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三上公也の朝は恋人

  • 2024年8月12日(月) 03時12分 出来事

    来年からの実証実験に向け無人運航船を遠隔サポートする「陸上支援センター」が完成!

    少子高齢化の流れを受け、人口減少に伴う人材不足が大きな社会問題となっています。これは海運業界でも同じで、船員不足や働き方の改善のために現在「無人運航船プロジェクト MEGURI2040」が進められています。これは日本財団などが進めているもので、旅客や貨物を乗せ、航海士や機関士がいなくても乗組員だけで運航できる自立商業運航を目指しているものです。無人運航が実現することで、流通・人・コスト・交通などのMEGURI(めぐり・循環)がよくなり便利になる、そして2040年には国内を走る船の50%が無人運航船になることを目標にしています。すでに出入りの激しい東京湾での航路を使って無人運航に成功しており、さらにプロジェクトを進めるためにこのほど兵庫県西宮市に本社を置く船舶用電子機器メーカーの古野電気の一室に「陸上支援センター」が設置されました。

    ここは無人運航船の位置や航行状況を常時監視し無線でやり取りが出来る「FOC=フリート・オペレーション・センター」で、室内は海を感じさせる青色を基調とした配色になっています。

    複数の大型モニターが並ぶ「フリート監視ブース」

    部屋の中央にあるブリーフィングテーブルに置かれた「平面ディスプレー」
    4K対応のタッチパネル式ディスプレーで、詳細な海図を基に世界中の船舶情報や気象情報などを確認しながら最適な運航計画を立てていく場所です。

    写真下は「個船支援ブース」。部屋の両サイドに航海士や機関士が座るブースチェアがあります。

    私も腰掛けてみましたが、コックピットのような最新のゲームチェアのような座り心地の良いブースチェアでした。

    目の前に5つのモニター画面があり、個々の船舶に対して航路やエンジン情報をチェックしながら航海士や機関士が運航を直接サポートするための支援ブースです。非常時にはここで船舶を遠隔操作します。

    このプロジェクトが目指しているのは船内に乗組員がいる想定で、目指すシステムレベルは自動車でいうところの「自動運転レベル4(場所や天候、速度などの特定条件下で、車の自動運転システムがドライバーに替わりすべての運転を行う)」とのこと。またこの陸上支援センターとは別に、災害時などを想定してトレーラー型の移動支援車両も整備中とのこと。そして来年7月からはコンテナ船や離島航路の船舶など最大4隻の船舶を同時に運航しての実証実験がスタートするそうです。プロジェクトチームの担当者は「技術開発と併せて実用化に向けて法整備や社会的理解も得ていきたい」としています。乗組員の労力の削減、時間だけでなくストレスの軽減にも役立つ「無人運航船プロジェクト」。車だけでなく船舶でもこのような技術開発が進められているのですね。