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  • 2019年12月11日(水) 13時30分 おたかのシネマDEトーク

    おたかのシネマでトーク『カツベン!』(2019.12.11 水)

    おたかのシネマでトーク

    今日は「カツベン!」をご紹介しました。

    監督 周防正行

    出演 成田凌、黒島結菜、永瀬正敏、高良健吾、音尾琢真、徳井優、田口浩正、正名僕蔵

     

    映画の歴史をひも解けば、1893年にエジソンが“キネトスコープ”という、穴を覗いて映像を見るという機械を発明し、それが1896年(明治29年)に神戸に上陸したことから、神戸が日本における映画発祥の町と言われるようになったわけで、その後1895年にフランスのリュミエール兄弟が“シネマトグラフ”を発明し、これは映像をスクリーンに投影してみんなで観ることができるという今の映画の形に近いもので、1897年(明治30年)に大阪の南地演舞場で、初興行が行われ人気を博し、以後各地に映画館が続々とオープンするに至ったらしい。

    ま、当時は無声映画の時代で、映画を観ることが目的ではなく、お気に入りの弁士を追っかけて、その語りを聞くのが、お目当てだったよう。
    最盛期には8000人の弁士がいて、スター弁士は総理大臣と同じぐらいの収入があったというから、いかに弁士が花形職業だったかが、分かろうというもの。

    そんな活動弁士=カツベンを主人公に、ドタバタあり、恋模様ありのとても楽しい映画を作ったのが、あの「Shall We ダンス?」や「それでもボクはやってない」などの周防正行監督。

    子供のころ、活動写真小屋に潜り込んで、無声映画を語る活動弁士に憧れていたのが、ひょんなことからニセ弁士として泥棒一味の片棒を担ぐことになった俊太郎(成田凌)。
    インチキに嫌気がさして一味から逃亡し、ある町の小さな映画館に下働きとして雇われる。
    館主(竹中直人)その妻(渡辺えり)が経営する“青木館”には、スター気取りのイケメン弁士茂木(高良健吾)、かつてのスター弁士で、今は酒に溺れて身を持ち崩している弁士山岡(永瀬正敏)など、クセの強い面々がいる。
    一方、対立するライバルの“タチバナ館”は、よからぬ面々も出入りし、社長(小日向文世)その娘(井上真央)が経営している。

    弁士の引き抜き合戦、ニセ弁士を追う熱血刑事(竹野内豊)、泥棒(音尾琢真)、小さいころから女優を夢み今は駆け出しの女優となった俊太郎の初恋相手の梅子(黒島結菜)らが入り乱れての、アクションあり、笑いあり、涙ありの、大騒ぎ。

    映画に出てくる無声映画は、阪東妻三郎主演、二川文太郎監督の「雄呂血」のみが実在のフィルムで、あとはすべて周防監督が撮ったもの。これが、見もの!
    奥様の草刈民代をはじめ、シャーロット・ケイト・フォックス、城田優、上白石萌音などがオーバーアクションで演じているのも楽しい。

    ちょっと前から“活弁ライブ”としてわれらが仲間の、弁士大森くみこ、ピアノ天宮遥のコンビで、OSシネマズ神戸ハーバーランドで行われているイベントも回を重ね注目されるようになり、今回この映画「カツベン!」のPRにも駆り出されるなど、スゴイ人気のお二人。

    来年118日(土)13:00~の上映は、この映画の中にも出てきた「雄呂血」なんだそう。
    阪妻の初期の代表作で、ラスト20分以上に及ぶ剣戟シーンは、日本に“剣戟ブーム”を起こした記念碑的作品。
    これをどう語り、どう見せてくれるのか・・・、是非皆様、お出かけください!

    ★おたか★