4月24日、JリーグYBCルヴァンカップは、グループステージ第4節の8試合が行われ、Cグループに属するヴィッセル神戸は、アウェイでセレッソ大阪(C大阪)に0−1と敗れた。これで神戸はグループステージで1勝2分け1敗となり、勝点5のまま。Cグループでは、名古屋グランパスとともに4チーム中2位タイとなっている(首位は勝点7のC大阪、4位は勝点4の大分トリニータ)。
20日のJ1リーグ第8節浦和レッズ戦から、スターティングメンバー11人を総入れ替え。アンドレス・イニエスタ、ダビド・ビジャ、ルーカス・ポドルスキら外国籍選手5人がベンチからも外れたなか、C大阪との一戦に臨んだ、神戸。前半は今季初先発となった増山朝陽のいる左サイドを中心に攻め出ようとしたが、攻撃は散発的。「前半はまったく自分たちのサッカーができていなかった。何でもないミスが多く、相手にチャンスをプレゼントしていた」と、吉田孝行監督。ベンチスタートとなった西大伍の「(ベンチから観た前半は)つまらなかった」という言葉に集約される45分だった。相手に押し込まれる展開が続くと、22分、前神戸のC大阪MF藤田直之のコーナーキックをきっかけに、最後はC大阪MF田中亜土夢に技ありの左足ボレーシュートを決められ、先制点を許す。その後も、藤田にミドルシュートでゴールを脅かされるなど、苦しい場面も多々あったが、神戸GK前川黛也の好守などもあり、最少失点で前半を折り返す。
後半開始からはボランチのMF那須大亮に代わって、FWウェリントンを前線に投入。さらに、後半開始後まもなくDF初瀬亮が負傷交代となり、試合前日に副キャプテン就任が発表されたDF西が急遽ピッチに入った。ただ、その西を起点に、ウェリントンの前線での圧力もいかしながら、神戸は反撃を仕掛けていく。ボールもつながり出し、C大阪陣内でのプレーも増え、後半だけで6本のコーナーキックを獲得。そのなかで、68分からはヴィッセル神戸U−18所属で2種登録のFW小田裕太郎がトップチーム公式戦デビュー。その小田も絡んで攻勢を強めたが、後半途中からDFを加えて守備を厚くしたC大阪を崩しきれない。最後まで1点が遠かった神戸は、今季3度目のC大阪戦も勝てず。吉田監督復帰後初白星もお預けとなった。
「最後のところで結果というのがもっと大事。そこをもっと追求したい」と悔やんだのは小田。それでも、「何回か通用した部分もある。そこはもっと磨きをかけたい」というように、17歳のニューヒーロー候補の台頭は希望の光だ。そして、神戸としては、苦しい時期が続くも、これ以上、敗戦をひきずるわけにはいかない。「気持ちじゃなく頭で戦う。考えてプレーすれば、いい意味でもう少し楽に戦えると思う」というのは、常勝・鹿島アントラーズで何度もタイトル獲得を経験してきた、西。それができるタレントは、クリムゾンレッドにも揃っているだけに、平成最後の試合となる4月28日のJ1第9節、王者・川崎フロンターレとのホームゲームから、再起をかけていきたい。