おたかのシネマでトーク『COLD WAR あの歌、2つの心』(2019.7.3水)
おたかのシネマでトーク
今日は「COLD WAR あの歌、2つの心」をご紹介しました。
監督 パベウ・パブリコフスキ
出演 ヨアンナ・クーリグ、トマシュ・コット、ボリス・シィツ、アガタ・クレシャ、セドリック・カーン
2013年に「イーダ」でアカデミー賞の外国語映画賞に輝いた、ポーランドのワルシャワ生まれのパヴェウ・パヴリコフスキ。
彼は監督し脚本を書いた今作でも、再び2019年のアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたが、結局は監督賞も受賞したアルフォンソ・キュアロンの「ROMA/ローマ」が選ばれ、2度目の受賞はならなかった。(日本からノミネートされていた「万引き家族」も残念な結果となった!)
第2次世界大戦後の冷戦に揺れるポーランド。
1949年に社会主義ポーランドの芸術は、大きな転換期を迎え、民族性への回帰が求められ、民族舞踊団がいくつも作られた。そんな国立の民族舞踊団の養成所で、ピアニストのヴィクトル(トマシュ・コット)は、歌手を夢見るズーラ(ヨアンナ・クーリク)と出会い、強く惹かれ合い恋に落ちる。
彼らの所属する“マズレク舞踊団”はワルシャワの公演で大成功をおさめ、1952年には東ドイツの国際青年祭に招かれ公演をすることになる。西側の音楽を愛するヴィクトルは、その機会を逃さず亡命することを決め、ズーラを一緒に行こうと誘うが、結局彼女は待ち合わせの場所に現れず、彼は一人で亡命を決行する。
1954年、パリのクラブでピアノをひいて生活しているヴィクトルの元へ、舞踊団の海外公演でフランスを訪れたズーラが訪ねてくる。
何故ベルリンで一緒に逃げなかったのか?その思いを彼に告げて帰ってゆく彼女。
あくる年、その彼女に会う為ユーゴスラビアの公演地を訪ねたヴィクトルは、公演の途中で国家保安局の男たちに連行され、パリに送り帰されてしまう。
2年後、今度はシチリア人と結婚して合法的に国を出たズーラが、ヴィクトルに会いにパリへやって来る。
一緒に暮らし、歌手のズーラの為にレコードをプロデュースしたりもするが、二人の関係はやがてぎくしゃくしたものになり、ある日、ズーラは一人、故郷に帰ってしまい、後を追ったヴィクトルは、当局に捕らえられてしまう・・・。
ポーランド、ベルリン、ユーゴスラビア、パリ・・・、別れと再会を繰り返す二人を繋ぐのが“2つの心”という曲。
時代に弄ばれ、どんな状況になったとしてもその歌で結ばれ、愛を貫こうとする二人。
1950年代、決して色彩に溢れた国ではなかったポーランドの二人の恋は、モノクロの画面の中で、究極のラブストーリーとして、鮮やかに花開くのだ。
★おたか★
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