ワインを海の底に沈めて熟成する実験が神戸港で行われています。
その「海底熟成」を行っているのは神戸に本社を置くカタログ通販会社フェリシモで、2021年の1月に神戸港第1突堤近くに本社を移転した際に「f winery(エフワイナリー)」という自社の都市型小規模ワイナリー施設でワイン醸造を始めました。そして去年10月に神戸産や山形産のシャルドネやカルベネ・ソーヴィニヨン、マスカット・ベーリーAなどのブドウ品種で仕込んだ赤ワインや白ワインなどを目の前の神戸港の海底に沈めました。
この実験は「難破して海底に沈んだ船の中から見つかったワインが美味しかった」という逸話から「本当なのか」と実験を開始し先日海に沈めた約150本を引き上げました。
約8ヶ月ぶりに引き上げられましたが、ワインを収納したケージは泥まみれで海藻や貝などもくっついていました。
なんでも海の中で長い期間揺られることで味がまろやかになるといわれていて、沖縄や瀬戸内海などでも海洋熟成が行われているそうです。
ワインは1本1本ラップに包まれていてラベルへの汚れなどは心配なし。ただすぐに口にすることは出来ず、1ヶ月程度の検査を経て安全確認されたあと販売を予定しているとのこと。
本来ワインに振動は御法度といわれますが、海の中の揺らぎはワインをもゆりかごの如く優しく熟成させてさせてくれるのでしょうか。
フェシリモ本社にある「エフワイナリー」の醸造タンクでは、産地に制約されない幅広いブドウを仕入れてワイン文化の可能性を広げる様々な取り組みとしてユニークなワイン造りをすすめています。
海底熟成についてエフワイナリーの醸造家の池原作務さんは「いいワインが出来たらなぁ」と期待を寄せています。
エフワイナリーで醸造されたワインは醸造所に併設されたカフェエリアや直営レストラン「Sincro(シンクロ)」などで味わえます。
海底熟成ワインについては本数が限られていることから、カフェでの試飲イベントやエフワーナリーの年間パートナーに優先販売予定とのこと。エフワイナリーの営業時間など詳しくはフェリシモの公式サイトをご覧ください。
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