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ばんばひろふみ!ラジオ・DE・しょー!

番組内容

おバカなコーナー盛りだくさん!
ラジオの天才!バンバンが繰り広げるショータイムです!

放送は終了しました。ご愛聴いただき、ありがとうございました。

ブログの更新は終了しました。ご愛読いただき、ありがとうございました。

  • 2017年11月15日(水) 16時06分 おたかのシネマDEトーク

    おたかのシネマでトーク!『ザ・サークル』

    今日紹介した 映画 は…

    ザ・サークルでした!

     

    監督
    ジェームズ・ポンソルト

     

    出演
    エマ・ワトソン
    トム・ハンクス

    ジョン・ボイエガ

    カレン・ギラン
    ラー・コルトレーン
    ビル・パクストン

    テクノロジーの発達のスピードのすごさには、本当に驚かされる。

    この映画、原作はピューリッツァー賞ノミネート作家のデイヴ・エガーズが2013年に発表し、たちまち全米に一大センセーションを巻き起こし、年間ベストブックスに選ばれたベストセラー小説「ザ・サークル」。
    2013年当時は、まだもしかしたら?という展開だったのかもしれないが、2017年の今では、ほぼありそう?という怖さも感じる、インターネットの世界の進歩!

    舞台は”サークル“という全世界に30億人のユーザーを持つ超巨大SNS企業。
    トップのイーモン・ベイリー(トム・ハンクス)は、壮大な理想を持つカリスマとして、超人気の経営者。
    買い物もチャットもユーザーがやりたいことはすべて1つのアカウントでできるという便利なサービスを打ち出し、世界一のSNS企業となったサークルに、今またベイリーは新しいサービスを導入しようと動き出した。

    一方、夢を抱いて名門大学を出たけれど、地元でさえない暮らしをしていて、いつか・・・と思っていたメイ・ホランド(エマ・ワトソン)の元に、かつてのクラスメートアニー(カレン・ギラン)から、サークルの面接を受けてみないかとの誘いが来る。
    見事その面接をパスし、晴れて“サークル”の一員となった彼女の前には、信じられないような日々が待ち受けていた。

    そんな中、全社員を集めて次のプロジェクトへの取り組みを発表するベイリー。
    超小型ワイアレスカメラを、いたるところに設置し、美しい景色や刺激的な経験を沢山の人にシェアすることで、もっとユーザーを増やすという新しい試み。
    そして、全人類が”サークル“に加入して一つにつながるという壮大なプロジェクトのリーダーに抜擢されたメイは自ら小型カメラを装着し、プライバシーのすべてをさらけ出し、自分を透明化することで、あっという間に1000万人を超えるフォロワーを獲得する。

    でも、それが、幸せな人生なのか?世界はユートピアになるのか?

    かつて、この会社を共に立ち上げ、今はベイリーと意見を異にして一線を引いている創始者の一人タイ・ラフィート(ジョン・ボイエガ)との出会いで、徐々に疑問を持つようになったメイ。
    そして、起こる大きな悲劇・・・。

    行きつく先は、ユートピアなのか?ディストピアなのか?
    実は原作と映画のラストは違っていて、映画はちょっと救いのあるものになっている。
    監督のジェームズ・ポンソルトと、共同で脚本も書いている原作者のデイヴ・エガーズが描いたこの映画のラスト。
    ちょっとヤワなんじゃない?と思われる方には、是非、原作も読んでいただきたいと思いマス!

     

     

     おたか 

  • 2017年11月8日(水) 17時43分 おたかのシネマDEトーク

    おたかのシネマでトーク!『キセキの葉書』

    今日紹介した 映画 は…

    キセキの葉書でした!

     

    監督
    ジャッキー・ウー

     

    出演
    鈴木紗理奈
    赤座美代子

    八日市屋天満

     福富慶士郎
     雪村いづみ

    奇跡というものは、起きるのをずっと待っているのではなく、自らが努力して起こすものだということを、教えてもらいました!

    阪神淡路大震災の後の1995年の西宮市。
    脳性麻痺で重度の障害を持つ5歳の娘を抱え、介護に家事に子育てに大奮闘する美幸(鈴木紗理奈)。
    7歳の長男はよく手助けをしてくれるが、次第に追い詰められた美幸は、故郷大分県に住む母親喜子(赤座美代子)に助けを求めるも『そげな子は、自分で育てられるわきゃないき!こっちはこっちの生活があるんやけん!』と冷たく突き放される。
    極度のストレスの為、みたところは元気そうなのに、不眠や摂食障害を起こす“仮面うつ”にかかった美幸は、この娘さえいなければ・・・と考えている自分に愕然とする。

    『全ては自分、あなたが変わらないとあかん』と声をかけてくれる同じ団地の住人(雪村いづみ)の言葉に、もう一度、自分の夢を持ち、自分らしく生きていかなければ…と、児童文学作家への道を歩みだそうと決心した矢先、故郷の父親から『母さんがおかしい』との電話。

