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番組内容

おバカなコーナー盛りだくさん!
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  • 2019年12月18日(水) 13時00分 おたかのシネマDEトーク

    おたかのシネマでトーク『男はつらいよ お帰り 寅さん』(2019.12.18 水)

    おたかのシネマでトーク

    今日は「男はつらいよ お帰り 寅さん」をご紹介しました。

    監督 山田洋次

    出演 渥美清、倍賞千恵子、吉岡秀隆、後藤久美子、前田吟、池脇千鶴、夏木マリ、浅丘ルリ子

     

    1968年、TVドラマとして誕生し、翌年の827日、スクリーンに登場してから50年。
    国民に愛され、高度成長の波に乗る勢いで48作が作られ、渥美清さんが亡くなり、49作目の「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇」が19971122日に公開になったのを最後に、われらが“フーテンの寅さん”は、私たちの前から居なくなってしまった・・・。

    一人の俳優が演じた最も長い映画シリーズとしてギネスブックに登録され、シリーズ49作目までの累計で劇場観客動員数8000万人、興行収入900億円などのすごい記録を持つ寅さんシリーズ。
    1作の公開から50周年となる今年、なんと50作目の新作が誕生したのだ。
    あの懐かしい面々の“今”の生活と、4Kデジタルで修復されて鮮やかによみがえった寅さんシリーズの映像とで紡ぎだす、新たな「男はつらいよ」の物語。

    小説家になった満男(吉岡秀隆)は、中学生の娘ユリ(桜田ひより)と二人暮らし。亡き妻の七回忌の法要を実家の柴又の家で行い、久しぶりに母・さくら(倍賞千恵子)父・博(前田吟)、義父・窪田(小林稔侍)、隣のタコ社長の娘朱美(美保純)、御前様(笹野高史)らと会い、変り者だったけどいつも優しく味方になってくれた伯父・寅次郎(渥美清)との日々も懐かしく思い出していた。

    満男の最新作は評判も良く、出版社の担当編集の高野(池脇千鶴)からは、次作の執筆を勧められているけど、どうも筆が進まない。
    書店で行われた満男のサイン会、なんと、その列に並んでいたのが、かつて結婚の約束までした初恋の人イズミ(後藤久美子)。現在UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のスタッフとなり、結婚し2人の子供も設け外国で暮らしている彼女は、サイン会のポスターを偶然見かけ、懐かしさのあまり立ち寄ったのだ。

    是非会わせたい人がいるとイズミを連れていった小さなジャズ喫茶にいたのは、寅さんのかつての恋人リリー(浅丘ルリ子)だった。
    僅かな滞在時間、懐かしい人々との再会、時の流れを取り戻そうとするかのようなイズミと共に過ごすひととき・・・。

    山田洋次監督の、渥美さんにもう1回会いたいという思いからスタートしたこのプロジェクト。
    日本経済が右肩上がりで一生懸命働けば報われると信じていた時代から、バブル崩壊を経て、不安な時代、生きづらい時代になってしまった、現代の日本に暮らす我々。寅さんと出会うことで、あの頃の希望に満ち、頑張ってた日々を懐かしく振り返り、帰ってきた寅さんと共に笑い、ともに泣き、又一歩を踏み出せるそんな気にさせてくれる、背中を押して励ましてくれる、そんな映画。

    山田洋次監督から声をかけられたときは、夢かと思ったという桑田佳祐さんの歌う主題歌も、寅さんぶりもいい!
    ずっと、お盆やお正月には映画館で寅さん映画を楽しむのが、日本人の当たり前だったようなあの頃の記憶をたどりながら、令和2年のお正月は、もうこの映画でキマリですな!

    ★おたか★

  • 2019年12月11日(水) 13時30分 おたかのシネマDEトーク

    おたかのシネマでトーク『カツベン!』(2019.12.11 水)

    おたかのシネマでトーク

    今日は「カツベン!」をご紹介しました。

    監督 周防正行

    出演 成田凌、黒島結菜、永瀬正敏、高良健吾、音尾琢真、徳井優、田口浩正、正名僕蔵

     

    映画の歴史をひも解けば、1893年にエジソンが“キネトスコープ”という、穴を覗いて映像を見るという機械を発明し、それが1896年(明治29年)に神戸に上陸したことから、神戸が日本における映画発祥の町と言われるようになったわけで、その後1895年にフランスのリュミエール兄弟が“シネマトグラフ”を発明し、これは映像をスクリーンに投影してみんなで観ることができるという今の映画の形に近いもので、1897年(明治30年)に大阪の南地演舞場で、初興行が行われ人気を博し、以後各地に映画館が続々とオープンするに至ったらしい。

