おたかのシネマでトーク
今日は「ピアニストを撃て」をご紹介しました。
監督 フランソワ・トリュフォー
出演 シャルル・アズナヴール、マリー・デュボワ、ニコル・ベルジェ
今月のオタシネクラシックは、日本とは縁の深いシャンソン歌手、シャルル・アズナブールの映画の代表作「ピアニストを撃て」。
今年の9月の来日公演、17日の東京NHKホール、19日の大阪NHKホールでのコンサートが生涯最後のコンサートとなってしまい、10月1日に南フランスの自宅で94歳の生涯を閉じたシャルル・アズナブール。
沢山のヒット曲と共に、多くの日本のファンにも愛され、今年の春の叙勲では旭日小綬章を受章したばかりだった。
アルメニア出身で、パリで小さい頃から芸能活動を始め、やがてエディット・ピアフに認められ、ツアーにも同行して頭角を現し、フランス語だけでなく、英語などにも堪能で、最も世界に知られるシャンソン歌手となった。
映画にも60本以上出演していたらしいが、代表作といえば1960年のフランソワ・トリュフォー監督のこの「ピアニストを撃て」だろう。
アメリカのデビッド・グーディスの原作を1956年に出版されてすぐに読み、当時「勝手にしやがれ」の脚本を書きあげたばかりのトリュフォーは、それをゴダールに譲ってこの映画を手がけた。
オリジナルでは考えられないようなドラマチックなことを期待して原作を探していたトリュフォーの目に留まったこの作品だけど、元々ギャングが嫌いだそうで、2度と撮りたくないと思ったそうで、この作品の評価も賛否両論。
身持ちの悪い弟たちの起こした事件に巻き込まれ、ギャングに追われる羽目になった、場末のバーのピアノ弾きシャルリ(シャルル・アズナブール)。
かつては有名なコンサートピアニストだったけど、彼の出世のために興行主に体を許したという妻テレザ(ニコル・ベルジェ)の告白をすぐには受け入れられず、目前で飛び降り自殺をされてしまったトラウマを抱え、職場のレナ(マリー・デュボア)が思いを寄せてくれていても、一歩踏み出せない。
ところが、ふとしたはずみで、レナに横恋慕しているバーのオーナーを刺殺してしまい、逃げて雪山にある実家に戻ったところに、弟を追うギャングもやって来て銃撃戦になり、レナが犠牲に・・・。
なんとも、やりきれない幕切れ。
過去と現在がモノローグで交錯するストーリー展開、モノクロの84分。
トリュフォー監督好きにも、評価の別れる作品かな?
★おたか★
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