ーーーおたかのシネマでトーク
今日は「パンク侍、斬られて候」をご紹介しました。
監督 石井岳龍
脚本 宮藤官九郎
出演 綾野剛、北川景子、東出昌大、染谷将太、浅野忠信、村上淳、若葉竜 也、近藤公園、渋川清彦、國村隼、豊川悦司
芥川賞作家の町田康の書いた原作を監督したのが、あの「狂い咲きサンダーロード」などの石井岳龍。
脚本を書いたのがあの「GO」の脚本で日本アカデミー賞の最優秀脚本賞に輝いた宮藤官九郎。
そして“ミスター・キャラクター・アーティスト”綾野剛主演と揃えば、なんだか分からないけど、心がざわつく。
空っ風が吹く街道。やって来た浪人風の男。道端の物乞いの父娘をみるや、その父を一刀両断、バッサリと斬り捨てる。曰く“この者たちは捨て置くとこの藩に災いをもたらす腹ふり党なのだ”と。
そして、掛十之進(綾野剛)と名乗ったこの侍は、藩主(東出昌大)の前で腹ふり党の脅威を説き、対立する家老の大浦主膳(國村隼)と内藤帯刀(豊川悦司)のパワーバランスを利用して、まんまと仕官を果たす・・・と正統派の時代劇のように始まるのだが、やがてすぐ微妙な違和感に気づく。
言葉遣いが今風だし、登場人物のキャラクターが、すべて濃い。衣装も装置もカラフルで、アヴァンギャルド。
腹ふり党の腹ふりダンスは200人というスケールだし、後半の合戦シーンでは、ワンカット内に腹ふり党3000人、猿1億匹がひしめくという奇想天外さ。
勿論これは、あの「シン・ゴジラ」も手がけた特撮監督の尾上克郎の技によるものなのだけれど。
腹ふり党のマドンナろん(北川景子)、元大幹部の茶山半郎(浅野忠信)、用人の幕暮孫兵衛(染谷将太)ら、それに、一瞬誰だか分からなかった永瀬正敏だとかの錚々たる俳優が集結し、いずれ劣らぬくせ者たちが繰り広げる超破天荒なかけ合いと壮大なハッタリ合戦には、ついていけないという方もいらっしゃるかも・・・。
何てったって、主題歌が町田康が高校在学中に触発され、自らバンドを結成したという憧れのバンド、パンクロック界を代表するイギリスの伝説的バンド セックスピストルズの“アナーキー・イン・ザ・UK”なんだから、そのパンクぶりは推して知るべしなのである。
映像配信サービスdTVが初めて手掛けた実写映画。
正に新しいカタチの映画製作が生み出した、前代未聞のエンターテインメント!
好きか嫌いか、分かるか分からないか? 貴方の感性が問われる、踏み絵のような映画です。
★おたか★
過去ログ…6月27日 放送 おたかのシネマでトーク「ジュラシック・ワールド」
6月20日 放送 おたかのシネマでトーク「オンリー・ザ・ブレイブ」
6月6日 放送 おたかのシネマでトーク「C’est la vie!/セラヴィ!」
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