おたかのシネマでトーク
今日は「知りすぎていた男」をご紹介しました。
監督 アルフレッド・ヒッチコック
出演 ジェームズ・スチュワート、ドリス・デイ、ブレンダ・デ・バンジー、バーナード・マイルズ、ラルフ・トルーマン
1955年に製作され、1956年に公開になったアルフレッド・ヒッチコック監督の作品。ヒッチコック監督が、イギリス時代に作った1934年の「暗殺者の家」を、映画会社のパラマウントの意向でセルフリメイクしたのがこの映画。
アメリカ人の医師ベン・マッケナ(ジェームズ・スチュアート)は、元ブロードウェイのミュージカルスターだった妻のジョー(ドリス・デイ)と、7歳になる息子のハンクを連れてパリでの学会の帰りに、モロッコに立ち寄った。
カサブランカからマラケシュへのバスの中で現地の人とトラブルになった時、助けてくれたのがルイ・ベルナール(ダニエル・デュラン)というフランス人。実は彼はスパイ活動をしていて、翌日、市場で暗殺団に追われ、某国首相の暗殺計画があること、そして“アンブローズ・チャペル”という謎の言葉を残してベンの腕の中で息絶える。
この事件の証人として警察に行っている間に、前夜親しくなったドレイトン夫妻が息子のハンクを連れ去ったことを知ったマッケナ夫妻は、この事件の謎を解こうと、彼らを追ってロンドンに向かう。
クライマックスは、ロイヤル・アルバート・ホールの演奏会。
演奏されるのが、アーサー・ベンジャミンの“Storm Cloud Cantata”。
本作のオリジナル音楽をつけたバーナード・ハーマンが指揮者として登場もしています。
首相暗殺の合図になる最後のシンバルが打たれるまでの、緊迫の10数分。果たして、マッケナ夫妻は暗殺を阻止して、人質の息子を取り返すことが出来るのか?
音楽が大きな役割を果たすこの映画、このクラシック曲と同時に、息子救出の重要なカギともなるのが、ドリス・デイが歌う“ケ・セラ・セラ”。
レイ・エバンス作詞、ジェイ・リビングストン作曲のこの曲は、この映画の為に作られた曲で、第29回のアカデミー賞で歌曲賞を受賞。大ヒットしたこの曲は、彼女の代表曲にもなっています。
歌手として1944年に“センチメンタル・ジャーニー”をヒットさせ、1948年「洋上のロマンス」で、映画デビュー。
1950年には主題歌もヒットした「二人でお茶を」、1953年には西部劇風ミュージカル「カラミティ・ジェーン」、そしてこの「知りすぎていた男」のヒットで、女優としての人気を不動のものにし、1959年ロック・ハドソンと共演した「夜を楽しく」では、アカデミー賞の主演女優賞にノミネートもされた、ドリス・デイ。
1960年代の終わりごろに映画界を引退。活躍の場をテレビに移して、自分の名前を冠した“ドリス・デイ・ショー”などで活躍。1980年頃からは、動物愛護の活動にも力を注いでいたようですが、今年の5月13日、肺炎のためにカリフォルニアの自宅で亡くなっています。
97歳での大往生!
でもこの映画では30代半ばの、はつらつとした姿と、魅力的な歌が楽しめる・・・、いやぁ~本当に映画っていいもんですね~!!
★おたか★