おたかのシネマでトーク
今日は「人間失格 太宰治と3人の女たち」をご紹介しました。
監督 蜷川実花
出演 小栗旬、宮沢りえ、沢尻エリカ、二階堂ふみ、成田凌、千葉雄大、瀬戸康史、高良健吾、藤原竜也
天才と言われたベストセラー作家、太宰治(小栗旬)。
そして、彼を巡る3人の女性たち。
身重でありながら献身的に彼を支え、愛人のいることを知りながら、妻、母としてだけではなく、夫の才能を信じ「人間失格」を書かせるまで見守った正妻 津島美知子(宮沢りえ)。
太宰の支持者であり、恋と革命に生きるのがモットー、作家志望でピュアな恋愛至上主義者。「斜陽」のモデルで、彼女の文才にも惚れ込んだ太宰との間に子供までもうけた太田静子(沢尻エリカ)。
終戦直後の時代には珍しい働く女性。戦争未亡人で美容師として自立していながら、太宰と出会って恋に落ち、結核で喀血するようにまでなっていた太宰の看病をし、執筆の手伝いもし、自分の貯金もすべて彼の為に使い果たし、1948年太宰と共に、玉川上水で入水心中、28歳の生涯を閉じた山崎富栄(二階堂ふみ)。
太宰治が、完結したものとしては遺作となった「人間失格」を書くまでを、事実を元にしたフィクションとして、蜷川実花監督、早船歌江子脚本で描いたのがこの作品。構想7年。どうしても太宰の役を小栗旬に演じて欲しいと彼のスケジュールを待ち、その間に小栗旬は太宰の本を読みこみ、体重を減らし、喀血するシーンに向けて、死相が浮かぶほど極限にまで体重を落としたという。
本物の役者というのは、役作りの為には、とことんやるというのは、TVドラマ「天皇の料理番」~「西郷どん」の鈴木亮平で感動したものだけれど、さすが小栗旬も負けず劣らずすごい!
そういえば、小栗旬が初監督し、鈴木亮平も出演していた「シュアリー・サムデイ」という映画は、私の結構なお気に入りなのですが・・・、とまあ、関係ないことも思い出しつつ、堪能させてもらった小栗の太宰。
ま、賛否両論あるキャスティングですが、ただ、左利きで原稿を書くシーンにはちょっと違和感が。
多分、太宰は右利きだったのではなかったかと・・・?!
元々、フォトグラファーの蜷川実花は、独特の色を持った監督さん。
特に原色がとても印象的。
2007年の「さくらん」 2012年「ヘルター・スケルター」 2019年「Diner ダイナー」と、今や映画監督としての地位を確立し、同時に写真展が日本のみならず台湾や中国の美術館を巡回し、写真集の出版でも世界的に話題の人。
色彩、照明、光線、構図・・・どれをとっても、独特のセンスが光り、どのシーンをとっても画になる感じなのは、さすが!
白い雪の上に喀血して横たわるシーン、そこに天から降って来る白い花。
耽美的、ファンタスティック・・・?
好きも嫌いも、良くも悪くも、ニナガワワールド全開の作品なのです!
★おたか★
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