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三上公也の朝は恋人

  • 2020年1月10日(金) 09時33分

    福澤諭吉ゆかりの高校が神戸にあった!

    兵庫県にしかも神戸に福澤諭吉ゆかりの学校があるのをご存じでしょうか。 神戸市垂水区にある“県商”と呼ばれる兵庫県立神戸商業高等学校がその学校です。

    現在の形での学校設立は1962年(昭和37年)ですが、その源流は1878年(明治11年)1月16日に神戸市生田区(現中央区)に開校した「神戸商業講習所」です。

    140年以上の歴史がある日本最古の歴史を持つ学校なのです。当時は神戸港が開港したものの貿易に関しては外国人が一手に握っていて地元の中小企業は入り込めませんでした。そこで外国人に太刀打ち出来る人材の育成をと設立されました。このとき力になったのが福澤諭吉です。

    設立前年の1977年(明治10年)、当時の県令(県知事)だった森岡昌純が慶應義塾の福澤諭吉に商業教育機関設立の約束を取り付け、慶應義塾の教師らを派遣してもらうなど一切の学校運営を引き受けてもらったそうです。初代校長に当たる講習所支配人は元中津藩士で福澤諭吉の門下生だった甲斐織衛です。1回生は19人で西南戦争後に神戸に連れてこられた人が入所したとか。

    校内の資料室には福澤諭吉の若き頃の肖像画や掛け軸、様々な学校の歴史を記す資料があります。

    これまで使用されていた教本

    学問ノススメ

    筆算教授本や商業書、入学試験問題答集

    「帳合之法」
    分厚い大きな辞書!

    卒業生の中には政財界をはじめ文化・スポーツなど多くの分野で活躍した人が沢山います。

    政治では衆議院議員だった谷洋一、野坂参三、初代神戸市長の小寺謙吉。財界では神戸元町・凮月堂創始者の吉川市三、神戸財界育ての親といわれる柏井紙業の社長・名誉会長で神戸商工会議所副会頭を務めた柏井健一、明石市長も務めた丸尾カルシウム社長の丸尾儀兵衛、三井船舶(現商船三井)社長だった一井保造。スポーツではプロ野球選手として満鉄、阪急ブレーブスや国鉄スワローズで活躍した小さな大投手といわれた浜崎真二。文化・芸術では「神戸百景」でおなじみの版画家の川西英や作家の島尾敏雄、言語学者の神原末一と様々な分野に多くの人材を輩出しています。甲南大学の創始者である平生釟三郎は県商の第8代校長(明治26年4月~27年7月)でもあります(いずれも敬称略)
    そして現在の西村直己校長も県商のOB。
    「商業高校というと卒業後は就職というイメージがありましたが今は7割が進学。国公立大へは商業科推薦枠があり、例年約30人がさらに上を目指しています」とのこと。現在は商業科・情報科・会計科の個性的な3つの学科があり、生徒たちは日本最古の歴史ある商業学校としてのプライドを持ちながら学び、県商ならではの人づくりによる「おもてなし日本一の商業学校」を目指しているそうです。

    なおきょう10日(金)放送「春名優輝PUSH!」(午後3時~放送)では春名アナウンサーのレポートでお伝えします。