    ま、当時は無声映画の時代で、映画を観ることが目的ではなく、お気に入りの弁士を追っかけて、その語りを聞くのが、お目当てだったよう。
    最盛期には8000人の弁士がいて、スター弁士は総理大臣と同じぐらいの収入があったというから、いかに弁士が花形職業だったかが、分かろうというもの。

    そんな活動弁士=カツベンを主人公に、ドタバタあり、恋模様ありのとても楽しい映画を作ったのが、あの「Shall We ダンス?」や「それでもボクはやってない」などの周防正行監督。

    子供のころ、活動写真小屋に潜り込んで、無声映画を語る活動弁士に憧れていたのが、ひょんなことからニセ弁士として泥棒一味の片棒を担ぐことになった俊太郎(成田凌)。
    インチキに嫌気がさして一味から逃亡し、ある町の小さな映画館に下働きとして雇われる。
    館主(竹中直人)その妻(渡辺えり)が経営する“青木館”には、スター気取りのイケメン弁士茂木(高良健吾)、かつてのスター弁士で、今は酒に溺れて身を持ち崩している弁士山岡(永瀬正敏)など、クセの強い面々がいる。
    一方、対立するライバルの“タチバナ館”は、よからぬ面々も出入りし、社長(小日向文世)その娘(井上真央)が経営している。

    弁士の引き抜き合戦、ニセ弁士を追う熱血刑事(竹野内豊)、泥棒(音尾琢真)、小さいころから女優を夢み今は駆け出しの女優となった俊太郎の初恋相手の梅子(黒島結菜)らが入り乱れての、アクションあり、笑いあり、涙ありの、大騒ぎ。

    映画に出てくる無声映画は、阪東妻三郎主演、二川文太郎監督の「雄呂血」のみが実在のフィルムで、あとはすべて周防監督が撮ったもの。これが、見もの!
    奥様の草刈民代をはじめ、シャーロット・ケイト・フォックス、城田優、上白石萌音などがオーバーアクションで演じているのも楽しい。

    ちょっと前から“活弁ライブ”としてわれらが仲間の、弁士大森くみこ、ピアノ天宮遥のコンビで、OSシネマズ神戸ハーバーランドで行われているイベントも回を重ね注目されるようになり、今回この映画「カツベン!」のPRにも駆り出されるなど、スゴイ人気のお二人。

    来年118日(土)13:00~の上映は、この映画の中にも出てきた「雄呂血」なんだそう。
    阪妻の初期の代表作で、ラスト20分以上に及ぶ剣戟シーンは、日本に“剣戟ブーム”を起こした記念碑的作品。
    これをどう語り、どう見せてくれるのか・・・、是非皆様、お出かけください!

    ★おたか★

  • 2019年12月4日(水) 13時30分 おたかのシネマDEトーク

    おたかのシネマでトーク『ドクター・スリープ』(2019.12.4 水)

    おたかのシネマでトーク

    今日は「ドクター・スリープ」をご紹介しました。

    監督 マイク・フラナガン

    出演 ユアン・マクレガー、レベッカ・ファーガソン、カイリー・カラン、カール・ランブリー、ザーン・マクラーノン、エミリー・アリン・リンド、ジョスリン・ドナヒュー、クリフ・カーティス

     

    原作は2013年に出版されたスティーブン・キングのホラー小説。
    シリーズもの以外では、続編を書かないと言われているS・キングが「シャイニング」の40年後を描いた続編で、2013年ブラム・ストーカー賞小説部門賞を受賞、日本でも2015年に邦訳が出版されている。
    それをS・キングも認めたマイク・フラナガン監督が映画化したとなると、これはもう“観ないという選択肢はないやろう?!”状態。

    1980年にスタンリー・キューブリック監督が映画化した「シャイニング」は、どうもS・キングのお気に召さなかったようで、モダンホラーの金字塔のように愛され、怖がられてきた一般の評価とは裏腹に、酷評もしているS・キング。
    その彼が書いた原作、映画化をしたS・キューブリック監督、両方の「シャイニング」に敬意を払いながら脚本を書き監督をし編集も手掛けたというM・フラナガン。あの、雪に閉ざされ、惨劇の起こった”展望ホテル”をそっくりそのまま再現するなど、映画”シャイニング“のファンにはお涙もののオマージュがいっぱい!

