ーーーおたかのシネマでトーク
今日は「オンリー・ザ・ブレイブ」をご紹介しました。
監督 ジョセフ・コシンスキー
出演 ジョシュ・ブローリン、マイルズ・テラー、ジェームズ・バッジ・デール、ジェフ・ブリッジス、テイラー・キッチュ
人間長くやっていると、常識と思っていたことが、必ずしも常識ではないと分かって、ビックリすることがある。
火事は水をかけて消すのが当たり前と思っていたら、最近は泡だったりガスだったり粉末だったり、火災の種類によっていろんな対応、消火法があるということを知りびっくりしたのだけれど、こと山火事に関しては、なんと火をもって火を制すという消火法があることを、この映画で初めて知った。
アメリカの中西部。夏場、乾燥し気温が50度ぐらいになり、枝がこすれただけで発火し、やがて猛烈な勢いで炎が山を焼き尽くす。そんな巨大な山火事に立ち向かうのは、選ばれた男たち。
”ホットショット”と呼ばれるアメリカ農務省森林局の精鋭部隊。消防界のネイビー・シールズとも呼ばれる程、厳しい訓練を経たプロ中のプロだけが集まったチームにしかこの“ホットショット”の称号は与えられない。
アリゾナ州プレスコット市にある、市所属の森林消防隊。
リーダーのマーシュ(ジョシュ・ブローリン)は、かねてから自分たちのチームをホットショットにしたいという願望があり、妻のアマンダ(ジェニファー・コネリー)の後押しや、親友の消防署長デュエイン(ジェフ・ブリッジス)の口添えで、実際の現場での働きぶりのチェックを受けるという、認定テストに臨む。
隊員募集に、麻薬におぼれていたマクドナウ(マイルズ・テラー)が志願してきた時、回りの隊員の反対を押し切って彼を採用し、立ち直りの機会を与え、何とかチームの一員として使いものになるよう鍛え上げたマーシュは、頑固者だけど隊員たちからの信頼は厚く、素晴らしいリーダーだった。
認定テストの日、審査官とマーシュとが意見の食い違いで、激しい口論となる。
もう多分、認定は無理だろうと半ばあきらめかけたところへ、”君たちのボスは生意気だけど、君たちは最高の消防士だ!”という朗報が届く。
こうして、今まで地方自治体の消防隊がホットショットに昇格した前例はない中、彼らは“グラニット・マウンテン・ホットショット”として正式に認められ、大喜びの町の人々の期待も背負って、活動を開始する。
これは実際に2008年から6年間、大活躍した20人の隊員たちの実話。
トランスフォーマーシリーズの名プロデューサー、ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラが、このチームを紹介した雑誌の記事を読んで感銘を受け、映画化を実現させた。
驚異のスケールで山火事を映像化したのは、監督のジョセフ・コシンスキーと、2012年「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」でアカデミー撮影賞を受賞したクラウディオ・ミランダ。実際の火、特殊効果の火、CGで作った火、という3つの火が大迫力で迫って来るのは、観ていても恐怖を覚えるほど。
その実際の火に、正に“勇気だけ”で立ち向かっていった彼ら。
そして、人はきっかけさえあれば立ち直ることが出来る・・・という、人間の凄さ、偉大さそして希望を見せてくれた人間ドラマ。
火の怖さはあの「バックドラフト」より、数段上です!
★おたか★
過去ログ…6月13日 放送 おたかのシネマでトーク「終わった人」