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ばんばひろふみ!ラジオ・DE・しょー!

番組内容

おバカなコーナー盛りだくさん!
ラジオの天才!バンバンが繰り広げるショータイムです!

放送は終了しました。ご愛聴いただき、ありがとうございました。

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  • 2020年7月22日(水) 16時39分 おたかのシネマDEトーク

    7月22日*おたかのシネマでトーク「劇場」

    *おたかのシネマでトーク

    今日は「 劇場 」をご紹介しました。

    監督:行定勲

    キャスト:山﨑賢人
         松岡茉優
         寛一郎
         伊藤沙莉
         上川周作
         他

    お笑いコンビ“ピース”の又吉直樹が「火花」で第153回芥川賞に輝いたのが2015年。
    その前から書いていたというのがこの「劇場」という恋愛小説で、それを「GO」「世界の中心で愛をさけぶ」「ナラタージュ」などの行定勲が監督したのがこの映画。
    新型コロナウイルスの影響で公開が延期になり、717日からミニシアター系の映画館とAmazon Primeでの配信を同時に行うという珍しいかたちでの公開になった。

    夢を追い、劇団“おろか”を立ち上げ劇作家・演出家として、成功を夢見てもがいている永田(山﨑賢人)。
    ある日街角で、おんなじスニーカーを履いている沙希(松岡茉優)に声をかけ、一緒にお茶を飲む。
    女優になる夢をもって上京し、服飾関係の専門学校に通っている沙希は、なぜか永田のことを放っておけなくなり、やがてお金のない永田は沙希のアパートに転がり込み、二人の生活が始まった。

    前衛的な作風の芝居は、上演ごとに酷評され、ファンも離れていき、一緒に劇団を立ち上げた野原(寛一郎)や劇団員の青山(伊藤沙莉)らとも意見が合わず、劇団は今や解散状態。
    それでも自分の演劇への思いにこだわり、必死に脚本を書き続けている永田に、自分の夢を重ねるように精いっぱい応援し続ける沙希。
    彼が書いた脚本を、沙希が演じて喝采を浴びたこともあった。けれど、もっと違う自分の演劇を追い求めてもがき苦しむ永田は、自尊心や嫉妬に捕らわれ、自意識も過剰で正直になれない。
    自分のことだけで精一杯、あらゆる面での沙希の無垢な献身に、大切にしなければと思いながらも、だからこそ苛立ってしまう永田。

    山﨑賢人は、「まれ」「陸王」などのドラマや、興収57億円を突破した映画「キングダム」などで、今、旬の俳優。
    ヒロインの松岡茉優は、「勝手にふるえてろ」「蜜蜂と遠雷」「万引き家族」などで、素晴らしい演技を見せ、今作でも、屈託のない笑顔がやがてぎこちなくなり、二人の関係に疲弊していく様を細やかに演じてみせる。
    寛一郎、伊藤沙莉の他、ライバル劇団“まだ死んでないよ”の主宰者役の井口理、団員役の浅香航大など、周りを囲む若手の俳優陣も、それぞれはまり役で印象深い。

    演劇人の主人公たちなので、“劇場”が大きなポイントになるわけで、この映画がシネコンではなく、小劇場の雰囲気を色濃く残すミニシアター系の映画館で公開されるというのも、意味があるような気がする。
    配信で、自宅で好きな時に観ることが出来るというのも、最近のライフスタイルにはあっているのかもしれないが、
    印象的なラストシーン、観終わって映画とシンクロするかのようなミニシアターの座席に座っていることに気づけば、より趣の深い幕切れになるのではないかと思うので、これは是非、劇場で観てほしい映画だ。

