ーーーおたかのシネマでトーク
今日は「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス」をご紹介しました。
監督 ルーシー・ウォーカー
出演 オマーラ・ポルトゥオンド、バルバリート・トーレス、イブライム・フェレール、エリアデス・オチョア、マヌエル“エル・グアヒーロ”ミラバール
1997年1枚のアルバムが大きな話題となった。
USロック界のギタリスト、ライ・クーダーがプロデュースし、キューバの92歳のギタリストを筆頭に、超ベテラン音楽家たちを集めて作られ、グラミー賞を受賞し、ワールドミュージックのジャンルで400万枚という驚異的な売り上げを記録した“ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ”。
そして、その過程を収めたドキュメンタリーを撮ったのが、ドイツの映画監督のヴィム・ベンダース。
ロードムービーの名手で「都会のアリス」をはじめとした3部作も有名で、1984年の「パリ・テキサス」では、カンヌ国際映画祭でパルムドール賞を受賞し、87年「ベルリン天使の詩」でも、監督賞に輝いています。
あれから18年。一躍脚光を浴び、ワールドツアーなどの活動を続けてきたバンドのメンバーももっと高齢化し、亡くなったメンバーもいて、そろそろツアーに終止符を打つということで、最後の“アディオス(さよなら)ツアー”を決行した彼らに寄り添ったドキュメンタリーがこのヴィム・ベンダースが製作総指揮、ルーシー・ウォーカーが監督を務めた「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ・アディオス」。
カリブ海に浮かぶ島。1492年にコロンブスに発見され、スペインに支配され、1868年からの独立戦争、1959年からのキューバ革命を経て現在の国の形になったキューバ。
砂糖、葉巻、サルサ、フィデル・カストロにチェ・ゲバラ・・・。それまで、私たちがキューバについて知っていたことはあまり多くなかったけれど、2000年に公開された1作目の大ヒットで、キューバレストランが沢山出来、サルサダンスのレッスンも大賑わい、キューバへの直行便の就航が始まるなど、大ブームが起こったのです。
今回、そんな前作の未公開映像も加え、さらにキューバの歴史や文化、それにメンバーの生い立ちやこれまでの生き様、そしてその死までの人生もたどり、音楽だけではない彼らの人生、生きることの凄さ、素晴らしさをも伝えてくれる。
陽気な音楽を奏でながら、底にあるのは、支配者のもとで差別されてきた民衆の痛み。
音楽だけでは食べて行けず、靴磨きをしながらも伝統の音楽を守り続けてきた音楽家たちの苦しみや悲しみ。
それらを乗り越えて今、ステージで歌い演奏する彼らの姿は鮮やかに輝いている。
最後のツアーに当たり、レジェンドたちに加え、若いメンバーも参加している。
次の世代に引き継がれた伝説が、やがて次の花を開かせる、こうして音楽も文化も生きていくことの意味やすべてが次の世代に受け継がれていくんだと思うと、ジーンときた。
全てのミュージシャンが素晴らしいのだけれど、女性ヴォーカルのオマーラ・ポルトゥオンドが、素晴らしい!
1930年生まれ、10代の頃に、有名なキャバレー・トロピカーナでダンサーとして姉のアイデーと共にキャリアをスタートさせたんだとか・・・。
85歳でスペインの歌手と世界ツアーをしたり、このアディオスツアーで来日した時が86歳。
米寿近くになっての、あの色っぽさは、まさに感動もの!デス。
★おたか★
過去ログ…7月11日 放送 おたかのシネマでトーク「パジュラシック・ワールド/炎の王国」
7月4日 放送 おたかのシネマでトーク「パンク侍、斬られて候」
6月27日 放送 おたかのシネマでトーク「ジュラシック・ワールド」
6月20日 放送 おたかのシネマでトーク「オンリー・ザ・ブレイブ」
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