おたかのシネマでトーク
今日は「スキャンダル」をご紹介しました。
監督 ジェイ・ローチ
出演 シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビー
これは、ほぼ実話。
2016年、全米ニュース放送局で視聴率No1を誇るFOXニュース。
その局から一方的にクビを言い渡されたベテランキャスターのグレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)は
CEOであり、TV業界の帝王でもあるロジャー・エイルズ(ジョン・リスゴー)を、セクハラで訴えた。
その後ロジャーがCEOを辞任し、グレッチェンもFOXニュースと和解し、この件に関しては口を閉ざすという契約にサインし、一説では2000万ドル(20億円以上)の和解金を受け取ったらしい。
そして、2017年5月18日、ロジャーが77歳で急死し、このセクハラ騒動は突然幕を閉じた。
ところがこのままこの事件を葬ってしまってはいけないと、脚本家のチャールズ・ランドルフがリサーチして脚本を書き、シャリーズ・セロンの元へ届けたところから、この映画のプロジェクトが動き出した。
ランドルフはリーマンショックの裏側を描いた「マネー・ショート 華麗なる大逆転」でアカデミー賞や英国アカデミー賞に輝いた、元哲学の教授だったという社会派の脚本家。
この事件が起こった頃、そしてこのプロジェクトが始まった頃ですら、まだ#ME TOO運動や、ハーヴェイ・ワインスタイン事件などは起きていなかった時期。
絶大な権力を誇るメディア王に対して、反旗を翻すことがどんなに大変なことなのかは、容易に推察できる。
案の定、グレッチェンが性的関係を強要され、断ったことで解雇されたとロジャーをセクハラで告訴した時、“私も実は・・・”と、彼女に続く女性が現れると思っていた期待は見事に裏切られ、誰もグレッチェンに続こうとはしなかったのだ。
一方、今やFOXニュースのトップに君臨するキャスターのメーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)も、かつてロジャーの計らいで地位を得た過去があり、現在は共和党の大統領候補の討論会の司会を務め、候補者の一人トランプ氏の女性蔑視発言を追及し、人気を得ていたが、彼の執拗なツィッターでの攻撃は日を追って激しくなり、トランプ支持の拡大と共にメーガンへの抗議メールが殺到し、命の危険を感じた彼女がロジャーに守ってほしいと訴えても、その対立こそが視聴率を伸ばすと、取り合わない。
その頃、次のスターキャスターを夢見るケイラ・ポスピシル(マーゴット・ロビー)は、ロジャーに呼ばれ、スカートを上げて足を見せるように言われたり、忠誠心を示す方法を考えろと言われたり、正にセクハラの渦中にあった。
実は、このケイラだけは架空の人物で、FOXニュースに勤める2人の人物を合わせて作られたキャラクターだそうだが、メーガンとグレッチェンという実在の超有名人に、本当によく似ている顔に作り上げたのが、一昨年ゲイリー・オールドマンをウィンストン・チャーチルに仕立て上げ、見事アカデミー賞に輝いた辻一弘。
19年3月に米国市民権を取得してカズ・ヒロになり、2度目のアカデミー、メイク・ヘアースタイリング賞に輝いている。
勇気をもって立ち上がった女性の苦境。
女性同士が力を合わせないように、お互いを戦わせて孤立化させ、権利の乱用を続けていった男性権力者。
セクハラ、パワハラ、を訴える波は、やがて大きなうねりとなり、ロジャーは最終的に20人以上の女性から告訴された。
ただ、FOXニュースは今も視聴率トップを走り、トランプ大統領を支援している。
プロデューサーでもあるシャーリーズ・セロンの言うように、これは、“この女性たちをヒーローにする映画ではなく、ただ真実を伝えたかった。あとは観客の貴方がた次第”と、どう観るかをゆだねられた映画なのである。
さて、貴方はどう観る???
★おたか★
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