらと思います。白いパンツにハイソックスでがんばりました。
一人で演奏するのは、オリジナルソングのほかには、クラシックや映画音楽などエレガントな音楽が多いのですが、バンドだとビートものやロックなども演奏できて、すごく面白いですよ。会場からして違いますからね、クラシックなどを演奏するホールとバンドを演奏するライブハウスでは。ノリノリでやっています!
ラジオが大好きなので、「わたしにやらせてください!」って立候補をしました。
ピアニストの天宮さんが、ラジオのお仕事をするようになったきっかけは?
初めてのラジオ出演はラジオ関西の谷五郎さんの番組でした。初のコンサートの告知でラジオに出演させていただきました。
それをきっかけにラジオ関西のスタッフとも知り合うようになり、わたし自身もテレビよりラジオが好きということもあって、ラジオ関西で番組を持つようになりました。
出演者としてだけではなく、番組制作にも携わってらっしゃいますが、そのきっかけは?
今は、「ベストセラーを読む!」という本を紹介するコーナーに出演させていただいている『ばんばひろふみ!ラジオ・DE・しょー!』で、当時プロデューサーの方が制作アシスタントを探されていました。
そのお話をきいて、ばんばひろふみさんの音楽番組だし、ラジオが大好きなので、「わたしにやらせてください!」って立候補をしました。そこからどんどん、ピアニスト、出演者としてだけではなく、数々の番組制作にも携わらせていただくことができました。
ばんばひろふみさん、原田伸郎さん、小山乃里子さん、増井孝子さんなど、大御所の方々と仕事をさせていただくことができて、本当に幸せだなって思います。
そして、月~木の朝5:50から放送している『三上公也の情報アサイチ』の制作も担当しています。金曜に担当している『原田伸郎のびのび金ようび』とは違う、情報番組です。正確な情報をいち早く伝えることの重要性を感じています。言葉の使い方や大切さについて、報道制作局長の三上アナウンサーに直接に教えて頂く機会があるのは感激です!
ピアニスト・番組制作・出演者の3つの顔を持たれていますが、気持ちの切り替えなど大変ではないですか?
切り替えはあんまりないですよ。正直なことを言うと、原稿をもらってその場で最高の表現!っていうのができないのです。制作の部分から時間をかけて携わりたいな~と思っています。
それは、コンサートやCD制作をしてきたからだと思います。曲を作って、練習して、コンサートやCDの構成を考えて、告知して、本番を迎える。ラジオ番組でも同じように制作もさせていただいています。普通はディレクターが番組を作り、出演者がしゃべるっていう役割分担がなされていることが多いですけどね。
番組制作をさせてもらって、喜びといえば、自分が制作者として考えたことを大御所の方々がやってくださる。しかも自分が思っていた以上におもしろいことになったり、発展したり。それがまた大感激で、「こんなおもしろいことなるんだー!すごいなぁっ!!」って。その放送を聴いてまた勉強して、わたしも演者として表現していけたらいいな~と思います。こんな幸せなことはありませんよね!
「田辺眞人のまっこと!ラジオ」ではアシスタントを務められていますよね?
もともとこの番組は、田辺先生の意向により番組内で生演奏を届けたいということがあって、放送中に生演奏ができる音楽家を探していました。以前より田辺先生とは番組を通じでお話したことがあって、田辺先生より「天宮さんがいいです」とご指名いただき、アシスタントとして一緒に番組をすることになりました。恐縮です。
『田辺眞人のまっこと!ラジオ』は歴史の話が主体です。それまで歴史に興味のなかった人も聴いていただけるように…といいますか、私も知らないことが多いので、わからないことは「○○って何ですか?」と、先生にびっくりされること覚悟で質問し、先生にくわしくお話いただけるように投げかけるようにしています。田辺先生の歴史の話は、おもしろくって聴きやすいお話ですが、素朴な質問や疑問を投げて、さらに噛み砕いた内容をお届けしたいなって思っています。音楽は童謡やクラシックを中心にお送りしています。クラシック音楽は、高尚なイメージで普段の生活とは距離を感じがちですが、制作当時の流行音楽だったりしますし、オペラのストーリーも今と変わらない恋愛劇が多いので、そのあたりも楽しくお話できたらと思っています。
番組内では生演奏もあります。スタジオにキーボードを入れてもらって、毎週1曲クラシックや童謡の生演奏をしていますよ。クラシックですので、はじめは楽譜どおりに演奏しないと!と思い、とても緊張しましたが、天宮遥風アレンジをさせていただいても良いということですので、『私はピアノ』と同じように、自由に演奏させていただいています。緊張しますけどね(笑)。
今まで私がやってきた楽しい音楽で、ピアノとラジオ番組を結びつけられたことがうれしかったです。
2009年に『Iらぶピアノ』で、日本民間放送連盟賞ラジオエンターテインメント部門で優秀賞を受賞したと伺いましたが、そのときのことについてお聞かせください。
2008年に始まった『天宮遥の私はピアノ』を拡大した番組で、ポピュラーや歌謡曲の生演奏や、音楽クイズ、音楽を分解した楽典の説明や、お題を元に一曲作曲してみる、といった内容でした。
作曲のコーナーでは、たとえば「あなたの気持ちが○○気持ちなら、メロディーはこんな感じでいかがですか?」とか「こんなキーワードなら、こんな音階はいかがですか?」という風に、番組上で曲を完成させていく、といった風に番組を進めていきました。三拍子と四拍子の違いや、長調と短調の違いなども実際ピアノを弾いてみて解説もしました。
受賞した理由は…きっと変わっていたのでしょうね(笑)、実際ピアノを弾いて作曲したり、音楽を解説や解剖したりするってことが斬新だったのかと思います。他局からも素晴らしい番組が出展されていましたが、並み居る強豪を相手にエンターテインメント部門で受賞できて本当によかったです!
