肥料メーカーが「バカマツタケ」の栽培に成功!
兵庫県加古川市に本社がある肥料メーカーの多木化学がこのほど「バカマツタケ」の完全人工栽培に成功したと発表しました。
「バカマツタケ」とはいわゆる「早松(サマツ)」と呼ばれるマツタケに近いきのこで、マツタケよりも発生時期が1ヶ月ほど早く季節を間違えたのでは?ということから「バカ」の名前が付けられたそう。なんともかわいそうなネーミングですが、実はマツタケよりも味・香りともこちらの方が上の高級食材だそう。長さは10cm弱で、嗅いでみると確かにマツタケと同じ香りが漂っていました。ただマツタケはアカマツなどの松林に生えるのに対し、バカマツタケはブナ科の樹木と共生し植物の力を介して生えるキノコなのです。ですから現在は天然のものがごくわずかに出回る程度のなのです。それを多木化学は菌を増やして人工環境制御をすることでの完全人工栽培に成功しました。見た目にはシイタケやブナシメジなどの腐生菌類と同じように簡単に菌床栽培が可能なのかと思いがちですが、実はマツタケ類は菌根菌類と呼ばれる生きた植物とでないと共生出来ない種類のキノコなのです。つまりこれまで栽培不可能といわれてきたものを、菌床で培養から生育までを室内環境で栽培できたというのは画期的なことなのです。
多木化学ではこれまでの微生物研究を活かし、2012年から6年かけてここまで辿りつき、今年4月に完全人工栽培の成功を確認。これまで14本を栽培したそう。実用化までにはあと3年かかるそうですが、室内環境ならば通年栽培が可能で、しかも栽培期間は3ヶ月ほどだそうですから、量産化が待ちどおしいですね。
※10月17日(水)に多木化学株式会社主任研究員の秋津教雄さんに番組にお越しいただいて詳しいお話を伺います。