*おたかのシネマでトーク
今日は「 あったまら銭湯 」をご紹介しました。
監督:大継康高
キャスト:笹野高史
松原智恵子
ささの堅太
中尾萌那
コザック前田
他
今や、いろんなところで開かれている映画祭。淡路島でも『うみぞら映画祭』という、海の上に巨大なスクリーンを設置し、砂浜から映画を楽しむという、世界的にも珍しい映画祭があるそうです。
波音をBGMに、潮風に吹かれながらのんびり映画が楽しめるなんて、本当に最高!
2016年にスタートしたこの映画祭、淡路島の魅力を発信しようと、淡路島が舞台になった映画や、海がテーマの映画などを上映していこうということで、企画したのがプロデューサーの大継康高。
そしてその記念すべき映画祭のオープニングを飾ったのが、彼の初監督作の「あったまら銭湯」。
実は、今年も5月末に開催が予定されていたこの映画祭が、コロナ騒ぎで延期となったのを受けて、お家で映画を楽しんでもらおうと、第1回のうみぞら映画祭で上映されたこのオール淡路島ロケの「あったまら銭湯」が、現在、期間限定でYouTubeで公開されているというので、早速、観ることにした。
淡路島の岩屋にある、昔ならではの小さな銭湯『扇湯』。
初老のわらび餅屋の佐々木正信(笹野高史)は、高校時代のあることがきっかけで、この銭湯に通うことになった常連。
ゆっくりと湯船につかりながら、今日も思い出すのが、半世紀前の甘酸っぱい思い出・・・。
17歳の正信(ささの堅太)は、クラスの人気者の恵子ちゃん(中尾萌邦)に片思い中。
恵子ちゃんが扇湯に行っていることを知ると、彼も時間を合わせて扇湯へ。
番台の前田(コザック前田)は、彼女がきっちり1時間で出てくることを教えてくれた。
砂時計を使って、時間を図り、偶然を装ってけいこちゃんと一緒に帰れるようにし、父親の作るおいしいわらび餅をプレゼントすることにも成功。ぐっと距離が縮まり、いい雰囲気になった2人だったが、ある日突然、恵子ちゃんは引っ越ししてしまうことに・・・。
半世紀の時を超えて、ある日扇湯で見かけた、懐かしい顔。
正信にはそれがかつての初恋の人で、突然引っ越していった恵子(松原智恵子)だということがすぐに分かった。
でも、彼女は懐かしいそぶりは見せない・・・、恵子ちゃんではないのか?
それでも何度も出会ううち、正信はわらび餅をもって、彼女を海辺に誘い、一緒に穏やかな時間を過ごす。
古びた銭湯、わらび餅、シラス丼、線香花火、砂時計・・・昭和な匂いがプンプンのこれらのアイテムが散りばめられ,懐かしさに心がざわつく。
笹野高史は淡路島の出身。今は廃業してしまった古くからの造り酒屋“東洋長”の四男坊だとか。
洲本高校から日大の芸術学部へ。中退して自由劇場を経て、存在感のあるバイプレイヤーとして、多くの舞台やTV,映画で活躍中。4人の息子も、すべて俳優として活動中。
今回若き日の正信を演じているのは、三男のささの堅太。
松原智恵子は、残念ながら淡路島の出身ではなく、岐阜県の生まれ。
1960年代には、吉永小百合、和泉雅子とで“日活3人娘”と呼ばれ一世を風靡した女優さん。
高校生の恵子役は、オーディションで選ばれた中尾萌邦。素人っぽさが抜けないところがいい。
番台に座る前田の役で、神戸のパンクロックバンドの“ガガガスペシャル”のコザック前田がいい味を出し、バンドメンバーも出演しながら音楽も担当し、『時代は回る』が、主題歌になっている。
この映画、コロナ騒動が少し落ち着くまでの期間限定で、YouTubeの“海空チャンネル”で、無料で公開されているので、この機会に是非、ご覧になって下さいませ~!
★おたか★
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