おたかのシネマでトーク
今日は「グリーンブック」をご紹介しました。
監督 ピーター・ファレリー
出演 ビゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリ、リンダ・カーデリー、ディミテル・D・マリノフ、マイク・ハットン
今年の第91回アカデミー賞で、作品賞、マハーシャラ・アリの助演男優賞、ニック・バレロンガ、ブライアン・カーリー、ピーター・ファレリーの脚本賞と、3部門でオスカーに輝いた作品。
脚本を書きプロデューサーも務めたニック・バレロンガの父親で、後に「ゴッドファーザー」などで俳優デビューもしたイタリア系のトニー・バレロンガと黒人の天才ピアニストのドナルド・ウォルブリッジ・シャーリーの友情の物語をいつか映画化したいと、実の息子のニックが本人達にインタビューしたりして集めたエピソードを散りばめながら、監督も含め3人で書き上げた脚本がいい。
一瞬、あのオマール・シーの出世作、体が不自由な白人の大富豪と、その介護人になった貧困層の移民の黒人の青年との交流を描いた実話「最強のふたり」を思い出した。あれも最強の実話だったけど、この「グリーンブック」の方が、テーマとしては、時代的にも重い。
時は1962年。公民権運動が力を増していた頃。
前年の1961年にリベラルなジョン・F・ケネディが大統領になり、ロバート・ケネディが司法長官になり、1963年には、キング牧師のもと、人種差別撤廃を求めて20万人のワシントン大行進が行われたそんな時代。
けれど、南部の諸州にはジム・クロウ法なる人種差別を容認する州法があって、その廃止は1964年なので、まだまだ差別の真っ只中にある南部の町に、演奏旅行に出かけるという孤高の天才黒人ピアニスト、ドクター・ドナルド・シャーリー(マハーシャラ・アリ)と、彼の用心棒兼運転手として雇われたトニー・リップ・バレロンガ(ヴィゴ・モーテンセン)がディープサウスをめぐる実録ロードムービーであり、心が熱くなるバディ・ムービーとしても楽しめる作品。
9歳でレニングラード音楽院の生徒になり、18歳でボストンポップスオーケストラでコンサートデビュー。ケネディ大統領の為に、ホワイトハウスでも演奏し、音楽や心理学の博士号を持ち、複数の言語を操り、カーネギーホールの上の超高級アパートに住む天才黒人ピアニストのシャーリー。
一方、ニューヨークのナイトクラブ”コパカバーナ“の用心棒で、口が達者で、いろんなトラブルを口先でうまく収めてきたことから”リップ“のあだ名がついたというイタリア系の、無教養でがさつな、しかも黒人差別を平気でしてきたようなトニー。
ナイトクラブが改装中の2か月間、単にバイト代を稼ぐために運転手になったトニーと、彼のトラブル処理能力を買って、彼を雇ったシャーリー。
性格も暮している環境も考え方も、何もかもが正反対のこのおじさん二人が、南部で黒人が泊まれる宿などを記したガイドブック“グリーンブック”を手に、車で南部の町を旅する。
笑ってしまう程ギクシャクしながら、やがてお互いを理解するようになり、信頼と友情の絆で強く結ばれるようになり、そして感動の素敵なクリスマス!
監督、製作、共同脚本のピーター・ファレリーは、「ジム・キャリーはMrダマー」や「メリーに首ったけ」「愛しのローズマリー」など、ちょっとお下品なお笑い映画が得意なのかと思っていたら、こんなドラマも・・・と、ちょっと見直してしまいました!
★おたか★
過去ログ…2月27日 放送 おたかのシネマでトーク「カプリコン・1」
2月20日 放送 おたかのシネマでトーク「サムライマラソン」
2月13日 放送 おたかのシネマでトーク「ファースト・マン」
2月6日 放送 おたかのシネマでトーク「メリー・ポピンズ リターンズ」
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- おたかのシネマでトーク『グリーンブック』(2019.3.6水)
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