今まで私がやってきた楽しい音楽で、ピアノとラジオ番組を結びつけられたことがうれしかったです。
実はこの番組終わる予定でした。他の賞を受賞された局の方が授賞式のスピーチで「この番組は受賞記念にもう一度再放送されることになりました」とか「この番組は受賞記念に放送時間が延びることになりました」など、スピーチされているなか、わたしが「この番組は終わることが決まっています」ってスピーチしたら会場が「えーーー!」ってなって。ラジオ関西の三上アナウンサーが司会だったのですが、あわてて「早急に考えたいと思います」って(笑)。今も『天宮遥の私はピアノ』というタイトルで、日曜日の17:30から放送しています。たくさんの方に熱心に聞いていただいて、応援メッセージやリクエストをいただいています。とてもうれしいです!
ラジオはテレビにくらべて、身近な存在に感じますよね。
ラジオを通してリスナーの方と会話している感覚が大好きです。
お話を伺っていると、「ラジオが好き」とおっしゃっていますが、ラジオの魅力って何でしょうか?
ラジオって想像力が膨らみますよね。わたしは一人っ子で、寝室では一人でした。寝るときは、音楽やラジオを聴きながら寝ていました。夜中にこっそりベッドでラジオを聴いていると、「こんな夜中におもしろい話がきけるなんて!」って秘密の楽しみでした。パーソナリティさんはどんな人なのだろう、どんなところでしゃべっているのかな、とか想像していました。ニュース原稿をめくる音や、椅子のまわる音がするとたまらなく興奮しました(笑)。ラジオはテレビにくらべて、身近な存在に感じますよね。ラジオを通してリスナーの方と会話している感覚が大好きです。
リスナーさんから貰う手紙は全部大切に読んでいます。わざわざメッセージくれるなんて、すごい労力だと思います。番組を聴いていただいて、メッセージを送ろう!と思ってくださる気持ち、また、ファックスやおはがきは書いて送っていただく労力。本当にありがたいですよ。このうれしさや感謝の気持ちはずっとかわることはありません。ラジオまつりなどで声をかけていただくとめっちゃうれしいです。
今後の天宮さんの夢や展望などあれば教えてください?
自分のスタイルで音楽活動を続けていきたいです。コンサート活動やCD制作もマイペースで続けていきたいですし、ラジオ番組を通じて、ピアノの演奏を聴いていただいたり、自作の音楽を発表したり、CMソングを作曲したり、老人介護施設にも訪問したり。もちろんラジオ番組の制作にも携わらせていただきたいし、いろんな形の表現者かな!
いつもニコニコ笑顔がステキな天宮さん。お話を伺っていると、固定概念やジャンルにとらわれない考えの持ち主なのだなと感じました。きっとその柔軟さが、いつものステキな笑顔に通じているのでしょうね。番組制作から音楽活動まで、幅広くどんなことでも自分のスタイルでやってのける天宮さん。これから、わたしたちにどんな違った顔を見せてくれるのでしょうか?とっても楽しみです!
【プロフィール】天宮遥
神戸市出身。ニックネームはみやさん。神戸をこよなく愛するピアニスト。ラジオ関西『天宮遥の私はピアノ』(日17:30~17:40)、『田辺眞人のまっこと!ラジオ』(日10:00~12:00)『ばんばひろふみ!ラジオ・DE・しょー!』ベストセラーを読む!(金9:00~12:00)に現在出演中。
- 第2回 木村三恵さん(2012年1月)
- 第3回天宮遥さん(2012年5月)
- 第4回 桂春蝶さん(2012年9月)