*おたかのシネマでトーク
今日は「 一度も撃ってません 」をご紹介しました。
監督:阪本順治
キャスト:石橋蓮司
大楠道代
岸部一徳
桃井かおり
佐藤浩市
他
石橋蓮司の18年ぶり、2度目の主演作。
売れない小説家、74歳の市川進(石橋蓮司)には、もう一つ伝説のヒットマンという顔がある・・・という噂は、本当か?
殺人の状況が事細かに描かれた市川のハードボイルド小説。長年編集者として付き合っている定年間近の児玉(佐藤浩市)は、何とか出版できないかと考えるが、その後任の若い編集者五木(寛一郎)は、古い!と言い放つ。
トレンチコートにブラックハット、煙草をくゆらす市川のいで立ちは、正に一昔前の伝説のヒットマンそのもの。
彼の周りの人々も、どこか昭和の匂いが色濃く、胡散臭い。
訳アリの元ヤメ検の石田(岸部一徳)、元ミュージカル女優玉淀ひかる(桃井かおり)、秘密の多い夫のことを少し探り始めた市川の妻の弥生(大楠道代)。
他に柄本明、柄本佑、豊川悦司、江口洋介、妻夫木聡、井上真央、原田真由、前田亜季、濱田マリ、新崎人生・・・、本当に多士済々、世代を超えた個性豊かなすごい面々が集まった出演者たち。
スタッフ側は、監督を務めたのが、赤井英和主演の「どついたるねん」で監督デビューし、藤山直美主演の「顔」それに「亡国のイージス」「闇の子供たち」「北のカナリアたち」「半世界」など話題作の多い阪本順治。脚本にはあの「探偵物語」「すかんぴんウォーク」「凶気の桜」などの丸山昇一。
二人のコンビ作品としては、「傷だらけの天使」「カメレオン」「行きずりの街」があり、これが4作目。
息の合った監督・脚本コンビの世界を、一癖も二癖もある俳優陣が演じればこうなる・・・という見本のような楽しい映画。
ゆる~く、けれどある種のこだわりを持って、遊び心いっぱいにかっこつけて描く、永遠の青春映画。
かつて、原田芳雄の家に集まってワイワイ騒いでいたメンバーが、そのまま集まって作ることになったというこの映画、そういえば2011年に他界してしまった原田芳雄の遺作となったのは、阪本監督の「大鹿村騒動記」だったし、そんないろいろな人のつながりや縁のようなものも感じられる懐かしさあふれるこの映画、そこそこの年代の人にとっては、ノスタルジーを感じるシーンも多いのだけど、若い人たちが観たら、どうなんだろう?
古っ!の一言で片づけてほしくは、ないな~!
★おたか★
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