おたかのシネマでトーク
今日は「タロウのバカ」をご紹介しました。
監督 大森立嗣
出演 YOSHI、菅田将暉、仲野太賀、奥野瑛太、植田紗々、豊田エリー、國村隼
本当に衝撃的!
今どきの若いもんは、何考えてるのか分からない・・・、これは、こっちがトシをとったせいなのか?それとも、時代があまりにも変わってしまったということなのか?
戸籍すらなく、一度も学校に行ったこともないタロウ(YOSHI)。
社会のルールや道徳なんか教えられたこともなく、本能の赴くままに行動するタロウ。
母のネグレクト(育児放棄)で、家に居場所はなく、建築途中の家を隠れ家として、高校生のエージ(菅田将暉)、スギオ(仲野太賀)とつるんで、やりたい放題。
ある日、盗んだカバンから一丁の拳銃が出てきたことから、より過激な方向へ突っ走ることになる彼ら。
監督の大森立嗣が、本来は監督デビュー作にしたいと考えて1990年代に執筆していたシナリオ。
「まほろ駅前」シリーズや「日日是好日」などで見せた演出とは全く異質の荒々しいタッチで、行方の見えない彼ら三人の刹那的な暴走を追いかける。
社会的弱者の排除、ネグレクト、家庭崩壊・・・、突き付けられる現実とオーバーラップするかのようなリアルなシーン。
こんなにも“死”と隣り合わせにある“生”。
オールロケで、手持ちカメラでのドキュメンタリー的撮影も多く、チリチリとした不快感が足元から上って来る。
“すきって、何?” “しぬって、何?” あまりに純粋な問いかけに、思いがけず考え込む。
壁の殴り書きの“いのる いきる しぬ”。
彼らの青春は、あまりにも切なく、あまりにも哀しい・・・。
★おたか★