    かつて、あの呪われたホテルの廊下を、三輪車で走り回っていた少年ダン。
    父親に殺されそうになった記憶、どこまでも追いかけてくるホテルの亡霊たち・・・、あのトラウマを抱えたまま今や中年の域に達しようというダン・トランス(ユアン・マクレガー)は、その忌まわしい過去から逃れるように、酒におぼれた毎日を送っていた。

    流れ着いたニューハンプシャー州の町では、ビリーという友人もでき、禁酒会にも参加し、ホスピスで働き始めたダンは、ずっと彼を苦しめてきた特殊な才能シャイニングを活かし、永遠の眠りにつこうとする患者たちの傍らに寄り添い、死の恐怖を和らげ“ドクター・スリープ”と呼ばれるようになり、やっと自らの居場所を見つけたかにみえた。

    そんなある日、彼の心に同じくシャイニングの持ち主の、アブラ・ストーン(カイリー・カラン)という少女がテレパシーで、ある少年の死を予感したことを伝えてくる。
    野球少年を惨殺して、その精気を吸い取り、生き永らえようとするローズ(レベッカ・ファーガソン)率いる謎の集団“真の絆(トゥルー・ノット)”のメンバーたち。やがて、彼らはアブラの存在とそのパワーに気づき、彼女に危険が迫る。

    助けを求められたダンは、闘いを終わらせるために、究極の場所、あの“展望ホテル”を、決戦の場所に選ぶ。
    呪われたホテルの扉が開き、よみがえる亡霊たち。果たしてこの闘いの勝敗の行方は・・・?

    1976年の「キャリー」以来「炎の少女チャーリー」「ミザリー」などのホラーのみならず「グリーン・マイル」「スタンド・バイ・ミー」「ショーシャンクの空に」などの人間ドラマ、「クジョー」「クリスティーン」「クリープショー」などの侵略ものまで、本当に多くの作品が映画化されている人気作家のS・キング。
    つい先日「IT/THE END”それ”が見えたら、終わり」が封切られ、年明けには「ペット・セメタリー」の新作も公開されるなど、引っ張りだこ。

    鼓動の音などをうまく使った音響効果にビビりながらも、「シャイニング」の怖さとは、ちょっとベクトルが違う気がするのは、おじさんと少女が一緒に、吸血鬼ならぬ吸気鬼をやっつけるというバディムービー的展開だからだろうか?

    ★おたか★

  • 2019年11月27日(水) 13時20分 おたかのシネマDEトーク

    おたかのシネマでトーク『太陽がいっぱい』(2019.11.27 水)

    おたかのシネマでトーク

    今日は「太陽がいっぱい」をご紹介しました。

    監督 ルネ・クレマン

    出演 アラン・ドロン、マリー・ラフォレ、モーリス・ロネ

     

     

    お久しぶりの“オタシネクラシックス”。懐かしの映画を紹介するこのコーナーで今回取り上げたのは、11月2日に80歳で亡くなったマリー・ラフォレのデビュー作「太陽がいっぱい」。

    そもそも彼女を最初に見出したのは、ルイ・マル監督だったらしい。ラジオのタレントコンテストで優勝した彼女を使って映画を撮ろうとしていたのが、諸般の事情で没になり、代わりにルネ・クレマン監督のこの「太陽がいっぱい」でのスクリーンデビューになったのだとか。

    「お嬢さん、お手やわらかに!」などで人気上昇中のアラン・ドロン、「死刑台のエレベーター」でジャンヌ・モローの相手役を務めたモーリス・ロネというスター達を相手に、堂々のヒロインぶり。
    スタッフも、監督が「禁じられた遊び」や「居酒屋」などのルネ・クレマン、原作は「見知らぬ乗客」などが映画化されているパトリシア・ハイスミス、そして「道」や「甘い生活」「山猫」「ゴッドファーザー」などのニーノ・ロータが音楽を担当と、まさに錚々たるメンバー。

    アメリカからイタリアにやってきた大富豪の息子フィリップ(モーリス・ロネ)と、貧しく孤独な青年トム・リプリー(アラン・ドロン)。
    ナポリに近い漁村に、婚約者マルジュ(マリー・ラフォレ)と暮らす愛の巣を持ち、近くのマリーナには彼女の名前を付けた豪華ヨット“マルジュ号”も係留されていて、フィリップは贅沢三昧。
    正に絵にかいたような放蕩息子を心配して、フィリップの父親はトムに息子をアメリカに連れて帰ってくれたら、成功報酬として5000$出そうと持ちかける。
    自由気ままに遊び歩き、マルジュに対してもやりたい放題。資産を持つ者と持たざる者とのあまりのギャップに、嫉妬や怒りを覚えつつ、それでも5000$の為に、まるで使いっ走りのような扱いを受けながらもフィリップから離れられないトム。

    ある日、マルジュの機嫌を取るために、シチリア島のタオルミナまで、ヨットを出す三人。
    ところが途中、諍いの挙句、大切な原稿を海に捨てられ怒ったマルジュが下船し、二人になったヨットで起こった、悲劇的な事件・・・。
    そしてあのあまりにも有名なラストシーンまで、ニーノ・ロータの名曲に乗せて、アラン・ドロンの悪の魅力が花開く!

