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  • 2020年7月8日(水) 16時56分 おたかのシネマDEトーク

    7月8日*おたかのシネマでトーク「カセットテープ・ダイアリーズ」

    *おたかのシネマでトーク

    今日は「 カセットテープ・ダイアリーズ 」をご紹介しました。

    監督:グリンダ・チャーダ

    キャスト:ヴィヴェイク・カルラ
         ヘイリー・アトウェル
         ロブ・ブライドン
         クルヴィンダー・ジル
         他

    2019年のサンダンス映画祭でプレミア上映され、観客と評論家から大絶賛された青春音楽映画。

    舞台は1987年の英国。
    小さな田舎町ルートンのベリーパーク地区に暮らすパキスタン系の移民の少年ジャベド(ヴィヴェイク・カルラ)は16歳。
    ガールフレンドも居ないし、孤独。保守的な町の一部の人からは人種差別を受け、家庭内では大きな期待を寄せられ、パキスタンの家庭特有の絶大な権力を持つ昔人間の父親マリク(クルヴィンダー・ギール)に管理され、伝統やルールに縛られることに反発したいのに出来ないと悶々とした青春を送っていた。

    ウォークマンで流行りのペット・ショップ・ボーイズを聴き、詩も書きためていて、幼馴染の友人のマット(ディーン=チャールズ・チャップマン)のバンドに歌ってもらおうと、作詩して手渡したりもしている。
    自分の気持ちを長年、日記に綴っていたり、書くことの好きなジャベドは将来それで身を立てたいと思っていたが、なかなか自分の言葉を見つけられずに悩んでもいた。

    そんなある日、入学したハイスクールで、仲良くなったムスリム系のクラスメイト、ループス(アーロン・ファグラ)が2本のカセットテープを貸してくれた。
    ブルース・スプリングスティーンの“ボーン・イン・ザ・USA”と“闇に吠える街“だった。
    それは衝撃の出会いだった。今まで感じてきた自分の気持ちを正に代弁してくれているかのような歌詞。
    ジャベドは夢中になった。
    周りのみんなは古い!というけど、彼にとってB・スプリングスティーンは彼の人生そのものを歌ってくれているヒーローなのだ。そして、自分の言葉を見つけることが出来た彼の文章は、学校のクレイ先生(ヘイリー・アトウェル)にも認められ、やがて新聞に取り上げられるまでになってゆく。
    政治活動に熱心なガールフレンド、イライザ(ネル・ウィリアムズ)ともいい感じになり、憧れのB・スプリングスティーンの故郷の近くの大学のセミナーに参加するチャンスも得て、正に青春が花開いていくが・・・。

    監督は「ベッカムに恋して」などの、ロンドン育ちのインド系英国人のグリンダ・チャーダ。
    この映画の原題は「BLINDED BY THE LIGHT」(光で目もくらみ)で、これはブルース・スプリングスティーンの73年のデビューアルバム“アズベリーパークからの挨拶“に収められている曲名。
    原作は、パキスタンに生まれ現在は英国ガーディアン紙などのジャーナリストとして活躍中のサルフラズ・マンズールの2008年の回顧録“ベリーパークからの挨拶“。この書名は、アルバムタイトルへのオマージュになっていて、B・スプリングスティーンへの愛の深さが分かろうというもの。
    17曲もの作品の使用を許可し、未発表バージョンに新曲まで加えた12曲が収められているサントラ盤、B・スプリングスティーンのファンにとっては必聴もの!

    ★おたか★