おたかのシネマでトーク
今日は「真実」をご紹介しました。
監督 是枝裕和
出演 カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホーク、リュディヴィーヌ・サニエ
見よ!この貫禄!!
やっぱり、カトリーヌ・ドヌーブはすごい女優さんだと納得。
あの「シェルブールの雨傘」の輝くばかりのジュヌビエーブから、この「真実」のファビエンヌへ、いくつもの役を経て、いくつもの年を重ね(現在75歳!)、驚異の存在感をもって輝き続けている。
そのカトリーヌ・ドヌーブを主演に迎え、構想8年でこの映画を作り上げたのが、昨年「万引き家族」でカンヌ国際映画祭でパルムドール賞に輝いた是枝裕和監督。
8月28日には、第76回ベネチア国際映画祭でオープニング上映され、10月の第24回釜山国際映画祭では、ガラ・プレゼンテーション部門で上映され、是枝監督は“今年のアジア映画人賞”を受賞。
10月3日には、カトリーヌ・ドヌーブとその娘役を演じたジュリエット・ビノシュを迎えてのジャパンプレミアも行われ、11日からの開幕に華を添えた。
「真実」というタイトルで自伝本を出版することになった大女優のファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーブ)のパリの家に、アメリカから脚本家になった娘のリュミエール(ジュリエット・ビノシュ)が、TV俳優として売れ始めた夫ハンク(イーサン・ホーク)と7歳になる娘のシャルロット(クレモンティーヌ・グルニエ)を伴ってお祝いにやってくる。
事前に原稿を見せてもらえず、出版社から刷り上がって届いたばかりの本を読んだリュミエールはビックリ!「真実」というタイトルなのに、そこに綴られた思い出は、嘘ばっかり!
平然と“事実なんて退屈だわ”と言い放つ母に呆然とし、おまけにライバルで親友だったサラの名前が一度も登場しないことにも、不信感を抱くリュミエール。
長年にわたってファビエンヌの秘書を務めてきたリュック(アラン・リボル)のことにも全く触れられていないことで、“自分の人生が否定された”と嘆く彼は秘書を辞めると言い出し、リュミエールの父であるファビエンヌの元夫ピエール(ロジェ・ヴァン・オール)は、既に死んだことになっている。
出版を契機に、思い出をたどるうち、だんだん明らかになってくる母と娘の間に隠されていた愛憎渦巻く過去の母子関係や、周りの人々も巻き込んでの人間関係。
家族関係や人間関係を描くことに長けた是枝監督のお得意の分野ながら、フランスの大女優を中心とした人間関係というところで、言葉の壁があることは否めない。
ちょっとコメディタッチも加えながら、深刻で大変な家族問題も家族の間の距離感も、エスプリのきいた会話で綴られていくのだが、いかんせんフランス語と英語では、細かなニュアンスが伝わっているとは言い難い。
もう一度、宮本信子と宮崎あおいの吹き替え版を観るべきなのかな?
★おたか★
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