おたかのシネマでトーク
今日は「ファースト・マン」をご紹介しました。
監督 デイミアン・チャゼル
出演 ライアン・ゴズリング、クレア・フォイ、クレジェイソン・クラーク、カイル・チャンドラー、コリー・ストール
1970年の大阪万博で、長い間並んで見た“月の石”。
本当に、すごいと思った。あの遥か彼方にある月の石が、現実に目の前にあることに感動を覚えたことは、まるで昨日のことのように、鮮明に脳裏に焼き付いている。
初めての月面着陸を成し遂げ、その石を持ち帰って来た1969年のアポロ11号の偉業を、船長ニール・アームストロング(ライアン・ゴズリング)にフォーカスして描いた、デイミアン・チャゼル監督の作品「ファースト・マン」。
あの「ラ・ラ・ランド」の名コンビの復活だが、実はこの企画は「ラ・ラ・ランド」より以前からあったらしい。
「ラ・ラ・ランド」で撮影賞に輝いたリヌス・サンドグレンは今回、IMAXカメラの65mmに加えて35mmカメラ、16mmカメラを使い分けて、実際に見たことはないけど、きっとこんな景色が広がっているのだろうと思える宇宙の広がりや、狭苦しくて緊張に息が詰まりそうになる宇宙船の船内の様子など、あたかも一緒にそこにいるかの如き緊迫感をもって、観る者を巻き込んでくれる。
今まであまり語られることのなかったニール・アームストロングの個人的な物語。
私生活を語ることが本当になかった彼の人生を、本人や周りの人々を訪ねリサーチして、家庭を大事にしたごく普通の父親が、娘を病で亡くした苦しみや、同僚の事故死の悲しみを乗り越え、前人未到の偉業を成し遂げるまで、又、成し遂げた後の人生まで、そしてその傍らに寄り添い、支え続けた妻ジャネット(クレア・フォイ)の生き様までをも、丁寧に描き出してゆく。
現在ほどコンピューターの発達していなかったあの時代に、あんなある意味チャチな宇宙船で月にまで行ったなんて本当に信じられない。
だから、ピーター・ハイアムズ監督の1977年の「カプリコン1」で、人類初の有人火星探査船が本当は火星になんか行っていなくて、スタジオで撮った映像を流していたという映画が生まれるきっかけになったという話もあるし、このアポロの月面着陸もやらせじゃないかと思っている人も、まだいるらしい。
アポロ11号から16号のうち、ただ1機月に到達できなかったアポロ13号の絶体絶命の危機をトム・ハンクス主演でロン・ハワード監督が描いた「アポロ13」もスリリングだったし、マーキュリー計画に従事した7人の宇宙飛行士の実話を描いた1983年の「ライト・スタッフ」、NASAを支えた知られざるヒロインたち、黒人女性の計算チームを描いた2016年の「ドリーム」、火星に一人取り残された宇宙飛行士の生存をかけた孤独な闘いをマット・デイモン主演リドリー・スコット監督が撮った2015年の「オデッセイ」も面白かった。
間もなく一般人でも宇宙に行ける時代が来ようとしている今“宇宙もの映画”は、もっともっと身近なものになって、もっといっぱい作られるようになるのかもしれないですね!
★おたか★
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