    認知症とうつ病を併発し、死にたいという母。その頃、夫は大学教授になる為に、もう少し研究をということでイギリス留学をすることになった。が、大変な介護が必要な娘を連れて帰郷することはできない。おまけに、かつて自分が助けを求めたときに冷たく突き放した母へのわだかまりもあって、心は乱れる。

    そんななか美幸は、絶対家族の誰も手放さない!私の為に、みんなの為に、生きて!と母に向かってせっせと葉書を書き始める。
    さりげない日常のあれこれを、くすっと笑える味付けで文章にし、イラストというかスケッチも添える。
    毎日届く娘からの葉書に、いつしか母親の心も平穏を取り戻し、やがて、認知症もうつも克服していった。

    実はこれは、脇谷みどりさんの「希望のスイッチは、くすっ」という本が原作の実話。
    彼女は、現在作家としても活躍してらっしゃるのだけれど、西宮のコミュニティFM さくらFMで土曜日の朝10時からの30分間番組を持つパーソナリティでもある。
    で、この放送の道に誘い込んだ(?)のが、他ならぬこの私。
    最初私と2人でやっていた番組だったのですが、彼女のざっくばらんで優しく、ちょっとユニークな視点で話すおしゃべりが好きで、プロでも難しい一人喋りへの挑戦を勧め、結果それが大成功して、現在も息の長い大ヒット番組になっています。

    13年間で書いた葉書が5000枚。そのすべてをスケッチブックに貼って保存していた母。スゴイです!

    美幸役の鈴木紗理奈さんはこの演技でマドリード国際映画祭で外国映画最優秀主演女優賞に輝き、監督のジョン・ウーも監督賞に輝いています。

    でもこのタイトル、どうして「奇跡のハガキ」じゃなくて「キセキの葉書」なんだろう???

     おたか 

     

  • 2017年11月1日(水) 16時34分 おたかのシネマDEトーク

    おたかのシネマでトーク!『ブレードランナー2049』

    今日紹介した 映画 は…

    ブレードランナー2049でした!

     

    監督
    ドゥニ・ヴィルヌーヴ

     

    出演
    ライアン・ゴズリング
    ハリソン・フォード

    アナ・デ・アルマス

    シルビア・ホークス
    ロビン・ライト

    続編が作られる映画というのは、たいてい1作目がヒットして2匹目のドジョウを狙うというケースが多い。
    あるいは、元々、壮大なスケールのストーリーがあって、何本かに分けないとその全貌を語りつくせないと、最初から何本かの作品が決まっているケース。

    普通、公開時にあまりヒットせず、理解もされなかったSF映画の続編に1億5000万ドル(約170億円)という製作費が投じられることは、めったにない。
    今回は正に期待の続編だけにハードルは高く、実際全米で 封切り最初の週の興収が予想を下回ったことで、コケた!と報道されてしまったことは、ちょっと残念。
    まだまだこれから、口コミなどによる観客の伸びが期待できるだろうし、ストーリーもさることながら、映像や音響の素晴らしさは、1作目の公開時にはなかったIMAXや3D、MX4Dなどの上映スタイルでより魅力的なものとなっている。

    今回、リドリー・スコットにかわって、監督したのは、オリジナル作品の大ファンだというカナダ生まれのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。エイミー・アダムス主演のSF「メッセージ」で、アカデミー賞8部門にノミネートされたりで、今注目の監督。

    難解ながら、独特の世界を描き出して、熱狂的なファンを持つ、リドリー・スコット監督ハリソン・フォード主演の「ブレード・ランナー」が描いたのは2019年のロサンゼルス。
    雨に濡れたアジアチックな町が印象的だったが、今回はその20年後の世界が描かれていて、そこには雨ではなく雪が降る。

    旧型のレプリカントを解任、つまり破壊していく任務を遂行するKという孤独なブレード・ランナーにライアン・ゴスリング。
    ある秘密を知り、Kがその謎を解こうとした時にたどり着く男、30年間行方不明だったかつてのブレード・ランナー、デッカード役に前作に引き続きハリソン・フォード。

    もはやSFのジャンルを超え“人間とレプリカントを分ける価値観とは”や“人間と魂のあり方”などの哲学的で深遠なテーマが追及される2時間43分。

    正直ちょっとヘビーな部分もある。でも、ブタペストの街やスタジオで撮影され、CGを使いすぎることなくオリジナルの世界を再現するために数百万ドルが費やされたというヴィジュアル。撮影監督のロジャー・ディーキンスの仕事は、本当に見事!

     おたか 

  • 2017年10月25日(水) 16時21分 おたかのシネマDEトーク

    おたかのシネマでトーク!『日の名残り』

    今日紹介した 映画 は…

    日の名残りでした!

