おたかのシネマでトーク
今日は「ライオン・キング」をご紹介しました。
監督 ジョン・ファブロー
声の出演 ドナルド・グローヴァー、ビヨンセ・ノウルズ=カーター、ジェームズ・アール・ジョーンズ、ビリー・アイクナー、セス・ローゲン
1994年のアニメ版は、「アナと雪の女王」を抜いて、アニメ史上No.1の大ヒット作。
1997年には、ブロードウェイでミュージカルの舞台が幕を開け、大ヒットし、エンタメ史上最高の興収をあげている「ライオン・キング」。
今回は実写版という噂が流れて、一体どんな映画になるのか、動物をどうやって調教するのか?と思っていたら、なんと実写もアニメも超えた“超実写版”での登場と相成った。
“超実写”って何?って、すごい疑問。なんでも、バーチャルのスタジオを作り、VRのヘッドギアをつけてそこに入り、世界観を共有するだけでなく、その世界の中でロケハンをして、照明やカメラアングルを決め・・・と、最新鋭のバーチャル・リアリティ・ツールを駆使して生み出すという、すごく不思議な作り方なんだそう。
すべてCGなんだけど、誰もがアニメとは思わない、でも実写ではありえないような新しいビジュアルの世界が広がっていて、アーティスト、技術専門家、実写撮影のプロ、最先端アニメーターなど、それぞれの世界の一流のプロが集まって、チームを組んですごい仕事をやりました!って感じの新しい映像体験。
なんてったって監督があの「アイアンマン」シリーズや、2016年の「ジャングル・ブック」を撮ったジョン・ファブローなのだから、ある意味、納得。
アフリカのサバンナを舞台に、ライオンの王ムサファの息子として生まれたシンバが、王位を狙う叔父のスカーの陰謀で、ヌーの暴走に巻き込まれ、それを助けようとして父が命を落とした時、自分の責任だと思い込み、一人王国を去る。
過酷な旅で死にそうになった時、イボイノシシのプンヴァと、ミーアキャットのティモンに救われ、“ハクナ・マタタ”(嫌なことは忘れて、クヨクヨするな!)の生き方を教えられ・・・というおなじみのあのストーリー。
自然界の命は、大きな環でつながっている。その“サークル・オブ・ライフ”、つながりの中でそれぞれが果たすべき役割や生きる意味とは?と、考えさせられることも多いのだけれど、何てったって画と音楽が素晴らしいので、ただボーっと観ているだけでも、メチャ楽しい。
ティム・ライス作詞、エルトン・ジョン作曲の“愛を感じて”は第67回アカデミー賞歌曲賞、そして第52回ゴールデングローブ賞主題歌賞をW受賞した名曲だし、“サークル・オブ・ライフ”“ハクナ・マタタ”と3曲がアカデミー賞にノミネートされるという快挙を成し遂げたことからも、ミュージカルとしての質の高さも分かろうというもの。
字幕版なら、チャイルディッシュ・ガンビーノ名義で2019年のグラミー賞を総なめにしたドナルド・グローヴァーと、世界の歌姫ビヨンセのデュエットで“愛を感じて”が聴けるし、吹き替え版なら、シンバの賀来賢人、スカーの江口洋介、プンヴァの佐藤二朗、ティモンの漫才コンビ“ミキ”の亜生、ナラの門山葉子など、ハマリ役のキャスティングで楽しめる。
今までの「ライオン・キング」のファンにも、初めて観る人にも、ミュージカルファンの方にも、超実写版のこの映画、文句なく楽しめる仕上がりになっていますぞ!
★おたか★