    ★おたか★

  • 2020年7月15日(水) 17時29分 おたかのシネマDEトーク

    7月15日*おたかのシネマでトーク「MOTHER マザー」

    *おたかのシネマでトーク

    今日は「 MOTHER マザー 」をご紹介しました。

    監督:大森立嗣

    キャスト:長澤まさみ
         奥平太兼
         夏帆
         皆川猿時
         仲野太賀
         他

    本当に、後味の悪い映画。
    しかも2014年、埼玉県で実際に起きたショッキングな事件がベースになっているというから、本当にやるせなくて辛い。

    シングルマザーの秋子(長澤まさみ)は、男たちと行きずりの関係を持ち、お金が無くなれば息子周平(幼少期:郡司翔)を連れて実家に無心に行き、お金を手にするとパチンコに・・・というその日暮らしに明け暮れていた。
    でもある日、度々の無心に業を煮やした母雅子(木野花)はお金を渡さず、追い返す。
    ゲームセンターでふてくされているとダンスゲームでやけにはしゃいでいる一人の男と出会う。
    その、ホストの遼(阿部サダヲ)と一緒に生活するようになってからも、相変わらずの毎日で、周平のことはほったらかしで、遊びまわる日々。その日常は、妹冬華(浅田芭路)が生まれて、周平(少年期:奥平大兼)が17歳になっても、変わらなかった。

    いわゆる毒親と虐待されている息子という構図なのだけれど、時には舐めるように息子を可愛がったり(実際、動物のように、息子の膝の傷を舐める!)、息子も母親のことが大好きだったりと、共依存の関係にある秋子と周平は、お互い離れられない存在だった。

    簡易宿泊所を紹介してくれたり、なにかと面倒を見てくれる児童相談所の職員亜矢(夏帆)から本をもらったり、勉強することの楽しさを教えてもらったりして、周平が学校に行きたいと言った時も秋子は許さず、遼の借金取りから逃げるために、又、夜逃げして亜矢の前からも姿を消してしまった親子。
    あとは、悲劇に向かってまっしぐらに突き進むしかなかった・・・。
    孫が祖父母を殺して金品を奪うという凄惨な事件、母親は、どうかかわっていたのか・・・?
    母親役の長澤まさみが、役に全く感情移入できなかったというのも納得のこの映画。

    企画プロデュースをしたのは、あの「愛しのアイリーン」や「新聞記者」などの、社会のひずみを抉り出す作品を世に送り出している“スターサンズ”という会社の河村光庸と佐藤順子のコンビで、脚本を書き監督をしたのが大森立嗣。
    「さよなら渓谷」「光」「日日是好日」、そして2019年の「タロウのバカ」という映画では、荒々しい衝動を抱えた少年たちの明日なき彷徨を描いた作品中に、シングルマザーの育児放棄や学校に行けない子供たちを登場させていた。
    「タロウのバカ」の主演のYOSHIと同じ2003年生まれの新人、奥平大兼を今回オーディションで抜擢したこともあり、あの時、あの映画で衝撃を受け、割り切れないものを感じたのと似た感覚を、今作でも覚えてしまう。
    しかもあの映画から1年もたたず、再び善悪や道徳を超えたところにある人間のコミュニケーションを描き出した大森監督のエネルギーは、すごいと思う。
    しんどいし、後味の悪さはあるけど、これは今、観るべき作品なのかもしれません!

    ★おたか★

  • 2020年7月8日(水) 16時56分 おたかのシネマDEトーク

    7月8日*おたかのシネマでトーク「カセットテープ・ダイアリーズ」

    *おたかのシネマでトーク

    今日は「 カセットテープ・ダイアリーズ 」をご紹介しました。

    監督:グリンダ・チャーダ

    キャスト:ヴィヴェイク・カルラ
         ヘイリー・アトウェル
         ロブ・ブライドン
         クルヴィンダー・ジル
         他

    2019年のサンダンス映画祭でプレミア上映され、観客と評論家から大絶賛された青春音楽映画。

    舞台は1987年の英国。
    小さな田舎町ルートンのベリーパーク地区に暮らすパキスタン系の移民の少年ジャベド(ヴィヴェイク・カルラ)は16歳。
    ガールフレンドも居ないし、孤独。保守的な町の一部の人からは人種差別を受け、家庭内では大きな期待を寄せられ、パキスタンの家庭特有の絶大な権力を持つ昔人間の父親マリク(クルヴィンダー・ギール)に管理され、伝統やルールに縛られることに反発したいのに出来ないと悶々とした青春を送っていた。

    ウォークマンで流行りのペット・ショップ・ボーイズを聴き、詩も書きためていて、幼馴染の友人のマット(ディーン=チャールズ・チャップマン)のバンドに歌ってもらおうと、作詩して手渡したりもしている。
    自分の気持ちを長年、日記に綴っていたり、書くことの好きなジャベドは将来それで身を立てたいと思っていたが、なかなか自分の言葉を見つけられずに悩んでもいた。

