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ばんばひろふみ!ラジオ・DE・しょー!

  • 2021年2月19日(金) 21時48分 おたかのシネマDEトーク

    2月17日*おたかのシネマでトーク「すばらしき世界」

    *おたかのシネマDEトーク

    今日は「 すばらしき世界 」をご紹介しました。

    監督:西川美和
    キャスト:役所広司
         仲野太賀
         六角精児
         北村有起哉
         白竜
         他

    今まで「ゆれる」や「ディア・ドクター」などで多くの映画賞に輝き、一貫して自身の原案、オリジナル脚本にこだわってきた西川美和監督にとっては、初めての原作もの。
    直木賞作家の佐木隆三のノンフィクション小説「身分帳」をもとに、3年の年月をかけてリサーチを重ね、時代を現代に置き換えて描いたもの。
    56回シカゴ国際映画祭で観客賞と役所広司が最優秀演技賞を受賞し、第45回のトロント国際映画祭への正式出品もされ、西川監督にとっては「夢売るふたり」「永い言い訳」に続く3作目の出品になる。

    人生の大半を刑務所で過ごしてきた主人公の三上正夫(役所広司)は旭川刑務所を出所、身元引受人になってくれた弁護士庄司勉(橋爪功)敦子(梶芽衣子)夫婦のサポートを受け、高血圧で体調が芳しくないとのことからケースワーカーの井口(北村有起哉)に頼み込んで生活保護も受けられるようになり、万引きの疑いをかけられたことがきっかけで逆に親しくなったスーパーの店長松本(六角精児)らとの付き合いの中で、なんとか社会のルールを守り暮していこうとするが、もともと短気だが実直で、困った人を見過ごせない性格から、トラブルを起こしそうになったり・・・。

    殺人の前科を持つ彼が心を入れ替え、壁にぶつかりながらも更生し、生き別れになった母親と涙の再会をするという姿をドキュメンタリー番組にしたら、視聴率がとれるはずだとテレビプロデューサーの吉澤遥(長澤まさみ)が目を付け、TV制作会社を退職し小説家としてデビューしようとしている津乃田龍太郎(仲野太賀)の元へ表紙に“身分帳”と書かれた大量のノートを送り付けてきた。身分帳とは、刑務所に保管されている、生い立ちや犯罪歴や服役中の態度などを記した個人台帳で、それを三上が几帳面な字で写しとったものだった。
    どんな生まれで、どうして殺人を犯し刑務所でどう過ごしてきたのか三上の今までの人生に興味を持った津乃田はカメラを持って追うことにする。

    ある時は、心が折れそうになり、九州の昔の兄弟分の暴力団組長の下稲葉明雅(白竜)と妻のマス子(キムラ緑子)を訪ね大歓迎を受けるも、暴力団として生きていくことの大変さを知ることとなったり、かつて殺人事件を起こした時、裁判でかばってくれた妻の久美子(安田成美)は再婚していて、そっと住んでいる家の様子を見に行って、子供がいることを知ったり・・・。

    その後、過去を知った上で雇い入れてくれるケアホームにパートで勤めることができたり、暖かく接してくれる周りに恵まれながらも、一度道を踏み外したり、社会から排除されてしまったら、世間の不寛容の中で、その後を生き続けていくことの大変さは、計り知れない。
    我々の暮す社会は“すばらしき世界”なのか?本当にすばらしいのか??
    三上の実直で、嘘がつけない不器用な生き方が切なくて、哀しい。

    監督の西川美和は、小説やエッセイも多数執筆していて、直木賞候補にもなるなど、高い評価を受けている。
    この映画の制作過程を綴ったエッセイ集「スクリーンが待っている」も出版されているので、是非読んでみたい!

    ★おたか★