おたかのシネマでトーク
今日は「ジュディ 虹の彼方に」をご紹介しました。
監督 ルパート・グールド
出演 レネー・ゼルウィガー、ルーファス・シーウェル、マイケル・ガンボン、フィン・ウィットロック
1939年「オズの魔法使い」で華々しくハリウッドのスターになったジュディ・ガーランド。
その時、彼女は17歳だった。
ハードな撮影スケジュールをこなすため、映画会社MGMの首脳部は、興奮剤や睡眠薬、ダイエットのための薬などをいっぱい与え、彼女をコントロールしようとした。
母親までもが加担したこの薬漬けの日々の中で、神経を病み、情緒不安定になったジュディは、遅刻や体調不良で撮影に穴をあけ、あげくMGMから解雇されてしまった。
再起不能と言われながら、歌手としてコンサートで成功をおさめ、そして1954年「スタア誕生」で、見事スクリーンに返り咲く。
2018年に、レディ・ガガ主演でリメイクもされたこの作品で、ジュディは名演技を見せ、アカデミー賞の主演女優賞にノミネートされるが、「喝采」のグレース・ケリーに負け、再び活動の場をライブ活動に移し、TVで冠番組を持つまでになるが、視聴率不振で打ち切られたこともあり、再び薬物に依存するようになっていった。
金銭感覚も全くなく、子供連れで巡業を回っていて、宿泊費を払えず追い出されるジュディ(レネー・ゼルウィガー)。やむなく子供を前の夫シド(ルーファス・シーウェル)に預け、生活を立て直すため、ロンドンのナイトクラブ“トーク・オブ・ザ・タウン”でのショウに出ることにする。
彼女を温かく迎える支配人のデルフォント(マイケル・ガンボン)と世話係のロザリン(ジェシー・バックリー)に助けられながらショウを続け、LAから訪ねてきたミッキー(フィン・ウィットロック)との再婚も果たす。けれど、5人目の夫となった彼との幸せな時間も長くは続かず、次々とトラブルを起こすジュディは、支配人からクビを申し渡される・・・。
1969年6月22日、47歳で急逝したジュディの晩年の姿をスクリーンによみがえらせたのが、この役でアカデミー賞の主演女優賞に輝いたレネー・ゼルウィガー。あの「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズでおなじみで、「シカゴ」では歌えるところも披露していたが、今回はハードなトレーニングを経て、全ての歌を彼女自身が歌い、ジュディの独特の仕草も完璧に再現したそのなりきりぶりに、第44回トロント国際映画祭はじめ、あらゆるところでスタンディングオベーションが続いたというのも、納得の素晴らしい演技。
原作は、ロンドンでも、アメリカのブロードウェイでも好評を博したピーター・キルター原作の舞台「End Of The Rainbow」。監督は、舞台の演出家として名高く、映画ではブラッド・ピットが製作総指揮を務めた「トゥルー・ストーリー」で評価されたルパート・グールド。
没後、半世紀を経て、スクリーンに蘇ったジュディ・ガーランド。
実の娘のライザ・ミネリは、フェイスブックに“製作は公認していない。でも、製作を止めるつもりもない。”と書き込んだという。
母と娘の間に確執があったのは、この映画のジュディの生き方を観れば納得できそう。
実話の持つパワーは、やっぱりスゴイ!
★おたか★