おたかのシネマでトーク
今日は「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」をご紹介しました。
監督 ヤヌス・メッツ
出演 シャイア・ラブーフ、スベリル・グドナソン、ステラン・スカルスガルド、ツヴァ・ノヴォトニー、デヴィッド・バンバー、レオ・ボルグ、ロバート・エムズ
日本人初のグランドスラムシングル優勝者として一躍時の人となった、大坂なおみ。
力強いプレイとチャーミングなインタビューでの受け答えが、落差があって可愛いと大人気。
またまた、日本でも何回目かのテニスブームが巻き起こっているが、その先駆け的なブームのスターといえば、やっぱり、この二人。
スウェーデンのビヨン・ボルグとアメリカのジョン・マッケンロー。
1980年7月5日のウィンブルドン、3時間55分に及ぶ死闘を制して、5連覇を達成したボルグ。
翌年はボルグが破れ、6連覇はならなかったのだが、数々の記録を打ち立て、1983年1月に当時のトーナメントのスケジュールの過密さに反抗し、26歳で引退してしまったボルグは、1987年に国際テニスの殿堂入りし、その後、現役復帰を考えたこともあったようだが果たせず、表舞台からは去ってしまったまま。
でも、息子のレオ・ボルグは3歳からテニスを始め、いろんな大会でいい成績を残し、これからも期待されている上、演技のセンスもあって、TVシリーズにゲスト出演をしたり、なんとこの映画ではボルグの9歳から13歳までの子供時代を演じていて、話題になっている。
氷の男と呼ばれ、長髪をなびかせてクールに決めるボルグを演じているのは、スウェーデンの人気俳優のスベリル・グドナソン。
来年公開のスウェーデンのベストセラーミステリー“ミレニアム”シリーズの映画化“ドラゴン・タトゥーの女”シリーズの最新作で、これまでダニエル・クレイグが演じていたミカエル役に抜擢され、注目を浴びている。
テニスも結構練習したようで、この映画でみる彼は、ボルグそのもの!
一方、悪童ジョン・マッケンローを演じたのは“トランスフォーマー”の主演でブレイクしたシャイア・ラブーフ。
マッケンローそのものという程は似ていないけれど、それでもすぐキレる悪童ぶりに、面影が重なる。
監督が戦場ドキュメンタリー「アルマジロ」で注目されたヤヌス・メッツで、これがドラマ映画のデビュー作。
まるでドキュメンタリーのように、1980年のウィンブルドンでの対戦を追いながら、子供時代のエピソードを散りばめ、2人の人間性をも浮き彫りにし、テニスを知らない人にも、人間ドラマとして見ごたえのあるものに仕上げているのはさすが!
こどもの頃、カッとなりやすい性格だったというボルグが、コーチのレナート・ベルゲリン(ステラン・スカルスガルド)から自制することを学び、妻のマリアナ(ツヴァ・ノヴォトニー)の支えもあり、アイスマンと呼ばれる沈着冷静なプレイが出来る選手になったというのは意外だったが、子供のように感情の全てを大声で吐き出し、悪態をつくマッケンローのことを理解し、やがて親友になっていったのは、自らの子供時代と重なる部分があったからなのかと納得。
孤高の存在の2人が、どのようにお互いを理解していったのか?
人間ドラマとしての見どころもいっぱいの秀作です!
★おたか★
過去ログ…9月12日 放送 おたかのシネマでトーク「プーと大人になった僕」
9月5日 放送 おたかのシネマでトーク「ブレス しあわせの呼吸」
8月29日 放送 おたかのシネマでトーク「旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ」