おたかのシネマでトーク
今日は「運び屋」をご紹介しました。
監督 クリント・イーストウッド
出演 クリント・イーストウッド、ブラッドリー・クーパー、ローレンス・フィッシュバーン、マイケル・ペーニャ、ダイアン・ウィースト、アンディ・ガルシア
3月8日から17日まで、大阪で開かれている”大阪アジアン映画祭”
アジアの活きのいい映画のオンパレードにワクワクしながら3本続けて観たら、なんと腰が・・・という情けないことになってしまったのですが、特に、女性の監督やプロデユーサーが大活躍している現状に、日本の映画界を振り返って、ちょっと寂しい思いも感じた映画祭。
連日、2本3本と続けて楽しめるのが映画祭の醍醐味ですが、そう言えば、昔は
特集上映とかで、4~5本観ても全然OK、最高の映画三昧だったなと思い出す何人かのうちの一人が、この人!
クリント・イーストウッドが、俳優として出演するのは2012年の「人生の特等席」以来で、自身の監督作に出演するのは2008年の「グラン・トリノ」以来、これは米寿を迎えた彼の、ノンクレジットの「タイトロープ」を含むと、40本目の監督作。
彼が演じるアール・ストーンは、2011年、87歳で逮捕された実在のコカインの運び屋レオ・シャープがモデル。
2014年、ニューヨークタイムズの日曜版に載った「シナロア・カルテルが雇った90歳の麻薬運び屋」という仰天の記事を元に、あの「グラン・トリノ」の原案・脚本のニック・シェンクが脚本を書いた。
デイリリーというまさに1日しか花開かない百合の品種改良のオーソリティで、全米のコンテストを渡り歩き沢山のトロフィーをゲットしてきたアール(クリント・イーストウッド)は仕事には熱心だけど、家庭を顧みないダメ夫で、娘の結婚式さえすっぽかすというダメパパ。
なのに、あっちの方は全然ダメじゃなく、きれいなお姉さん2人とベッドインしちゃう程の、バリバリ現役。
このあたり、恋多き男で、66歳の時に娘が誕生し、合計8人の子持ちというイーストウッド本人の実生活と、ちょっとかぶるところも・・・?!
仕事のやり方も、インターネットの普及で様変わりし、売り上げが落ち込み自宅も農園も差し押さえられ、収入もなく家族との交流もない、孤独な90歳近いアールに、ある日、車の運転だけすれば大金が入るという、うまい話が転がり込む。
街のガレージで受け取った荷物を、指定された場所に届けるというだけの簡単な仕事で、信じられないほどの報酬が得られる。そのうち、その荷物がやばいもので、マフィアの麻薬ビジネスに加担していることに気づくアール。けれど、パトカーに止められても、まさかそんな老人が怪しいものを運んでいるとは誰も思わないから、何度も難を逃れ、マフィア側はそんな彼の働きに目をつけ重宝し、やがて、マフィアのボス(アンディ・ガルシア)に招待を受けるほど確固たる地位を築いていく。一方、麻薬取締局の熱血捜査官ベイツ(ブラッドリー・クーパー)は、伝説の運び屋の噂をきき、徐々にその捜査の手を伸ばしてきていた・・・。
自分の為には、新車を買い自宅を取り戻すぐらいで、あとはちょっと、ロビン・フッド的な生き方、資金難から閉鎖になりそうな退役軍人の為のクラブに寄付したり、若者たちには真っ当な生き方を説いたりもするアール。
かつて、仕事を口実にないがしろにしてきた妻メアリー(ダイアン・ウィースト)や娘のアイリス(クリント・イーストウッドの実の娘、アリソン・イーストウッド!)そして孫娘のジニー(タイッサ・ファーミガ)への贖罪なのか、償いをしたい気持ちを、やっと行動で示せるようになった時、別れの時は近づいてきていた・・・。
家族とは? 許すこととは ?!
実際の旅と共に、アール・ストーンの人生を旅する、壮大なロード・ムービー。
映画界のレジェンドは、益々お盛ん! 嬉しい限りです!!
★おたか★
過去ログ…3月6日 放送 おたかのシネマでトーク「グリーンブック」
2月20日 放送 おたかのシネマでトーク「サムライマラソン」