おたかのシネマでトーク
今日は「サムライマラソン」をご紹介しました。
監督 バーナード・ローズ
出演 佐藤健、小松菜奈、森山未來、染谷将太、青木崇高、長谷川博己、竹中直人
今や、空前のマラソンブーム…と言われるようになってから、どれぐらい経つのだろうか?
2020年の東京オリンピックに向けて、まだまだヒートアップしそうな勢いのマラソン熱。
NHKの大河ドラマも、日本人初のオリンピックのマラソンランナーとなった金栗四三を中村勘九郎が熱演する“いだてん~東京オリムピック噺”を放送中。
日本のマラソン競技のルーツと言われているのが、1855年(安政2年)安中藩(今の群馬県)の藩主、板倉勝明が藩士を鍛えるために行った“安政遠足(あんせいとおあし)”。
そしてその史実を元に土橋章宏が書いた小説“幕末まらそん侍”を映画化したのがこの作品。
何となく観たことがある的感覚になったのは、あの「超高速参勤交代」の原作、脚本も同じ土橋章宏だからなのかも?!
時あたかもペリーの来訪で開国を迫られた日本が、揺れに揺れていた幕末。
長らく戦のなかった時代に、たるんでしまった武士たちを鍛えなおそうと藩主(長谷川博己)が急に決めた15里(約58㎞)の遠足。
1位になった者には、何でも望みの物を与えるとのことで、色めき立つ藩士たち。
意中の雪姫を我がものにしたいと望む辻村(森山未來)、優勝して侍になり、妻子にお腹いっぱい食べさせてやりたいと願う足軽の上杉(染谷将太)などなど。
いきなり八百長の誘いがあったり、勝つためにズルしようと画策する者もいるというドタバタの裏で、幕府側はその“遠足”を謀反の動きと捉えて藩主暗殺の刺客を放っていたのだ。
勘定方の平凡な侍だが、実は幕府のスパイとして代々、安中藩に身を置いていた唐沢(佐藤健)は、自らの早とちりの情報が幕府の陰謀の引き金を引いたと感じ、隠密としての本分を果たすべきか、今いる場所での幸せを守る為、その陰謀を阻止するのか、大きな決断を迫られる・・・。
“行きはマラソン、帰りは戦”とキャッチコピーにあるように、藩士たちは待ち受ける刺客を倒し、無事城にもどることが出来るのか?
江戸に出て、いずれは外国に渡り、絵の勉強をしたいと望んでいる藩主の娘の雪姫(小松菜奈)の、遠足に紛れての脱走計画もあり、安中藩は風雲急を告げる!
監督は「不滅の恋、ベートーベン」などを撮ったイギリス人のバーナード・ローズ。
撮影監督が「るろうに剣心」シリーズの石坂拓郎。
企画プロデュースが「ラスト・エンペラー」でオスカーを獲ったジェレミー・トーマス。
衣装デザインに「乱」などのワダ・エミ。音楽が「めぐりあう時間たち」のフィリップ・グラスといった、洋の東西を超えてスタッフ、そしてキャストが入り乱れる異文化ミックス状態。
ファーストテイクを大切にし、テストなしいきなり本番もありというダイナミックな監督の演出ぶりも功を奏して、ライブ感覚溢れる、今風の幕末時代劇の誕生となった。
佐藤健、森山未來らの並外れた身体能力や、竹中直人のおとぼけぶりなど、それぞれの持ち味がいかんなく発揮されて、楽しめる作品に仕上がっている。
★おたか★
過去ログ…2月13日 放送 おたかのシネマでトーク「ファースト・マン」
2月6日 放送 おたかのシネマでトーク「メリー・ポピンズ リターンズ」
1月23日 放送 おたかのシネマでトーク「マスカレード・ホテル」
1月16日 放送 おたかのシネマでトーク「天才作家の妻 40年目の真実」
- 2月20日 ばんばひろふみ ラジオDEしょー★★ROCKな1年に★★ (2019.2.20水)
- おたかのシネマでトーク『サムライマラソン』(2019.2.20水)
- 知性の玉手箱★松本隆さん (2019.2.20水)