今日紹介した 映画 は…
クリスティーンでした!
監督
ジョン・カーペンター
出演
キース・ゴードン
ジョン・ストックウェル
ロバート・プロスキー
ハリー・ディーン・スタントン
クリスティーン・ベルフォード
アレクサンドラ・ポール
車は女性名詞ではないけれど、そのフォルムなども考えると、男性よりは女性なのかもしれない。
クリスティーンという女性名で呼ばれる1台の車、1958年型の赤のプリマス・フューリーが人を襲い、殺してしまうという怖い映画、1983年製作のアメリカのホラー映画「クリスティーン」が、今月のオタシネクラシック。
スティーブン・キングの原作をジョン・カーペンターが監督したという、ホラーファンにとっては夢のようなコンビで作られた作品。
アメリカでは原作の出版前から映画化の企画がスタートし、カーペンター監督は5週間で撮影を終了するなど、ベストセラーになった原作の勢いを借りての公開だった為、まあまあのヒットを記録したけれど、翌年の1984年5月に公開された日本では2週間で上映を打ち切られるなど、惨憺たる結果に。
そもそも、モダンホラーの代表的作家といわれ、小説では多くのベストセラーを出しているスティーブン・キングだけれども、映画化された作品でヒットしたのは「スタンド・バイ・ミー」「ショーシャンクの空に」「グリーン・マイル」などホラーではないものが多いのが不思議。
長編の原作を110分の映画にする為、持ち主の怨念がとりついた車と、その車を手にした青年とその母親との愛憎劇というストーリーがバッサリとカットされ、そもそも車が製造過程から邪悪な意志を持っていたとされたあたりから、原作とはちょっと方向性が違ってきたのかも?
ともあれ、いじめられっ子の気弱な高校生アーニー(キース・ゴードン)が手に入れたボロボロのクリスティーンと名付けられた赤い車には過去があり、20年前、デトロイトで作られていた時から、工員がボンネットに腕をはさまれて大けがをしたり、車内で謎の死を遂げたリ・・・。
車の持ち主になった人にも不幸をもたらしてきたらしいこの車に魅せられてというより、魅入られて貯金をはたいて買ったアーニーにも、変化が。
なんと、学校一の美女リー(アレクサンドラ・ポール)と付き合い始めたリ、どんどん精悍な風貌で粗野な性格に変わっていくアーニー。
そして、呪われた過去を持つクリスティーンは、自分を破壊しようとした不良たちを殺し、異変を感じ取ったアーニーのガールフレンドのリーも殺そうとする。
アーニーをクリスティーンの支配から救い出そうと、友人のデニス(ジョー・ストックウェル)とリーはブルドーザーでクリスティーンに戦いを挑むのだが・・・。
同じキング原作の「キャリー」と同じく、青春学園もののサイコスリラーとしては、面白い出来。
カーラジオから流れる曲が意味深なところは、音楽も担当しているカーペンター監督の音楽家としての腕の見せ所でもあり、ちょっとアナログチックな車の自己再生シーンなど、視覚効果の面でも楽しませてくれる作品です!
おたか