    そんなある日、入学したハイスクールで、仲良くなったムスリム系のクラスメイト、ループス(アーロン・ファグラ)が2本のカセットテープを貸してくれた。
    ブルース・スプリングスティーンの“ボーン・イン・ザ・USA”と“闇に吠える街“だった。
    それは衝撃の出会いだった。今まで感じてきた自分の気持ちを正に代弁してくれているかのような歌詞。
    ジャベドは夢中になった。
    周りのみんなは古い!というけど、彼にとってB・スプリングスティーンは彼の人生そのものを歌ってくれているヒーローなのだ。そして、自分の言葉を見つけることが出来た彼の文章は、学校のクレイ先生(ヘイリー・アトウェル)にも認められ、やがて新聞に取り上げられるまでになってゆく。
    政治活動に熱心なガールフレンド、イライザ(ネル・ウィリアムズ)ともいい感じになり、憧れのB・スプリングスティーンの故郷の近くの大学のセミナーに参加するチャンスも得て、正に青春が花開いていくが・・・。

    監督は「ベッカムに恋して」などの、ロンドン育ちのインド系英国人のグリンダ・チャーダ。
    この映画の原題は「BLINDED BY THE LIGHT」(光で目もくらみ)で、これはブルース・スプリングスティーンの73年のデビューアルバム“アズベリーパークからの挨拶“に収められている曲名。
    原作は、パキスタンに生まれ現在は英国ガーディアン紙などのジャーナリストとして活躍中のサルフラズ・マンズールの2008年の回顧録“ベリーパークからの挨拶“。この書名は、アルバムタイトルへのオマージュになっていて、B・スプリングスティーンへの愛の深さが分かろうというもの。
    17曲もの作品の使用を許可し、未発表バージョンに新曲まで加えた12曲が収められているサントラ盤、B・スプリングスティーンのファンにとっては必聴もの!

    ★おたか★

  • 2020年7月1日(水) 16時49分 おたかのシネマDEトーク

    7月1日*おたかのシネマでトーク「一度も撃ってません」

    *おたかのシネマでトーク

    今日は「 一度も撃ってません 」をご紹介しました。

    監督:阪本順治

    キャスト:石橋蓮司
         大楠道代
         岸部一徳
         桃井かおり
         佐藤浩市
         他

    石橋蓮司の18年ぶり、2度目の主演作。
    売れない小説家、74歳の市川進(石橋蓮司)には、もう一つ伝説のヒットマンという顔がある・・・という噂は、本当か?

    殺人の状況が事細かに描かれた市川のハードボイルド小説。長年編集者として付き合っている定年間近の児玉(佐藤浩市)は、何とか出版できないかと考えるが、その後任の若い編集者五木(寛一郎)は、古い!と言い放つ。
    トレンチコートにブラックハット、煙草をくゆらす市川のいで立ちは、正に一昔前の伝説のヒットマンそのもの。
    彼の周りの人々も、どこか昭和の匂いが色濃く、胡散臭い。
    訳アリの元ヤメ検の石田(岸部一徳)、元ミュージカル女優玉淀ひかる(桃井かおり)、秘密の多い夫のことを少し探り始めた市川の妻の弥生(大楠道代)。
    他に柄本明、柄本佑、豊川悦司、江口洋介、妻夫木聡、井上真央、原田真由、前田亜季、濱田マリ、新崎人生・・・、本当に多士済々、世代を超えた個性豊かなすごい面々が集まった出演者たち。

    スタッフ側は、監督を務めたのが、赤井英和主演の「どついたるねん」で監督デビューし、藤山直美主演の「顔」それに「亡国のイージス」「闇の子供たち」「北のカナリアたち」「半世界」など話題作の多い阪本順治。脚本にはあの「探偵物語」「すかんぴんウォーク」「凶気の桜」などの丸山昇一。
    二人のコンビ作品としては、「傷だらけの天使」「カメレオン」「行きずりの街」があり、これが4作目。
    息の合った監督・脚本コンビの世界を、一癖も二癖もある俳優陣が演じればこうなる・・・という見本のような楽しい映画。
    ゆる~く、けれどある種のこだわりを持って、遊び心いっぱいにかっこつけて描く、永遠の青春映画。

    かつて、原田芳雄の家に集まってワイワイ騒いでいたメンバーが、そのまま集まって作ることになったというこの映画、そういえば2011年に他界してしまった原田芳雄の遺作となったのは、阪本監督の「大鹿村騒動記」だったし、そんないろいろな人のつながりや縁のようなものも感じられる懐かしさあふれるこの映画、そこそこの年代の人にとっては、ノスタルジーを感じるシーンも多いのだけど、若い人たちが観たら、どうなんだろう?
    古っ!の一言で片づけてほしくは、ないな~!

