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三上公也の朝は恋人

  • 2022年10月9日(日) 05時19分 関西

    鉱石の道を辿り神子畑選鉱場へ

    明延鉱山の坑道見学を終えて明神電車の行き着く先である神子畑選鉱場(みこばたせんこうじょう)跡へ。1919年(大正8年)に建設された選鉱場です。明延鉱山で採鉱・破砕された鉱石はここに運ばれ有用鉱物と不用鉱物(脈石)とに仕分けしたり、異なる複数種類の有用鉱物を互いに分離する作業が行われていました。狭い土地を有効活用して効率よく上から順番に選鉱するために山の急斜面を利用して建設されました。

    選鉱場の昇り降りを行った「インクライン(ケーブルカー)の軌道跡
    工場の跡地に「一円電車」が展示されています。

    1929年(昭和4年)に明延鉱山と神子畑選選鉱場間の6.1kmに鉱石を運ぶための明神(めいしん)電車が開通しましたが、1945年(昭和20年)にはこの鉱石運搬車に従業員とその家族の交通の便を図るために初めて客車が連結され登場したのがこの車両「わかば」号です。当初の運賃は50銭だったそうですが、1952年(昭和27年)に1円になり、その後は明延鉱山が閉山で廃止される1987年(昭和62年)3月までずっと1円のまま据え置かれていました。それが「一円電車」といわれる所以です。園バスのような明るい色合いの車両です。

    車内前方

    車内後方

    トンネル5つを潜って結ばれていた6.1kmの区間の所要時間は30分だったのですね。

    ムーセ旧居と呼ばれる神子畑鉱山事務舎。鉱山技術者として明治政府に雇われていたムーセが住んでいた二番館を1888年(明治21年)に生野鉱山から移築。事務所や診療所として利用されていた建物で県指定の文化財になっています。無料で一般公開されています。

    入口でトンボ発見!

    そして建物の隣には「シックナー」とよばれる構造物があります。

    液体中に混じる固体粒子を分離する装置

    直径が百尺(約30m)のものと55尺(約16m)のものとがあり巨大な漏斗のような形をしています。

    神子畑選鉱場跡と播但連絡道路朝来ICの間の国道429号線沿いに「神子畑鋳鉄橋(みこばたちゅうてつきょう)」という橋があります。

    神子畑川に架かる鋳鉄製のアーチ橋

    鉱石運搬道路として架けられた15.997mの橋。日本に現存する全鋳鉄製の橋としては最も古く国指定の重要文化財になっています。

    この道は神子畑から生野へ「銀鉱石」を運んだ馬車鉄道

    橋は渡ることが出来て、その先の遊歩道も歩くことが出来ます。

    駐車場もあるのでぶらり鉱石の道散策が出来ますよ。