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  • 2018年1月17日(水) 15時48分 おたかのシネマDEトーク

    おたかのシネマでトーク!『エンドレス・ポエトリー』

    今日紹介した 映画 は…

    エンドレス・ポエトリーでした!

     

    監督
    アレハンドロ・ホドロフスキー

     

    出演
    アダン・ホドロフスキー
    パメラ・フローレス
    ブロンティス・ホドロフスキー

    レアンドロ・ターブ
    アレハンドロ・ホドロフスキー

     

    何かに出会って、その後の人生が変わってしまうということがあるようで、もしかしたら、この映画がその何かになる人がいるかもしれないと思うぐらいの、強烈なイメージを残す映画。

    1970年の「エル・トポ」や73年の「ホーリー・マウンテン」のすごい映像で、ジョン・レノンやミック・ジャガーやアンディ・ウォーホルなど、あらゆる分野のクリエーターの心を鷲掴みにして熱狂させた巨匠、アレハンドロ・ホドロフスキー。
    日本でも、寺山修司、宮崎駿、大友克洋らがおおいに影響を受けたということで、日本にもファンが多く、
    この映画もチリとフランスと日本の共同製作。

    アメリカのキックスターターを始め、クラウドファンディングで35万ドルを集め、協力してくれた人の名前は、パンフレットの最後に、虫眼鏡でやっと読めるぐらいの小さな字で書かれている他、出資額と同等の“ポエティックマネー”なる紙幣を発行するという遊び心のいっぱい詰まった対応で、広く資金調達に成功した。
    因みに、この紙幣をデザインしたのは、コラージュアートの天才、河村康輔さんなんだとか。

    1929年、独裁政権下のチリに生まれ、その後パリやメキシコでも暮したアレハンドロ・ホドロフスキー。
    2014年に、23年ぶりの新作となる「リアリティのダンス」と、未完の大作「DUNE」の製作の顛末を追ったドキュメンタリー「ホドロフスキーのDUNE」が公開され、来日も果たしたのが85歳の時。

    故郷トコピージャでの少年時代を描いた「リアリティのダンス」。
    その続編ともいうべきこの「エンドレス・ポエトリー」では、首都サンティアゴに出てからの、青年時代のホドロフスキーと、当時のアヴァンギャルドな詩人やアーティスト、パフォーマーやミュージシャンなどとの交流が、現実とフィクションを織り交ぜながら描かれている。

    アレハンドロ自身を、末の息子のアダン・ホドロフスキーが演じ(彼はこの映画の音楽も担当)父のハメイ役を長男のブロンティスが演じていて、アレハンドロ・ホドロフスキー自身も、年老いた自身の役で登場する。

    撮影監督は「恋する惑星」などでの、手持ちのカメラワークが独特なクリストファー・ドイル。
    奇想天外なホドロフスキーのイメージを、プロフェッショナルな周りのスタッフが具現化していく中で、あの独特の色彩と躍動感に溢れた世界が浮かび上がってくる。
    まるで、映画作りの魔法を見るみたいに!

    88歳の巨匠。まだまだ進化中なのが、ほんとにスゴイ‼

     おたか