*おたかのシネマでトーク
今日は「 望み 」をご紹介しました。
監督:堤幸彦
キャスト:堤真一
石田ゆり子
岡田健史
清原果耶
水原 葵
三浦貴大
他
ブックレビューサイト”ブクログ“で、読者満足度100%を獲得したという雫井脩介のベストセラー小説が原作で、堤幸彦が監督した衝撃と感動の問題作。
コロナの時代にあって、このところ家族を考える作品が多いのだが、どこの家族に起こっても不思議じゃないかもと思うと、ちょっと怖いお話。
建築家として、独自のスタイルを貫き成功している石川一登(堤真一)。
妻の貴代美(石田ゆり子)は、自宅で編集の仕事をしている。
息子の規士(岡田健史)は高校のサッカー部で活躍する人気者。
妹の雅(清原果耶)は、名門高校を目指して受験勉強に励む成績優秀で明るい中学3年生。
正に、絵にかいたような仲のよい幸せな家族の歯車に少しずつ軋みが生じ出した。きっかけは、規士が怪我をして、サッカー選手になるという夢を諦めなくてはならなくなったこと。
親に反抗的になり、悪い仲間たちと付き合い、夜遊びもするようになり、ある夜、家に帰らず、連絡も取れなくなる。
翌日、車のトランクから少年の死体が発見され、2人の少年が逃げて行ったのを目撃した人がいたというニュースが流れた。
警察がやって来て、殺されたのは、規士の友人であることが分かった。
そして巷では、被害者は一人ではなく、もう一人殺された人がいるのだと噂になっていた。
息子は、兄は、犯人なのか?それとももう一人の被害者なのか?
家に押しかけるマスコミ、世間からの誹謗中傷、生卵を投げつけられ、ペンキでひどい言葉を家の壁や自動車に殴り書きされる。
週刊誌の記者(松田翔太)は、知っている情報を教える代わりに、貴代美にインタビューをしたいという。
石川家の生活は一変した。
規士はどこにいるのか?
例え、犯人だったとしても、生きていてさえくれればと望む母。
犯人であってほしくはないし、犯人ではないと信じたい父。
あまりの周りからのバッシングに、兄が犯人だったら困ると父に告白する妹。
それぞれの“望み”が交錯し、愛する息子の”望み“にたどり着いた時、誰もがきっと涙する・・・。
一流の建築家の家らしく、ダイニングテーブルは250万円、ソファは150万円のものを用意したとか。
そんなインテリア、子供たちの部屋のしつらえ、貴代美の作る料理・・・、全てがこの一家の生きざまと思いを語っていて、見逃せない。
コロナ禍、ラッシュを観て、日常が奪い去られた今の時期の気持ちも反映させて、聴く人が前を向いて生きて行こうと思えるような曲をということで、エンディングに森山直太朗が作って歌った”落日“。
心を傾けて、じっくり聴いてほしい。
★おたか★
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