おたかのシネマでトーク
今日は「太陽がいっぱい」をご紹介しました。
監督 ルネ・クレマン
出演 アラン・ドロン、マリー・ラフォレ、モーリス・ロネ
お久しぶりの“オタシネクラシックス”。懐かしの映画を紹介するこのコーナーで今回取り上げたのは、11月2日に80歳で亡くなったマリー・ラフォレのデビュー作「太陽がいっぱい」。
そもそも彼女を最初に見出したのは、ルイ・マル監督だったらしい。ラジオのタレントコンテストで優勝した彼女を使って映画を撮ろうとしていたのが、諸般の事情で没になり、代わりにルネ・クレマン監督のこの「太陽がいっぱい」でのスクリーンデビューになったのだとか。
「お嬢さん、お手やわらかに!」などで人気上昇中のアラン・ドロン、「死刑台のエレベーター」でジャンヌ・モローの相手役を務めたモーリス・ロネというスター達を相手に、堂々のヒロインぶり。
スタッフも、監督が「禁じられた遊び」や「居酒屋」などのルネ・クレマン、原作は「見知らぬ乗客」などが映画化されているパトリシア・ハイスミス、そして「道」や「甘い生活」「山猫」「ゴッドファーザー」などのニーノ・ロータが音楽を担当と、まさに錚々たるメンバー。
アメリカからイタリアにやってきた大富豪の息子フィリップ(モーリス・ロネ)と、貧しく孤独な青年トム・リプリー(アラン・ドロン)。
ナポリに近い漁村に、婚約者マルジュ(マリー・ラフォレ)と暮らす愛の巣を持ち、近くのマリーナには彼女の名前を付けた豪華ヨット“マルジュ号”も係留されていて、フィリップは贅沢三昧。
正に絵にかいたような放蕩息子を心配して、フィリップの父親はトムに息子をアメリカに連れて帰ってくれたら、成功報酬として5000$出そうと持ちかける。
自由気ままに遊び歩き、マルジュに対してもやりたい放題。資産を持つ者と持たざる者とのあまりのギャップに、嫉妬や怒りを覚えつつ、それでも5000$の為に、まるで使いっ走りのような扱いを受けながらもフィリップから離れられないトム。
ある日、マルジュの機嫌を取るために、シチリア島のタオルミナまで、ヨットを出す三人。
ところが途中、諍いの挙句、大切な原稿を海に捨てられ怒ったマルジュが下船し、二人になったヨットで起こった、悲劇的な事件・・・。
そしてあのあまりにも有名なラストシーンまで、ニーノ・ロータの名曲に乗せて、アラン・ドロンの悪の魅力が花開く!
最初、フィリップの役をとオファーされたアラン・ドロンを見て、彼はトムの方が・・・と言ったのが、ルネ・クレマン夫人だったらしい。
そのヨミは大成功で、まさに彼の代表作と言ってもいい作品になったのだ。
ハンサムで、恋のうわさが絶えないアラン・ドロン。この頃、私生活で付き合っていたのが1959年に「恋ひとすじに」で共演したロミー・シュナイダー。
同棲し婚約していたのに、1963年には別れてしまうのだけれど、この映画のローマのシーンにチラッとカメオ出演しているので、探してみるのも一興かも?!
★おたか★
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