落語への想いを語る月亭方正(写真:ラジオ関西)
今年で落語家として10周年を迎えている月亭方正(50)が、3日、ラジオ関西(神戸市)の「桂春蝶のバタフライエフェクト」(毎週火曜10:00-14:55)の生放送にゲスト出演した。
「20歳からこの世界(芸能界)でずっとやってきて、不惑(40歳)になったとき、自分に何にもないのがわかった。『ビンタ』と『ごぼう』しかなかった」と、年末恒例の特番「笑ってはいけない」シリーズや人気番組「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」のネタを出しつつ、「僕の芸というのは、テレビ芸、瞬間芸、団体芸だったから、ひとりになったときに何もない。それにすごく落ち込んだ。僕は、芸が欲しかった」と悩んでいた時期を語った方正。「39歳のとき、初めて落語を、(故)桂枝雀師匠の『高津の富』という話を聞いて、『これを俺の人生のすべてにする!』」と、落語家へ転身した当時の想いを振り返った。
そのうえで、「落語をやって救われた。それまでは、僕は私生活で退廃的な事をしてストレスを解消したりとかしていた。仕事がどこか苦しかったから、その引き換えにお金をつかって自分を納得させていた。でも、落語をやってから10年、私生活でお金を全然使わなくなった。もう仕事が充実しているから。『ああ、人間ってこういうことなんや』と、やっとわかった」と、落語家として歩んできたこの10年に生きがいを見つけたようだ。
「一生懸命10年落語をやってきた記録」として5月に著書「落語は素晴らしい-噺家10年、根多が教えてくれた人生の教え-」(ヨシモトブックス)を出版。さらに今後は、「落語会を月2~3回マストでやるような、『落語の家』(を持ちたい)というのを考えている」と話した、方正。19日に大阪の天満天神繁盛亭で立川談慶(52)との「二人会」、24日には、同じく10周年を迎える桂ちきん(33)らとともに、「2008年花の同期会in神戸新開地喜楽館」にも出演するなど、これからも落語家としての活動が目白押しだ。