今日紹介した 映画 は…
日の名残りでした!
監督
ジェームズ・アイボリー
出演
アンソニー・ホプキンズ
エマ・トンプソン
ジェームス・フォックス
クリストファー・リーブ
ピーター・ヴォーン
ヒュー・グラント
今回の“オタシネ・クラシック”は、今年のノーベル文学賞を受賞して話題となったカズオ・イシグロが書いて、1989年の、英国文学賞の最高の栄誉であるブッカー賞に輝いた「日の名残り」を、ジェームズ・アイボリーが監督した1993年の映画のご紹介。
1954年長崎生まれの石黒一雄さん。5歳の時に海洋学者の父がイギリスに招かれた為、一家で移住。
その後1970年には英国の国籍を取得して英国人になり、著作もすべて英語で発表されているため、カズオ・イシグロという海外の作家扱いになる訳だけど、初期の作品には日本を題材にしたものもあり、日本の映画もお好きなようで、日本人の魂も大切にしてらっしゃるところが感じられて、嬉しい限り。
2005年に発表された「わたしを離さないで」も、2010年にマーク・ロマネク監督、キャリー・マリガンらの主演で映画化され、2014年には、蜷川幸雄演出で舞台になり、2016年には綾瀬はるか主演でTVドラマにもなっていて、日本でも人気の作家さん。
ノーベル文学賞受賞をきっかけに、DVDなども増産され、配信もされたりで、ちょっとしたブームになってるカズオ・イシグロ関係の映画の中で、お気に入りのジェームズ・アイボリー監督作品ということもあって、取り上げたのが「日の名残り」。
1980年代「眺めのいい部屋」「モーリス」「ハワーズ・エンド」など、英国の伝統美とエレガンスに溢れたいい映画を撮ってるアイボリー監督が「ハワーズ・エンド」でとても相性が良かったアンソニー・ホプキンズとエマ・トンプソンを再び起用して、その制作に関わったスタッフも呼び集めて作ったのがこの作品。
イギリスの広大なカントリーハウスに暮らす貴族に仕える執事スティーブンス(アンソニー・ホプキンズ)。
かつて共にその屋敷で働いていた女中頭ミス・ケントン(エマ・トンプソン)から久しぶりに手紙が届き、彼女の元を訪ねるスティーブンスの旅と、かつての主人で、ナチスドイツに利用され、没落してしまったダーリントン卿(ジェームズ・フォックス)の屋敷での、華やかな日々が交錯。
父親の臨終にすら立ち会わず、ミス・ケントンへの淡い恋心にも蓋をして、ひたすら仕事のみにまい進した彼の人生って、いったい何だったんだろう?
そして、自分自身への内なる旅で、スティーブンスが見つけたものとは・・・。
アンソニー・ホプキンスといえば、アカデミー主演男優賞など各賞総ナメの「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクターが当たり役ですが、このスティーブンス執事の押さえた演技も見事です!
おたか
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