    最初、フィリップの役をとオファーされたアラン・ドロンを見て、彼はトムの方が・・・と言ったのが、ルネ・クレマン夫人だったらしい。
    そのヨミは大成功で、まさに彼の代表作と言ってもいい作品になったのだ。

    ハンサムで、恋のうわさが絶えないアラン・ドロン。この頃、私生活で付き合っていたのが1959年に「恋ひとすじに」で共演したロミー・シュナイダー。
    同棲し婚約していたのに、1963年には別れてしまうのだけれど、この映画のローマのシーンにチラッとカメオ出演しているので、探してみるのも一興かも?!

    ★おたか★

  • 2019年11月20日(水) 13時00分 おたかのシネマDEトーク

    おたかのシネマでトーク『オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁』(2019.11.20 水)

    おたかのシネマでトーク

    今日は「オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁」をご紹介しました。

    監督 ユー・フェイ

    出演 役所広司、チャン・ジンチュー、リン・ボーホン

     

    先週の「ベル・カント とらわれのアリア」では渡辺謙と加瀬亮がポール・ワイツ監督のアメリカ映画に起用され、今回のこの作品では役所広司が日本人役ではなくヒマラヤ救助隊”チーム・ウイングス“の隊長ジアン役で出演している。
    国際的に活躍する俳優たちが増えてくるのは、嬉しい!

    この映画、日中合作で、プロデューサーが「フェイス/オフ」「レッドクリフ」シリーズ、「ブロークン・アロー」などのテレンス・チャン。
    監督のユー・フェイは、もとは大手の携帯ゲーム会社の副総裁で、“アメージング・スパイダーマン”のゲームなど人気作品を作っていて、小説を書いたり、映画製作会社を作ったりという経歴の持ち主で、初めての監督作品とは思えない仕上がり。

    かつては“ヒマラヤの鬼”と呼ばれていた救助隊”チーム・ウイングス“の隊長のジアン(役所広司)は、新入りの女性隊員のシャオタイズ(チャン・ジンチュー)や、ヘリパイロットのハン(リン・ボーホン)らと共に、過酷な人命救助の現場で活躍していた。5年前、ヒマラヤで遭難して自分だけが救助され、置き去りにしてきた恋人を探すためチームに加わったシャオタイズ、優秀ながら無謀な行動の多いシャオタイズには悩まされながらも、彼女の中に亡くなった娘の面影を見るジアン。

    ある日、2人の男の訪問を受け、ヒマラヤの”デス・ゾーン“とよばれる8700メートル地点に墜落した飛行機に積まれていた機密文書の回収を頼まれる。
    カトマンズで間もなく始まるヒマラヤサミットの前に、国家間の戦争を引き起こす可能性があるその文書を手に入れないと大変なことになるのでと、多額の報酬での依頼に、あまり気乗りしなかったジアンだが、チームの財政難を考え、引き受けることにする。
    この依頼には何か裏がある…と感じたジアンは、カトマンズのオフィスと連絡を取りつつ、山を登っていくのだが、案の定隠された陰謀が明らかになり、予想もつかない展開に・・・。

    実際に山が好きでヨーロッパアルプスのモンブランやエベレストにも登頂している監督のユー・フェイが2015年に脚本を書き始めて、アルプスなどで登山シーンのポスプロの準備にかかり、2017年にはキャスティングが始まり、6月に役所広司の出演が決定。2018年の1月から中国~カナダ~ネパールとロケを続け、4月いっぱいで撮影終了。その後、視覚効果など仕上げ作業を経て本編が完成したのが今年の7月というから、実に5年がかりの大作といっていい。

    日本語吹き替え版にはエンドロールにかぶせて主題歌、GLAYの“氷の翼”が流れる。
    臨場感あふれる山のシーンに、人間ドラマも加わり、見ごたえのある作品なのに、劇場で観た時のお客様の少なさに、ちょっとびっくり!
    宣伝が行きわたっていないということもあるのだろうけど、興行の難しさを垣間見たような気がした。
    結構面白い映画なのに、もったいないな~!!

    ★おたか★