    ★おたか★

  • 2020年6月24日(水) 16時52分 おたかのシネマDEトーク

    6月24日*おたかのシネマでトーク「ドクター・ドリトル」

    *おたかのシネマでトーク

    今日は「 ドクター・ドリトル 」をご紹介しました。

    監督:スティーヴン・ギャガン

    キャスト:ロバート・ダウニー・Jr
         アントニオ・バンデラス
         マイケル・シーン
         ジム・ブロードベント
         トム・ホランド
         他

    イギリス人のヒュー・ロフティングが書いた「ドリトル先生」シリーズは、世界中で100年も愛され続けたベストセラー。
    元々、自分の2人の子供たちの為に書き始めたお話で、これが大うけして、全12巻+番外編2巻という膨大なシリーズになったもの。
    この映画の元になっているのはシリーズ第2巻「ドリトル先生航海記」。
    でも、原作と映画ではちょっと違う点もあって、例えば臆病なゴリラのチーチーは、原作では猿。
    寒いのが苦手なシロクマのヨシや、キリンのベッツイなどは原作には登場しない。
    そもそも、ドリトル先生をロバート・ダウニー・Jrが演じているのからして、こんなにカッコいい先生だったっけ?と、原作からイメージしていたドリトル先生とのギャップを感じる方も多いかも・・・。

    動物の言葉が喋れるドリトル先生は名医として沢山の動物の病気を治し、命を救ってきた。
    でも、愛する妻リリー(カシア・スムートニアック)が冒険の旅に出て亡くなってしまって以来、ヴィクトリア女王(ジェシー・バックリー)からもらった広大な敷地の家に引きこもってしまっていた。
    そんなある日、その女王が原因不明の重い病に倒れたので助けてほしいと、侍女のレディ・ローズ(カーメル・ラニアード)が訪ねて来る。
    宮殿で女王の様子を見て、毒を盛られたことが分かったが、なんと唯一の解毒剤は遥か彼方の伝説の島にある“エデンの樹”の果実しかないということで、その実を求めて冒険の旅に出ることになってしまう。
    動物たちと助手志願のスタビンズ少年(ハリー・コレット)と一緒に大海原へ船出。

    王位を狙うバッジリー卿(ジム・ブロードベント)の命を受けて軍艦で攻撃してきたマッドフライ医師(マイケル・シーン)と闘ったり、海賊の島モンテベルデで、リリーの遺した伝説の島への道筋を記した日誌を手に入れる為、海賊王のラソーリ(アントニオ・バンデラス)と闘ったり・・・。実は彼はリリーの父親であり、娘を奪っていったドリトルを憎んでいて、トラの餌食にしようと追い詰める。
    果たして冒険の末、エデンの樹の果実を手に入れて、無事女王の命を救うことが出来るのか・・・?

    監督・脚本は「トラフィック」でアカデミー賞の脚色賞に輝き、「シリアナ」の監督と脚本も手掛けているスティ―ヴン・ギャガン。
    製作のスーザン・ダウニーは、ロバート・ダウニー・Jrの奥様。

    ドリトル先生ものの映画は今までにも1967年のリチャード・フライシャー監督、レックス・ハリソン主演の「ドリトル先生不思議な旅」や、1998年のベティ・トーマス監督、エディ・マーフィー主演で、現代のサンフランシスコを舞台にした「ドクター・ドリトル」などがある。

    CGの手法も素晴らしく発達してきているし、ユーモアもあって楽しい映画に仕上がっているし、ラミ・マレック、エマ・トンプソン、トム・ホランド、レイフ・ファインズなど、動物たちのヴォイスキャストも、めちゃ豪華!
    でも、ターゲットは大人なのか子供なのかが分からないというか、どっちにとってもちょっと・・・という点はちょい残念!