おたかのシネマでトーク
今日は「男はつらいよ お帰り 寅さん」をご紹介しました。
監督 山田洋次
出演 渥美清、倍賞千恵子、吉岡秀隆、後藤久美子、前田吟、池脇千鶴、夏木マリ、浅丘ルリ子
1968年、TVドラマとして誕生し、翌年の8月27日、スクリーンに登場してから50年。
国民に愛され、高度成長の波に乗る勢いで48作が作られ、渥美清さんが亡くなり、49作目の「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇」が1997年11月22日に公開になったのを最後に、われらが“フーテンの寅さん”は、私たちの前から居なくなってしまった・・・。
一人の俳優が演じた最も長い映画シリーズとしてギネスブックに登録され、シリーズ49作目までの累計で劇場観客動員数8000万人、興行収入900億円などのすごい記録を持つ寅さんシリーズ。
第1作の公開から50周年となる今年、なんと50作目の新作が誕生したのだ。
あの懐かしい面々の“今”の生活と、4Kデジタルで修復されて鮮やかによみがえった寅さんシリーズの映像とで紡ぎだす、新たな「男はつらいよ」の物語。
小説家になった満男(吉岡秀隆)は、中学生の娘ユリ(桜田ひより)と二人暮らし。亡き妻の七回忌の法要を実家の柴又の家で行い、久しぶりに母・さくら(倍賞千恵子)父・博(前田吟)、義父・窪田(小林稔侍)、隣のタコ社長の娘朱美(美保純)、御前様(笹野高史)らと会い、変り者だったけどいつも優しく味方になってくれた伯父・寅次郎(渥美清)との日々も懐かしく思い出していた。
満男の最新作は評判も良く、出版社の担当編集の高野(池脇千鶴)からは、次作の執筆を勧められているけど、どうも筆が進まない。
書店で行われた満男のサイン会、なんと、その列に並んでいたのが、かつて結婚の約束までした初恋の人イズミ(後藤久美子)。現在UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のスタッフとなり、結婚し2人の子供も設け外国で暮らしている彼女は、サイン会のポスターを偶然見かけ、懐かしさのあまり立ち寄ったのだ。
是非会わせたい人がいるとイズミを連れていった小さなジャズ喫茶にいたのは、寅さんのかつての恋人リリー(浅丘ルリ子)だった。
僅かな滞在時間、懐かしい人々との再会、時の流れを取り戻そうとするかのようなイズミと共に過ごすひととき・・・。
山田洋次監督の、渥美さんにもう1回会いたいという思いからスタートしたこのプロジェクト。
日本経済が右肩上がりで一生懸命働けば報われると信じていた時代から、バブル崩壊を経て、不安な時代、生きづらい時代になってしまった、現代の日本に暮らす我々。寅さんと出会うことで、あの頃の希望に満ち、頑張ってた日々を懐かしく振り返り、帰ってきた寅さんと共に笑い、ともに泣き、又一歩を踏み出せるそんな気にさせてくれる、背中を押して励ましてくれる、そんな映画。
山田洋次監督から声をかけられたときは、夢かと思ったという桑田佳祐さんの歌う主題歌も、寅さんぶりもいい!
ずっと、お盆やお正月には映画館で寅さん映画を楽しむのが、日本人の当たり前だったようなあの頃の記憶をたどりながら、令和2年のお正月は、もうこの映画でキマリですな!
★おたか★