万葉線海王丸駅から歩いて10分ほどの伏木富山港にある「海王丸パークへ」向かいます。
富山で最も美しい富山湾のモニュメント
世界38湾が加盟する「世界で最も美しい湾クラブ」があるのですね。あいにくこの日は雨模様。晴れたらさぞや湾の美しさが堪能できたことでしょう。
向かいには海上保安庁伏木海上保安部所属の巡視船「ひやこ」が停泊。
伏木富山港に浮かぶ初代練習帆船「海王丸」(2238.40トン)。商船学校の生徒に訓練を行う航海訓練所(現在は海技教育機構)の大型練習帆船として1930年(昭和5年)に姉妹船帆船「日本丸」とともに神戸の川崎造船所で建造されました。
船内は一般公開されています(有料)
1989年(平成元年)に現海王丸(二世)の竣工に伴って59年間に及ぶ練習船としての使命を終え、翌年春からこの地で一般公開されるようになりました。自力航行は出来ませんが船体維持のための動力以外のエンジンや設備点検のため定期的にえい航されてドック入りすることがあるそうです。
一番高いメインマストの高さは海面から46mあります(フラッグの付いたマスト)
縦に伸びるマストは4本。そこには無数のロープが張り巡らされています。
これらのロープや帆は乗組員が維持管理。ロープが切れたり、帆が破れたりすればその都度手作業による補修が行われるとのこと。そのための予備の資材や箸のような太い縫い針などが船倉にストックされています。
船首から前方に突き出している「バウスプリット」と呼ばれるマスト。全長約17mあり、帆走の際にバランスをとるためのヘッドセイルを張る場所です。
最上甲板後方にある「舵輪(だりん)」。帆走中に帆の状態を見ながら舵を取るため船の最後尾に舵が置かれています。顔出しパネルがあり撮影スポットになっています。
木の甲板ですが、鋼製の甲板の上に厚さ65ミリのチーク材が敷き詰められています。そしてチーク材の隙間にはオーカムまたはホーコンという麻の繊維を詰め込み、その上からピッチと呼ばれるタールを流し込んで水密を保っています。
そしてこの甲板磨きに使われるのがおなじみの椰子の実。清掃の際には甲板を水で濡らして砂を撒き、椰子の実を半分に切ったものをブラシ代わりにしてこするのです。最後は竹製のほうきを使って海水で流すそうです。
ブリッジと呼ばれる「前部航海船橋」
8人部屋の訓練生宿泊室。現在は海洋教室などのイベント時の子供達の宿泊施設として利用されたりしています。
第1教室。学びの部屋であり食堂としても利用されている部屋。時計の掛った白い柱はメインマスト。
厨房。直火は使えず調理は電気または蒸気の熱を利用。
士官サロン。士官たちが食事や会議をする場所。
長期間にわたる航海もあることから診察室や病室なども完備。
昭和5年当時の航海日誌。退役するまで地球約50周(106万海里)を航行したそうです。
そして現役時代には無かった部屋がこちら。
「愛むすび/愛鍵」部屋。
海王丸パークが「恋人の聖地」に選定されカップルの乗船記念と誓いを形にした愛鍵をこの部屋に掛けることが出来るのだそう。
今年は海王丸パーク開園30周年、新湊大橋開通10周年という節目の年なのですね。
下船のころは雨は本降り。傘をさしていても足元はずぶ濡れでした(>_<)
公開時間は午前9時30分~午後5時まで。ただし夏期(7月中旬~8月)は午後6時まで。冬季(11月~2月)は午後4時30分まで(乗船は終了時刻の30分前まで)
なお非公開日は毎週水曜(祝日の場合は翌木曜日)、年末年始及び船体整備期中(年2回)
乗船料金は大人(高校生以上)400円、子供(小中学生)200円、大人1人+小中学生1人のファミリー券は500円
ところで私が訪れた翌日は天気が回復し「総帆展帆(そうはんてんぱん)」が行われたそうです(写真は公益財団法人 伏木富山港 海王丸財団提供)
「海の貴婦人」と称される帆船海王丸の最も美しい姿を披露するため毎年4月から11月にかけて年10回、訓練を積んだボランティアの方々の手によって帆がひろげられます。この日は全29枚のうち17枚の帆がひろげられました。次回訪れた時には帆を張った姿を観てみたいものです。
海王丸パークへのアクセス、イベント情報などは公式サイトをご覧ください↓
海王丸パーク公式サイト
さてこのあとは富山駅に向けて移動となりますが、雨がきつくなってきました。
つづく・・・
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