おたかのシネマでトーク
今日は「パラサイト 半地下の家族」をご紹介しました。
監督 ポン・ジュノ
出演 ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム
アメリカ、ハリウッドのドルビーシアターで2月9日に行われた第92回のアカデミー賞の受賞式。
今年は、本当にビックリの結果!
作品賞・監督賞・脚本賞・今年から名前が変わった国際長編映画賞(元の外国語映画賞)を、韓国のポン・ジュノ監督の、韓国語の映画「パラサイト 半地下の家族」が受賞したから・・・。
英語以外の言語の映画が作品賞を受賞するのも、作品賞と外国語映画賞の同時受賞も初めて。
カンヌ国際映画祭で、最高の賞“パルムドール賞”を受賞した作品がアカデミー賞にも輝いたのは、これが3本目で、1945年のビリー・ワイルダー監督の「失われた週末」、そして、1955年のデルバート・マン監督の「マーティ」以来64年ぶりという、すごい快挙。
前評判は高かったけど、作品賞は無理じゃないかとの、大方の予想を裏切り、この作品が4冠に輝いたことで、いろんな意味で、時代が変わったことを感じさせてくれた今年のアカデミー賞だった。
計画性も仕事もない、でも楽天的な父キム・ギテク(ソン・ガンホ)。
元ハンマー投げの選手だった母チュンスク(チャン・ヘジン)。
大学受験に落ち続けている息子ギウ(チェ・ウシク)。
美大を目指しているが、予備校に行くお金もない娘ギジョン(パク・ソダム)。
全員が無職でお金もない一家4人は、ピザの箱を組み立てる内職をしながら、半地下の家で暮している。
実際、半地下の家は韓国に多いらしく、37万世帯、全世帯の約2%が、家賃の安い半地下で暮しているとのデータもある。
湿気が多く、下水管との関係で、部屋の一番高いところにトイレがあるなど、お世辞にも良い住環境とは言いづらい暮らしをしているギテク一家。
ある日、名門大学に通う友人から、留学する間、代わりに家庭教師をやらないかと持ちかけられたギウは、高台にあるお金持ちのIT企業のパク・ドンイク社長(イ・ソンギュン)と妻のヨンギョ(チョ・ヨジョン)の家に行き、気に入られ娘ダヘの家庭教師の職を得る。
パク家にはもう一人、小さな男の子ダソンがいて、絵のうまい、けれどどこか変わったその男の子のために、素晴らしい絵の家庭教師がいると言って、妹のギジョンを紹介し、やがて父や母までを含め、2つの家族は接点を持ち、寄生虫的な関係になっていく・・・。
そして、それからの予想もできないストーリー展開。
ブラックコメディであり、スリラー、サスペンス、ホラー、スプラッター、そして社会派、家族ドラマ・・・とあらゆる要素を含むエンターテインメント。
監督のポン・ジュノが、絶対にネタバラシをしないで~と懇願しているのが納得の、本当にアッと驚く映画なのだ。
ポン・ジュノ監督とソン・ガンホは先日、プロモーションのために13年ぶりに揃って来日したが、2月末ごろ、再び来日するらしい。
2月初めに日本全国での観客動員100万人突破、興収14億円突破に感謝してということもあるだろうし、なんと、2月26日から、韓国ではこの作品の“モノクロ版”が公開されるとあって、日本での公開に向けての宣伝?と、又、話題をまいているのだ。
話題と言えば、映画に出てくる“チャパグリ”というB級グルメも美味しそうと評判で、これは韓国で有名なインスタントラーメン“チャパゲティ”とピリ辛ソースの”ノグリ“を混ぜて作るジャージャー麺みたいなものらしく、映画の中では、ここにサイコロステーキみたいなのを焼いて乗せていて、とても美味しそう!
で、これが今、すごい人気で、日本でも韓国の食材を扱っているお店で手に入るものの、今や売り切れのお店も多いんだとか。
そしてこの作品、注目してほしいのは、映画では一番伝えにくい“におい”が大きなポイントになっていること。
“におい”は記憶に残りやすい。何故なら、五感の中で嗅覚だけが脳の海馬に直接情報を送り込む、記憶に残りやすい情報だから。
この映画が、すご~く記憶に残るのは、そのせい???
★おたか★
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