     

    監督
    ジェームズ・アイボリー

     

    出演
    アンソニー・ホプキンズ
    エマ・トンプソン

    ジェームス・フォックス

    クリストファー・リーブ
    ピーター・ヴォーン
    ヒュー・グラント

    今回の“オタシネ・クラシック”は、今年のノーベル文学賞を受賞して話題となったカズオ・イシグロが書いて、1989年の、英国文学賞の最高の栄誉であるブッカー賞に輝いた「日の名残り」を、ジェームズ・アイボリーが監督した1993年の映画のご紹介。

    1954年長崎生まれの石黒一雄さん。5歳の時に海洋学者の父がイギリスに招かれた為、一家で移住。
    その後1970年には英国の国籍を取得して英国人になり、著作もすべて英語で発表されているため、カズオ・イシグロという海外の作家扱いになる訳だけど、初期の作品には日本を題材にしたものもあり、日本の映画もお好きなようで、日本人の魂も大切にしてらっしゃるところが感じられて、嬉しい限り。
    2005年に発表された「わたしを離さないで」も、2010年にマーク・ロマネク監督、キャリー・マリガンらの主演で映画化され、2014年には、蜷川幸雄演出で舞台になり、2016年には綾瀬はるか主演でTVドラマにもなっていて、日本でも人気の作家さん。

    ノーベル文学賞受賞をきっかけに、DVDなども増産され、配信もされたりで、ちょっとしたブームになってるカズオ・イシグロ関係の映画の中で、お気に入りのジェームズ・アイボリー監督作品ということもあって、取り上げたのが「日の名残り」。

    1980年代「眺めのいい部屋」「モーリス」「ハワーズ・エンド」など、英国の伝統美とエレガンスに溢れたいい映画を撮ってるアイボリー監督が「ハワーズ・エンド」でとても相性が良かったアンソニー・ホプキンズとエマ・トンプソンを再び起用して、その制作に関わったスタッフも呼び集めて作ったのがこの作品。

    イギリスの広大なカントリーハウスに暮らす貴族に仕える執事スティーブンス(アンソニー・ホプキンズ)。
    かつて共にその屋敷で働いていた女中頭ミス・ケントン(エマ・トンプソン)から久しぶりに手紙が届き、彼女の元を訪ねるスティーブンスの旅と、かつての主人で、ナチスドイツに利用され、没落してしまったダーリントン卿(ジェームズ・フォックス)の屋敷での、華やかな日々が交錯。

    父親の臨終にすら立ち会わず、ミス・ケントンへの淡い恋心にも蓋をして、ひたすら仕事のみにまい進した彼の人生って、いったい何だったんだろう?
    そして、自分自身への内なる旅で、スティーブンスが見つけたものとは・・・。

    アンソニー・ホプキンスといえば、アカデミー主演男優賞など各賞総ナメの「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクターが当たり役ですが、このスティーブンス執事の押さえた演技も見事です!

     おたか 

  • 2017年10月18日(水) 16時11分 おたかのシネマDEトーク

    おたかのシネマでトーク!『バリー・シール アメリカをはめた男』

    今日紹介した 映画 は…

    バリー・シール アメリカをはめた男でした!

     

    監督
    ダグ・リーマン

     

    主演
    トム・クルーズ
    ドーナル・グリーソン

    サラ・ライト・オルセン

    E・ロジャー・ミッチェル

    ジェシー・プレモンス

    いろんな意味で、やっぱりアメリカってすごい国だと思う。
    実話のCIAのスキャンダルを一大エンターテインメント映画にして公開してしまうんだから、大丈夫なのか?とこっちが心配してしまう。

    中心人物はバリー・シール。
    1970年代に、大手航空会社TWAのパイロットとして活躍。
    その操縦テクニックが群を抜いて冴えていたので、1978年、CIAにスカウトされ、南米の反米勢力の活動エリアの偵察飛行の極秘作戦に参加。
    1980年代になって、CIAに頼まれて、ニカラグァの民兵組織に銃を届けたリ、コロンビアのメデジン・カルテルに頼まれ、麻薬を運ぶことになったり、正に、やりたい放題。

    お金も隠し場所に困るほど儲かってきて、家も引っ越し、捕まってもCIAや麻薬王、誰かが救い出してくれる。
    麻薬密輸ビジネスも順風満帆で、巨万の富を得て、アメリカをも手玉に取ったかに見えた彼も、やがてFBIやDEA(麻薬取締局)やATF(危険物取締局)から追われることになり・・・という一人の男の破天荒な生き方は、正に映画みたいで、とてもリアルなストーリーには思えないのだけれど、ここに描かれているのは、すべて実話だというから、びっくり!

    バリー・シールズを演じるのはトム・クルーズ、監督はダグ・リーマン。
    あの2014年の「オール・ユー・ニード・イズ・キル」の、ゴールデン・コンビ。

    リーマン監督の父、アーサー・L・リーマンは、この映画の中にも出てくるイラン・コントラ事件に関する上院の捜査主任顧問を務め、聴聞会ではオリバー・ノース中佐の尋問を行ったヒトで、当時の政権の戦略の愚かさについて父子で話し合ったりもしたらしく、なんだか不思議な二人の縁に、正に“事実は小説より奇なり”を感じるすごい映画!

    悪人だけど、どこか憎めないところもある主人公を、自ら操縦桿を握り、危険なシーンも演じきったトム・クルーズはハマリ役だけど、「トップ・ガン」や「ミッション・インポシブル」のイメージと、オーバーラップしてしまうのが、玉に瑕?!

     おたか