ひょうごボランタリープラザがチャーターしたバスで、岡山県真備町へ向かうボランティア(写真:ラジオ関西)
西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山県真備町で復旧作業を手伝うボランティアをラジオ関西の池田奈月アナウンサーが自ら体験し、ボランティア活動の現実を番組で語った。
これは「ひょうごボランタリープラザ」が7月27日、真備町へ向けてチャーターしたバスに、池田アナがボランティアのひとりとして参加したもの。早朝6:30に神戸駅前を出発、真備までおよそ3時間。参加者36人のうち、12人が同じグループとして振り分けられ、自営業の男性の2階建て住宅で作業を手伝うことに。大雨で1階部分がすべて水につかったという。日本家屋の土壁ははがれ、枠だけになっている。汚泥はすでに乾いていて、手で触ると粉々になった。庭には部屋の中から掻き出した土砂が山盛りになっている。これをスコップですくい、土のう袋に入れて一輪車で運び、業者の引き取りを待つ状態にまで調えるのがボランティアに任された作業だ。当日の気温は33度。厳しい暑さの中、被災宅の家族が笑顔で「ようこそ。ありがとうございます」と迎えてくれた。気丈に振る舞う様子を見て、少しでも役に立ちたいという気持ちが膨らんだ。
地元の川べりに“災害ごみ”が壁のように連なっている。こうしたごみがどのように運ばれて処理されるのかと考えると気が遠くなった。同行したあるボランティアの言葉が身にしみる。「“災害ごみ”と呼んでいるが、その中には被災者が大切にしてきたものが埋まっている、と意識しながら作業にあたりたい」 庭で土をすくう作業中、人形の顔が2つ出てきた。ほかのボランティアらと「お雛様かもしれないね」と話し、そっと脇に置いた。
西日本豪雨に襲われた岡山県真備町で、川べりに積まれている災害ごみ。(写真:ラジオ関西)
ボランティアの中には経験豊富な熟練者がいて、自らタイムキーパーを申し出て作業時間と休憩時間の号令をかけたり、土のう袋の結び方や効率的な土の詰め方を教えたりしている。こうした知恵は、阪神・淡路大震災で各地からの支援を受けたのをきっかけとして、ひょうごボランタリープラザが培ってきたノウハウなのだろうと感じた。
作業を手伝いたい、という気持ちがあれば誰でもボランティアに参加できる。埃の逆流を防ぐ弁がついた防塵マスク・目を覆うゴーグルなど、必要なものはセンターが配布するマニュアルで確認できる。飲み水は、常温のボトルと凍らせたものをセットで持っていくといい。帰りは、バス乗車前に風呂で汗を流せる。
ボランティアとして作業に参加する以外にも支援の方法はある。倉敷市内の美観地区は被害が少ない。現地にでかけて名産品を買うことも復興に貢献する方法のひとつだ。
ラジオ関西「時間です!林編集長」| 2018年7月30日(月)放送分
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