CRKラジオ関西

  • radiko.jp いますぐラジオ関西を聴く

ばんばひろふみ!ラジオ・DE・しょー!

  • 2020年9月30日(水) 19時10分 おたかのシネマDEトーク

    9月30日*おたかのシネマでトーク「ライフ・イズ・カラフル! 未来をデザインする男」

    *おたかのシネマでトーク

    今日は「 ライフ・イズ・カラフル! 未来をデザインする男 」をご紹介しました。

    監督: P・デビッド・エバーソール/トッド・ヒューズ

    キャスト:ピエール・カルダン
         ジャン=ポール・ゴルチェ
         フィリップ・スターク
         ナオミ・キャンベル
         シャロン・ストーン
         ジャン=ミシェル・ジャール
         他

    私にとって、今までで一番身近なブランドと言えば“ピエール・カルダン”ではないだろうか?
    それこそトイレのタオル、バスマットからちょっとおしゃれなワンピースまで、結構身近にそのブランドはあった。
    それもその筈、なんと飛行機からタオルに至るまで、世界110か国で800点に及ぶライセンスビジネスをしているというから、身近に感じるのも当たり前かも。
    今や巨大なコングロマリットに呑みこまれてしまったブランドが多い中で、独自のやり方で創立者のカルダンがすべてをコントロールし、今年70周年を迎える伝説のファッションブランド。
    そのカルダンの人生を映像といろんな人々のインタビューも交えて綴るドキュメンタリー。

    1922年生まれというから御年98歳、未だお元気でご活躍中というのが、スゴイ!
    フランス人と思っている人が多いが、イタリアのヴェニス近郊の生まれ。ムッソリーニが現れ、ファシズムが台頭してきたので、一家でフランスへ。カルダンが2歳の時だった。
    子供のころから人形で遊ぶのが大好きだった彼はやがてパリのオートクチュールの世界に足を踏み入れ、ジャン・コクトーの映画「美女と野獣」の衣装や仮面の制作を担当。のちにバレエ、演劇、映画のコスチュームを多く手掛けるようになったのも、彼自身が舞台俳優を目指していたことも関係しているのかも。ハンサムでエレガントな彼の周りには同性愛のアーティスト達が集まり、それになんとあの「死刑台のエレベーター」で注目された女優ジャンヌ・モローとも、映画の衣装を担当したことがきっかけで公私にわたるパートナーだった時期もあり、男女を問わず華やかな関係が人生を彩った。

    初めてオートクチュールのコレクションを発表したのが1953年。1958年には紳士ブティックを開き、男性モード界にも進出。59年には女性のプレタポルテコレクションを発表。
    セレブだけでなく、誰もがデパートででも買える既製服プレタポルテを発売して、ファッションの民主化を図ったこと、
    メンズコレクションに進出したのは彼が初めてで、ビートルズも襟なしジャケットを着たこと、ショーには人種や肌の色をこえてモデルを起用し、日本人の松本弘子も活躍したこと、数多くのライセンス契約を導入したこと、1979年には社会主義国の中国で、1991年にはモスクワ“赤の広場”でファッションショーを開催したことなど、数々の偉業を成し遂げている。

    1970年には劇場を買収して、新人にデビューの場を提供したり、各国の伝統芸術を紹介して国際文化交流に貢献し、ジェラール・ドパルデューを見出したことでも有名。
    あのパリのレストランの老舗、マキシム・ド・パリに、ドレスコードで入店を断られたことから、1981年に店を丸ごと買収するなど、逸話には事欠かない。

    1958年初来日し、1か月にわたり東京で開いた立体裁断講座は、桂由美、森英恵、高田賢三らも受講するなど評判となり、以後何十回も来日している親日家。
    ナオミ・キャンベルやアリス・クーパーやシャロン・ストーンらのインタビューを挟み、数々の映像で綴るカルダンの生きざま。
    監督は、ゲイのカップル、P.デビッド・エバーソール&トッド・ヒューズ。映画を観たカルダンにすべて真実だとお墨付きをもらったのが、アカデミー賞を貰うより嬉しかったんだとか。

    若さの秘訣は仕事、働くこと、というピエール・カルダンのチャーミングでカラフルな人生ストーリー。
    人生を楽しく生きるヒントもいっぱいです!!

    ★おたか★