のせでんアートライン2019「逆オンバシラ祭り」
地域とアーティストが一体となってつくる2年に1度の芸術祭「のせでんアートライン2019」が今月26日(土)に始まりました。ことしは日本、台湾、メキシコ、オランダから招いた8人のアーティストが作品やパフォーマンスを披露。その中で招聘アーティストの一人で東京の建築家の岡啓輔さんが、旧友の縁を頼りに大阪府豊能町の東ときわ台を訪れ発案したのが「逆オンバシラ」なるもの。
長野県諏訪市の「御柱祭」は山で育った木を里に引き出すものですが、これは町でこしらえたものを山の方へ運んで、ニュータウンに住んでいる人にも町を自分たちの手で作っているという意識を持ってもらいたいということで考えられました。
住民と共にコンクリートを練り、地元に残したいカタチを側面に配して長さ20mの長大な柱を制作しました。 出発地点には木枠も並べられていました。ちなみに文字は「じかんにはおもさがあるから じかんをうごかすときにひとりじゃうごかせなかったら じかんがちゃんとうごきつづけるように いつもしっかりはなしあおうね きっとみずみずしいじかんになるよ すいかのほし」と書かれています。
出発前のリハーサルには川西市の越田市長らも参加。
単管に吊るされた重さ2.2㌧の長大な柱を4列に並び100人で持ち上げます。
祭りとあって地元のシルバーメンバーも参加
バランス調整をして11時半に豊能町立ふれあい広場を出発。
息を合わせながらゆっくりと方向を変えては前に進みます。
距離は600mほどですが何せ長い重い柱。交差点は一度で曲がりきれません。
一旦真っ直ぐ進み、
前後を変えてスイッチバック式に道を曲がっていきます。
「ワッショイ、ワッショイ」の掛け声と共に細い曲がりくねった路地を通過
そして東ときわ台5丁目公園にさしかかります
ここで単管を外し、公園内の移動は単管を柱の下に入れて転がすように運び入れます。
しかしここからが大変。公園の木々の合間を縫うように移動させていきます。
前後左右を確認しながら動かします。コンクリート強度は通常の4倍以上ゆえ割れる心配はないものの扱いは慎重に。
休憩を取りながらもなんとか運び入れ、最終設置場所には業者の手を借りて設置。日没近くなり翌日のラジ関まつりのこともあり5時半ごろにおいとましましたが、最終的に予定を4時間オーバーした午後8時半に無事設置が完了したそう。
翌日、設置された写真を送っていただきました。
「のせでんアートライン2019」は11月24日までの開催ですが、この作品については1年間は設置して、状況を見ながら長く残したいという意向になっているそうです。