(写真:ラジオ関西)
第99回天皇杯全日本サッカー選手権大会は3日、2回戦が行われ、今大会初戦となったヴィッセル神戸は、ノエビアスタジアム神戸で福岡県代表のギラヴァンツ北九州と対戦し、4-0と勝利。3回戦へ駒を進めた。
アンドレス・イニエスタやダビド・ビジャらがメンバー外になるなど、6月30日のJ1第17節名古屋グランパス戦からスターティングメンバーを総入れ替えして臨んだ、神戸。前半からボールをつないでゲームを支配するも、J3で現在2位の北九州の守備網を崩し切れず、攻めあぐねていたが、ハーフタイム直前に安井拓也のゴールで均衡を破る。
後半には、相手GKのパスミスをゴール前でカットした小川慶治朗が難なく流し込み、公式戦2試合連続ゴールを記録。さらにCKから田中順也が押し込んでリードを広げると、80分にはセルジ・サンペールが北九州守備陣を手玉にとるようにドリブルでかわしながらシュートを決め切り、来日初得点をマーク。守備では途中、相手に決定機を与えるシーンも散見されたが、無失点で切り抜けた。
【監督、選手コメント】
●トルステン・フィンク監督
今日の試合に関して、立ち上がりは少し難しい状況もあったのですが、新しい選手を11人プレーさせたということで、今までチャンスがなかった選手たちも見たかったので、彼らが試合を通じてだんだんよくなっていたと思います。今日の11人はマッチリズムがなかったので、そういったことも考えて先週のテストマッチを行いました。天皇杯という大会も侮ってはいけない。今日の結果をみると、J1のチームが3試合(会見後に実際は4試合)負けている。今日の相手もいい試合をしていた。シンプルなプレーができなければ我々も負けていたかもしれない。今日出た選手は前半すごく戦って、後半自分たちのサッカーができたと思うので、私は満足しています。ハーフタイム直前の素晴らしいゴールのおかげで、チームもリラックスしてリズムを見つけることができました。
今日の試合は相手を0点に抑えたことも非常に満足している。次のラウンドに進め、ケガ以外のほかの選手たちも土曜日の清水戦をフレッシュな状態で迎えるので楽しみにしています。
――選手たちへ戦前に与えた指示について
(天皇杯優勝が)AFCチャンピオンズリーグに入る(出場する)ための最短ルートだと考えています。選手たちには、「今日はおまえたちにとってチャンスだぞ、今後試合で使えるよう、今日の試合で(力を)見せてくれ」と指示を出しました。相手は高いモチベーションで来ているので、決して侮らないようにと話しました。
――ゴールを決めたサンペール選手のパフォーマンスについて
基本、ひとりの選手をそこまで持ち上げたくないですが、彼は本当にいいフォーマンスをしてくれたと思いますし、彼自身もあのゴールで自信がついたように思います。
●セルジ・サンペール選手
本当にいいゴールを決めることができたと思います。ボールが自分のところにこぼれて来て、(運べる)自信もありましたし、フェイントを3、4回くらい入れたと思いますが、最後左足でゴールを決めて、本当にびっくりするくらいうまくいったので。たぶん自分の記憶にも長い間残るであろうゴールだと思います。(何人抜いてゴールしたかは)もう1回映像で見ないとわからないですね。最後のほうは疲れてしまっていて、周りも見えていなかったので。でも、ヴィッセルでの、日本での初ゴールになり、このために、長く激しい練習も重ねてきたので、こういう形で報われて本当に喜んでいます。自分自身、ゴールゲッターというわけではないですが、ただ、ゴールを決めるときはいいゴールを決めてきた印象はありますし、これをきっかけに、ふたをあけたようにゴールを決められればなと思います。(最近での得点については)過去2年はゴールを決めていないので、U-21スペイン代表か、バルセロナB時代のどちらかかなと思います。(ゲームの組み立てに比重をおいてプレーしている?)今日はひとりでアンカーポジションをやっていて、今までは(山口)蛍とダブルボランチを組むことが多かったが、今日は蛍も出ていなくて、ひとりで務めることになりましたが、そういうプレーも自分は好き。やっぱり後ろから組み立てをするというところは、自分にとっては一番好きなプレーです。(ゴールをチームメイトが喜んでいたが?)よかったです。みんなには『メッシの真似をしたのか!』とジョークで言われたけどね(笑)。みんなにとって思いがけないゴールだったかもしれないが、だからこそ喜びが大きくなったのかなと思います。
●三原雅俊選手
(負傷明けで2か月ぶりの公式戦となったが)実践をつまないとなかなか戻ってこないと思う。離れていた期間が長かったので、これからですね。(天皇杯2回戦について)チームとして、前半なかなかうまくいかなかったが、前半最後に1点いい形でとれて、後半は圧倒できました。(この試合で出たメンバーのパフォーマンスについて)もっともっと高められるところはたくさんあると思うし、今、Jリーグで戦っているメンバーと同じかといわれたら、全然まだ同じような戦いはできていないと思うので、もっとレベルを全体で上げていかないといけない。個人としてはケガで離れている期間が長かったので、コンディションを上げないといけない。チームとしては、いい流れを全体で共有して、全体でレベルが上がっていくようにしていくべきだと思います。