おたかのシネマでトーク
今日は「轢き逃げ 最高の最悪な日」をご紹介しました。
監督 水谷豊
出演 中山麻聖、石田法嗣、小林涼子、毎熊克哉、水谷豊
ドラマ「相棒」などでおなじみの水谷豊の監督2作目。今回は、監督・脚本・出演とまさに大活躍の水谷豊ワールド、完全オリジナル作品。
結婚式を3日後に控え、打ち合わせに向かう途中、車で若い女性を轢いてしまった宗方秀一(中山麻聖)は、助手席の、学生時代からの親友で同僚の森田輝(石田法嗣)の“誰も見ていないよ”という言葉で、車を急発進させ、その場を立ち去ってしまう。
花嫁になるのは、勤務先の副社長の一人娘、白河早苗(小林涼子)。将来を約束されたような結婚には、何としてでも漕ぎつけなくてはならないという秀一の咄嗟の行動が、この後多くの人の人生を、最高から最悪な状況へと突き落としていく・・・。
その日の夕方のTVニュースで、事故にあった女性が亡くなったことを知り、動物の目だけを切り貼りした脅迫状のような物が届くに至って、恐怖と後悔はピークに達する中、予定通り結婚式は挙行される。
一方、この轢き逃げ事件で一人娘を失った時山光央(水谷豊)千鶴子(檀ふみ)夫婦は喪失感で最悪の日々を送っていた。
やがて犯人の秀一と輝が捕まったという知らせを受けても、その喪失感と悲しみは癒えることがなかった。
捜査に当たったベテラン刑事の柳公三郎(岸部一徳)若手刑事の前田俊(毎熊克哉)の訪問を受け、娘の遺品に携帯電話がないことを告げられた時、光央はかすかな違和感を覚え、娘の行動を辿るべく、職場の美術館に出向き、同僚に話を聞いてゆく。
準抗告で釈放された輝の元へも光央は足を運び、事件の真相を探ろうとする・・・。
留置場で、自分のしたことと向き合い自己の罪の深さに苛まれ、面会に来た妻の早苗に離婚を願う秀一。
最悪な状況の中でも、そこから抜け出すなんらかの途を見つけ出そうともがき苦しむ関係者の前に、なんと予想だにしなかった展開が待ち受けていた・・・。
え~、まさか~?! という展開に、ちょっと強引さを感じつつも、最後まで観客の心を引っ張っていく水谷豊監督の演出力は大したもの。
手嶌葵が歌うテーマソング“こころをこめて”は、作品に合わせるというより、母性を感じさせてほしいというオーダーで作られ、このやるせない展開の映画が最後にたどり着く“赦し”や“母性”に溢れ、心を癒してくれる。
架空の街の設定だけど、神戸の町でいっぱいロケされ、おなじみの風景が画面に広がっているのも、日本映画として初めて”ドルビー・シネマ“という最新映像技術と”ドルビーアトモス“というオーディオシステムを採用し、臨場感あふれるというか作品の中に入り込んでしまったかのような映画体験ができるのも、嬉しいところ。
是非、音響設備のいい、大きなスクリーンの映画館でご覧ください!
★おたか★
過去ログ・・・