*おたかのシネマDEトーク
今日は「 おとなの事情 スマホをのぞいたら 」をご紹介しました。
監督:光野道夫
キャスト:東山紀之
常盤貴子
益岡徹
田口浩正
木南晴夏
他
スマホは便利。一度手にしたらいつも身近に無いと心配で、家に忘れてきたりすると取りに帰ろうと思うぐらい依存してしまっている人も多いのでは?
遅ればせながら、そんなスマホの世界にやっと一歩を踏み出したわれらが吉次師匠。ようこそスマホの世界へ~!
という訳で、今回はそのスマホにまつわるお話。
元々オリジナルはイタリアの2016年製作のパオロ・ジェノヴェッゼ監督の「大人の事情」という映画で、イタリアのアカデミー賞にあたる第60回ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で、作品賞と脚本賞をW受賞し、日本でも2017年に公開されてちょっと話題になった映画。
そしてこれが、なんと世界で最もリメイクされた映画としてギネスにも認定されていて、日本版は19作目。
各国のリメイク版は“集まった7人の男女がスマホを見せあって、秘密をさらし合う”というオリジナルの設定は守りつつ、あとの展開や結末は自由に・・・ということで、オリジナルのイタリア版は、かなりセクシーでブラックなどぎつい部分もあるのだが、日本版では岡田惠和の脚本が良くできていて、本当に楽しめる。
ある月食の夜、毎年この日に集まっている3組の夫婦と一人の独身男が、一軒家のカフェレストランに集う。
そこの雇われ店長をしている淵上泰史(向井幸治)と獣医師をしている妻の杏(木南晴夏)、セレブの美容外科医の六甲隆(増岡徹)と妻のマスコミでも売れっ子の精神科医の絵里(鈴木保奈美)、法律事務所のパラリーガル園山零士(田口浩正)とパートをしている妻の薫(常盤貴子)。そして今日は初めてパートナーを連れてくるというので、皆が楽しみに待っている中、少し遅れて一人でやって来たのが元教員の塾講師小山三平(東山紀之)。
そもそも、一見、何の繋がりもなさそうなこの7人が、何故毎年集まっているのか?
しかも、美味しそうなお料理とは別に、コンビーフの缶詰がテーブルに山積みになっているのはなぜ?
宴たけなわになった時、夫の浮気を疑っている杏が、夫婦で隠し事がないなら、それぞれのスマホをテーブルに出してプライバシーをオープンにしましょうと言ったことから始まる地獄のゲーム。
全ての個人情報が入っているスマホ。他人に聞かれてはまずい会話、他人に見られてはいけないメール・・・。
着信音が鳴るたびに、戦々恐々の面々。すべての人が隠し持っている秘密。
大笑いしながら、又、身につまされながら、いろんな家庭内あるあるを観ているうちに、やがて明らかになってくる彼らが年に一度、必ず集う理由。
岡田惠和が、一幕ものの舞台の感じで書いたという脚本がいい上に、演じるキャストがこれまた、いい。
監督は光野道夫。岡田も光野もTVドラマの世界で成功しているが、映画でタッグを組むのはこれが初めてだとか。
会話の積み重ね、一瞬の表情、流れるような長回しのカメラワークで捉えられる場の雰囲気は、まるで観客の我々がそこに一緒にいて、今にも自分のスマホが鳴り出すようで、ドキドキ!
今や、我々の生活になくてはならないスマホ。
でもこの映画で思い知りました。怖いのはスマホをなくした時だけではないのだということを・・・!
★おたか★
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