*おたかのシネマでトーク
今日は「 ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった 」をご紹介しました。
監督:ダニエル・ロアー
キャスト:ロビー・ロバートソン
リック・ダンコ
レボン・ヘルム
ガース・ハドソン
最近、ミュージシャン関連の映画が多いように思う。勿論、昔から音楽家の伝記ものというのは人気があったのだけど、2018年クィーンを描いた「ボヘミアン・ラプソディ」が大ヒットして以来、よりそんな傾向が強くなってきたようで、翌年にはエルトン・ジョンの「ロケットマン」も話題になった。
ラミ・マレックがフレディ・マーキュリーを演じ、タロン・エガートンがエルトン・ジョンを演じ、それぞれに素晴らしい演技を見せている。そう言えば「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」で、ジョニー・キャッシュを演じたホアキン・フェニックスもよかった。後に「ジョーカー」で、アカデミー賞主演男優賞に輝いた彼、全曲彼自身が歌っていて、元々歌手でもあるわけなので当たり前と言えば当たり前なんだけど、歌も演技もいい!
今年の音楽モノの中で、この「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」は、ザ・バンドのロビー・ロバートソンが2016年に出版した「ロビー・ロバートソン自伝 ザ・バンドの青春」をベースに自分で語るドキュメンタリー。
この自伝、ゴーストライターは使わず全部自分で書いたので5年もかかったらしいが、彼の側から見た“ザ・バンド”の姿が生き生きと浮かび上がってくる。あくまで、彼の側から見たというところだが・・・。
現在5人のメンバーのうち3人が亡くなり、ガース・ハドソンは生きていてこの映画の為にインタビューも撮影されたらしいが、何故かそのシーンは使われていない。
メンバー間でイザコザがあり、特にドラムスのリヴォン・ヘルムとの確執はいろいろあったようで、1982年には、R・ロバートソン以外の4人で新生“ザ・バンド”を結成し、99年のリック・ダンコの死まで活動していたのは、ご存知の通り。
ロカビリーシンガー、ロニー・ホーキンスのバックバンドとしてキャリアをスタート。
ニューヨークでボブ・ディランと出会い、1965年と66年のツアーに同行。例のアコースティックからエレキに変わる過渡期のツアーで、大ブーイングを受けたというあの伝説のツアー。
その後、ディランやマネージャーの誘いでニューヨーク郊外のウッドストックにピンク色の家を見つけ、5人で共同生活をしながら創作に励み、68年「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」でアルバムデビュー、この中の“ザ・ウエイト”が69年の映画「イージー・ライダー」に使われて大きな反響を呼び、70年にはアメリカの“TIME”誌の表紙を飾った。
そして、1976年11月25日、サンフランシスコのウィンターランドで開かれた解散コンサートの模様は「ラスト・ワルツ」としてレコード3枚組で発売され、1978年、マーティン・スコセッシ監督により、映画になった。
この縁で、スコセッシ監督と懇意になったR・ロバートソンはその後80年「レイジング・ブル」の音楽監督を務め、以後度々、スコセッシ監督の作品に音楽監督で加わっている。
この映画、監督をしたのが当時24歳だったカナダ人のドキュメンタリーを作り続けているダニエル・ロアー。勿論リアルタイムでこのバンドを知っていたわけではなく、父母がきいていたので知っていたという彼が撮った映像が、ロン・ハワードやマーティン・スコセッシの認めるところとなり、プロデューサーとして関わってくれたことでよりメジャーな作品になった。
ボブ・ディラン、ブルース・スプリングスティーン、ジョージ・ハリスン、タジ・マハール、エリック・クラプトン、ヴァン・モリソン、ピーターガブリエル、ロニー・ホーキンス・・・、キラ星のごときアーティストの生の声が聴けるのも、音楽ファンにとっては、たまらないだろうな・・・!
★おたか★
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