今日紹介した 映画 は…
空海 KUーKAI 美しき王妃の謎 でした!
監督
チェン・カイコー
出演
染谷将太
ホアン・シュアン
阿部寛
チャン・ロンロン
松坂慶子
2004年に出版された夢枕獏の「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」の中国語訳を読んだチェン・カイコーはこの物語の中の楊貴妃の死に関する新たな視点に惹かれて、映画化を熱望するようになったとか。
同じ頃、KADOKAWAの取締役会長の角川歴彦もこの小説の映画化に興味を持って動こうとしていた。
そして生まれた日中共同製作のビッグプロジェクト。
舞台となっているのは、唐の時代の首都長安。
日本や韓国、中央アジアから、沢山の優秀な人材が集まる国際都市で、人口200万人に対し、1万人以上の詩人がいたという、自由な空気の漂うアジアの中心都市。
その長安の都を、2年かけてデザインし、4年かけて東京ドーム8個分の広さのセットを組み、そこで5か月に亘って撮影された超大作アドベンチャーファンタジーが、このチェン・カイコー監督の作品。
原作では空海と橘逸勢がコンビで活躍するが、映画では詩人の白楽天(ホアン・シュアン)とコンビを組み、一緒に謎解きをするというバディムービーとしての友情物語も楽しめる。
密教の教えを求め、遣唐使として唐に渡った若き修行僧空海(染谷将太)を、スーパーマンとして描くのではなく、等身大の、悩んだり迷ったりもする若者として描いているのも魅力の一つ。
1200年以上も前、長安の都では、権力者が次々と奇妙な死を遂げるという、怪事件が起こっていた。
黒猫の呪いと恐れられた騒動、空海は白楽天(後の白居易)と共に、一連の事件を探るうち、およそ50年以上も前、同じく唐に渡って来た、怪事件の鍵を握るもう一人の日本人、阿倍仲麻呂(阿部寛)がいたことを知る。
仲麻呂が仕えた、時の皇帝玄宗(チャン・ルーイー)、その妃、楊貴妃(チャン・ロンロン)は絶世の美女。
国中を狂わせ、まさに傾国の美女といわれた彼女に玄宗皇帝がメロメロになり、安史の乱をきっかけに悲劇の死を遂げたと言われる彼女の死の真相とは?
阿倍仲麻呂は、何を知っていたのか?
日中共同製作ということで、日本からは染谷将太、阿部寛のほか、阿倍仲麻呂の側室白玲役の松坂慶子、空海の日本での師匠役の日野正平らの出演者に加え、日本語の吹き替えに高橋一生(白楽天)吉田羊(楊貴妃)イッセー尾形(玄宗皇帝)東出昌大(白龍)など、そうそうたるメンバーが参加している。
主題歌“Mountain Top”を、2016年の大ヒットアニメ「君の名は。」で大ブレークしたRADWIMPSが担当しているのも、話題のひとつ。
楊貴妃役のチャン・ロンロンは本当に美しいし、長安の街の風景も美しい。
「さらば、わが愛/覇王別姫」や「始皇帝暗殺」などの妥協を許さない、こだわりの演出で有名なチェン・カイコー監督が描く、アドベンチャー+ファンタジー+愛の物語・・・、壮大なスケール、ほんとにスゴイです!
おたか