新作紹介 映画『The Son/息子』 『死体の人』
2023年3月9日 第36回オンエア
番組を聴いてみよう!
【先読みシネマ情報】
「The Son/息子」 エヌグローイング 大矢哲紀さん
高名な政治家にも頼りにされる優秀な弁護士のピーターは、再婚した妻のベスと生まれたばかりの子供と充実した日々を生きていた。そんな時、前妻のケイトと同居している17歳の息子ニコラスから、「父さんといたい」と懇願される。初めは戸惑っていたベスも同意し、ニコラスを加えた新生活が始まる。ところが、ニコラスが転校したはずの高校に登校していないことがわかり、父と息子は激しく言い争う。なぜ、人生に向き合わないのか? 父の問いに息子が出した答えとは──?(作品資料より)
【先読みシネマ情報 パート②】
「死体の人」 フリーパブリシスト 菅野拓也さん
役者を志していたものの、気がつくと“死体役”ばかりを演じるようになっていた吉田広志(奥野瑛太)。開いたスケジュール帳はさまざまな方法で“死ぬ予定”でいっぱいだ。「厳密にリアリティを追求するなら……」と演じることへの強いこだわりを持つ彼だが、効率を重視する撮影現場では、あくまで物言わぬ“死体”であることを求められる。劇団を主宰していた頃の後輩俳優は要領よくテレビで活躍を果たしているが、彼にはそれができない。死体役には死体役のリアルが彼の中にはあるのだ。ひとりのときでも発泡酒を口にすれば“毒死のシーン”を、浴槽に浸かれば“溺死のシーン”を演じ、常に死に方を探求する日々を送っていた。
そんな〈死体の人〉が、人生を変えられるような運命的な出会いを果たす。ある日、自宅に招いたデリヘル嬢・加奈(唐田えりか)との情事の後、彼は「ベタな質問で恐縮なんだけど……何でいまの仕事をしてるの?」と彼女に問いかける。それはそのまま〈死体の人〉にも跳ね返ってくる質問だった。「けっこう喜んでもらえるし、こんなことくらいでしか人を喜ばせられないから」と答える加奈に対して、「俺なんか誰も喜ばせられないよ……」と自嘲気味に〈死体の人〉は続ける。明るく振る舞う加奈だが、彼女もまた自身の人生に問題を抱えていた。
しかし、ある日唐突に〈死体の人〉の元に、母(烏丸せつこ)が入院するという報せが父(きたろう)から入る。気丈に振る舞う母だが、どうにも病状は良くないらしい。さらにそこに、新たな問題が発生。偶然見つけた妊娠検査薬を何気なく自分で試してみたところ、何と陽性反応が出たのだ。これはいったいどういうことなのだろうか……?
消えゆく命、そして、新たに生まれてくるかもしれない命──。〈死体の人〉こと役者・吉田広志は、一世一代の大芝居に打って出る。
(作品資料より)
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